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今回は「女性の社会進出と男性の家庭進出はセット」と題しまして、イクボスに持って頂きたいメンタリティのお話をさせて頂きます。女性の社会進出であり、活躍推進という言葉が出てきて、もう何年も経ちます。厚生労働省内閣府資料によると、共働き世帯が専業主婦世帯の数を上回ったのは1997年。以降、差はどんどん広がって、2016年のデータだと、共働き世帯が1,129万世帯、専業主婦世帯が664万世帯とのことですので、その差1.7倍にまで広がっています。その点では、この20年で女性の社会進出が進んできたと言えると思います。

女性だけに負荷を強いる女性活躍推進なんてありえない

一方で、男性の働き方、生き方はどれくらい変わったのでしょうか。例えば男性の育休取得率というものがありますが、現在、何パーセントかご存知でしょうか。2016年度の男性の育児休業取得率は3.16%です。前年度より0.51ポイント増加し、調査開始から過去最高の数値とのことでした。繰り返しますが、3.16%で過去最高です。。。しかもこれは期間が数日といった短期間のものを含めての数値ですので、いかに低いかということが分かります。一方で女性の育休取得率は81.8%ですので、まだまだ、育休取得であり、その延長線上にある子育て、家事も女性の役割という家庭が多いように思います。

ただ、先ほどお話しした通り、女性の社会進出は進んできていますので、育休後、職場復帰して、仕事をしていきます。そうなると当たり前ですが、家庭での育児、家事等の負荷はそのままに、仕事の負荷も重なります。これってかなり不公平ではないでしょうか。私はリクルートキャリアの人事時代に、全国のワーキングマザーと面談して回りましたが、その時多かった意見は「上司を何とかしてほしい(理解してほしい)」と「旦那を何とかしてほしい」でした。上司については、まさにイクボスを育てるということで、社内でもできることがあると思いましたが、旦那さんについてはなかなか手が出せません。でも、そこが一番大事だということが分かりました。ですので、私自身、まずは自分からということで、育休を半年取ることにしたのです。

女性の活躍推進と男性の家庭進出はセット

私はずっとサッカーをやって育ってきましたが、サッカーもこの30年で大きく変わってきました。昔はポジションが決まっていて、フォワードは攻める人、ディフェンダー、キーパーは守る人、ミッドフィルダーは繋ぐ人という感じでした。ですので、私の大好きだったマラドーナはほとんど守備しません。それでも点を取ってくれば、英雄だったわけです。これって昔のお父さんですね。夫婦の家庭内役割には主に「稼ぎ手役割」「教育役割」「世話役割」の3つがありますが、昔の家庭はお父さんが「稼ぎ手役割」、お母さんが「世話役割」という形で、完全に攻めと守りが分業されている状態でした。つまり専業主婦世帯です。

ただ、近代サッカーはもはやポジション関係なく、有機的に動いていきます。今はフォワードであっても、前からボールを追いかけ、守備をすることが求められますし、それが評価されます。一方で、ディフェンダーも守備だけしていればいいという時代ではなく、攻撃参加し、得点チャンスを作る、さらに言えば自ら得点を取るといったことができるチームが強いわけです。ポジション固定制ではなく、いろんなポジションをこなせたり、攻め、守りの区分けなく、状況に合わせて、チームのために動くということが求められるわけです。

話を戻しますが、これまた、今の家庭でも言えることです。お母さんが守備だけではなく、攻めも担うようになってきました。つまり、仕事に出て「稼ぎ手役割」を担うようになってきました。その時、お父さんはどうなのか?いつまで、攻めしかしない選手でいるのか。家庭内における「世話役割」である、育児、家事という能力を高めなければ、家庭内でのポジション(居場所)がなくなってしまうかもしれません。

少し脱線してしまったかもしれませんが、言いたいことは「女性の社会推進と男性の家庭進出はセット」ということ。これはミクロで言えば家庭内、マクロで言えば社会でも言えることだと思っています。これをセットでしないと全ての負荷が女性に乗っかってきます。それでは、健全で、継続的な女性活躍推進なんてできるわけがありません。昨今、あまりにも疲れ果てているワーキングマザーが多いような気がしています。

まとめ

今回は「女性の社会進出と男性の家庭進出はセット」であるということをお話ししてきましたが、イクボスにはこれを自分の言葉で語れるようになって頂きたいと思っています。女性の社会進出の全責任、全負担を女性だけに課すのではなく、それは男性も一緒に担っていくべきです。ぜひ、イクボスには意思を持って、男性の家庭進出を支援して頂きたい。そしてそんなイクボスが増えてくると、マクロでは女性の社会進出、活躍推進というのも、よりいいサイクルで回りだすと思いますし、ミクロでは家庭が上手くいくことで、安心して仕事を頑張れる、結果として仕事でも成果につながると思っています。

記事制作:
株式会社ミライフ 代表取締役社長 佐藤 雄佑

佐藤 雄佑
新卒でベルシステム24入社。マーケティングの仕事に従事。そこで「やっぱり最後は人」だと思いリクルートへ。リクルートでは営業、支社長、人事GM、エグゼクティブコンサルタントなどを歴任。MVP、MVG(グループ表彰)などの表彰多数受賞。リクルートホールディングス体制構築時(2012)には人事GMとして、リクルートグループ(現リクルートキャリア)の分社・統合のプロジェクトを推進。子供が生まれた時には、半年間の男性育休を取得し、主夫を経験。2016年、株式会社ミライフ設立。

ノマドジャーナル編集部
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