「新しい働き方」と「オープン・イノベーション」は今、地方の中小企業が新たな活路を見出すために欠かせない要素となりつつあります。本連載では「”人”が変える地方創生」と題して、この2つの潮流についてお伝えします。

 

第10回では、「地方を変えるプロ人材になるために必要なこと」を考えます。何十年もの経験を生かして就任する「顧問」だけではなく、若手のビジネスパーソンも自身の知見や経験を生かして羽ばたける時代。プロ人材として活躍するためには、何が必要なのでしょうか?

 

*本記事はサンケイビズの連載「”人”が変える地方創生」との連携企画です。サンケイビズの記事についてはこちらから

従来の雇用ではない働き方を通じて、地方の魅力を発見するプロ人材

地方企業が新たなチャレンジをしていくためには、従来型の雇用だけではなく、「週に1回だけ来てもらう」といったような柔軟な働き方で東京のプロフェッショナル人材を活用することが大切だとお伝えしてきました。

 

プロフェッショナルを1社で雇用していることそのものが悪いと言っているわけではありません。しかし事実として、数社に分散して働き、自分でワークシェアをしたり時間をコントロールしたり、プロジェクトを作ったりという試みを繰り返すことでプロフェッショナルとしての価値が高まっていく人材も多いのです。地方企業を外部からサポートしながら、部長や取締役、CFOなどに就任するケースも出てきています。最終的には、地方企業の雇用につながることもあるのです。

 

長年東京のみで活躍してきたプロ人材が、私たちのような存在を介して地方企業に関わり始める。実際にやってみることで、地方の魅力を知り、定住も考えるようになる。こうした動きが実際に見られるようになりました。何事も、やってみないと分からないものです。

「会社員」と「プロ人材」の違いとは?

これからは、1社に縛られず、地域に関わらず活躍するプロ人材を増やしていく必要があると思います。では、そうしたプロ人材になるためには何が必要なのか? 3つのポイントがあります。

 

まずは「尖り」を作ること。「尖り」とは「強み」より上、突出しているということですね。できれば一つではなく、複数のテーマで尖りを持つ。例えば、「自分は人事制度を設計できるプロだ」という自負があったとしても、その強みだけでは人事にしか関われません。他の尖りをどこに持つのかを考えて、強化していかなければ、限られた場面でしか活躍できない人材となってしまいます。

 

そして、「ポジショニング」を考える。どの立ち位置であれば自分の価値を最も発揮できるのか、プロ人材であれば明確にしておくべきです。しかし、これをはっきりと言えない人が多い。ある種のサラリーマン病だと言えるかもしれません。「ポジショニングは与えられるものだ」という前提があるのかもしれない。そうではなく、「自身のポジショニングは提案するもの」なのです。私を使うのであればこのポジショニングが最適ですよ、と明確に言えるかどうか。これを突き詰めていくべきです。

 

最後に「可視化」。自分自身の知見や経験を分かりやすく説明できることが大切です。これが可視化されている効果はかなり大きい。将来の可能性でもいいので、定義しておくべきです。私自身は、一定のハイキャリアと話す力と実行力があれば、誰でもプロ人材になれると思っています。ただし、それを続けていけるのは、自分の知見や経験を可視化し、それに基づいてコミットしていける人。自分の範疇を明確にして、責任を持っているからこそ、合わない案件を引き受けることがないんです。「何でもやれます」と言うのは簡単ですが、それでは成果が出ません。

20代、30代でも活躍できるフィールドが地方に広がっている

プロ人材になるためには、まずは「副業」でも、「無償」でもいいと思います。まずやってみないことには、自分の「尖り」も「ポジショニング」も明確にならないからです。知り合いづてでも何でもいいので、まずは自分で案件を創りだしてみる。自分の型が何となく見えてきたときに、私たちが持っている知見も合わせて一緒に可能性を考えていけば、独自の尖りとポジショニングを生かして活躍できる世界が広がっていきます。

 

定年後に活躍する「顧問」というあり方は、昔からありました。知見や経験を生かし、複数の企業に価値を提供していく。今は、20代、30代の若年層でもそれに挑戦していける世の中です。
その活躍の場は地方にも広がっています。「自分の強みをどのように生かしていけるか」「どんなフィールドで活躍できるか」……私たちは日々、それを一緒に考え、時代を変えるプロ人材を送り出しています。

 

取材・記事作成:多田 慎介

久保田雅俊

株式会社サーキュレーション代表取締役CEO。新卒で株式会社インテリジェンスに入社。
企業の人事戦略支援、中途採用支援に一貫して関わり、
IT業界・金融業界をメインに、トップアドバイザーとして活躍。
最年少マネージャーを経て、最年少ゼネラルマネージャーに就任。
その後、初の社内ベンチャーを立ち上げ、カンパニーTOP就任、事業を拡大牽引する。
2014年に株式会社サーキュレーションを設立。