コンピュータが人間の能力を越えるって本当?ディープラーニングとシンギュラリティとは

皆さんはディープラーニングという言葉を聞いたことがありますか。聞いたことがない人もAIや人工知能という言葉は聞いたことがあるでしょう。AIが囲碁で人間に勝ったということが大きなニュースになりました。現在、AIは急速に発展してきており、今後、人間の能力を越えるのではないかと言われており、それに伴い、消える職業があるとも言われています。ここではディープラーニングとシンギュラリティについて説明します。

ディープラーニングとは

これまで大量のデータをAIが処理する際には、人間がその判断のポイントをプログラムする必要がありました。それでも大量のデータを処理できるわけですから、AIの処理スピードに人間は勝つことはできませんでした。しかし、さらにそれが進化し、「ディープラーニング」という手法が開発されたのです。「ディープラーニング」は「深層学習」とも訳され、AIが大量のデータからその特徴をAI自らが学習していくのです。そのため、あらかじめ人間が特徴を設定する必要がなく、人間には特徴が分からないものもAIを介することで、その特徴が理解されるということも出てくるのです。これがAIの進化、つまりは人工知能の進化に結びついているのです。

シンギュラリティって何?

「シンギュラリティ」と言われるとよく分かりませんが、これはどういう意味かというと、AIが人間の能力を超える「技術的特異点」のことを言います。2045年にはAIは人間の能力を越えると言われています。研究者によっては2035年には越えるのではないかとも言われており、その世界はもう間近に迫っています。そのため2020年の学習指導要領では小学校でプログラミングを必修化するなど、AIが人間の能力を越える日に備えて学習する必要があるとしています。AIが囲碁で人間に勝つにはもっと時間がかかると言われていた中、すでにAIが人間に囲碁で勝っていますので、近い将来にシンギュラリティが起こるのは確かでしょう。

コンピュータが人間を越えると何が起こる?

これまでも技術の進化によってさまざまな変化が社会に起こりました。コンピュータの進化もすでにさまざまな変化をもたらしていますが、コンピュータが人間を越えると何が起こるのでしょうか。ここではコンピュータが人間を越えることで起こると予想されることを説明します。

1.消える仕事がある

コンピュータによって人間の仕事が取って代わられるという話が話題になっています。これまでも技術の進化によって消えていく職業がありました。コンピュータが人間を越えることで、同じように消えていく職業もあります。コンピュータが得意な作業、データの処理をするような職業、ルールが決まっていて、その通り実施すれば良い仕事はコンピュータに置き換わると言われています。「雇用の未来?コンピューター化によって仕事は失われるのか」という論文には、電話のオペレーターやレジ係のような仕事だけでなく、会計士や銀行の融資担当者なども消える仕事として挙げられています。

2.仕事のやり方が変わる

コンピュータが今以上に仕事をする際に重要になってきますから、コンピュータを上手に使う必要があります。コンピュータが得意なところはコンピュータに任せること。それが重要になるのです。その結果として仕事のやり方は大きく変わるでしょう。

3.教育が変わる

コンピュータが得意なことはコンピュータができないことを人間がする必要があります。そのため、人間が得意な能力を伸ばす教育をすべきだという流れになっています。実際に文科省も「21世紀型スキル」として情報創造力(こと創り)、批判的思考力、問題解決力、コミュニケーション力、プロジェクト力、ICT活用力等をあげています。こうした能力を鍛えるために学習指導要領も実際に変わります。

4.コンピュータが暴走する?

コンピュータが人間を越えることでコンピュータが暴走するのではないかという人もいます。実際にAIの開発を止めるべきだという人もいます。確かにコンピュータが自分で判断できるようになると何が起こるか分かりません。テスラのCEOであるイーロン・マスクもその危険性を指摘しています。実際にどのようなことが起こるのかは分かりませんが、コンピュータが暴走する可能性は否定できないでしょう。

コンピュータにはできない人間の能力とは

前述した「21世紀型スキル」のところで触れましたが、その中でも特に人間が鍛えるべき能力は「考える力」でしょう。コンピュータは考えているわけではなく、大量のデータから共通点を見つけて答えを出していくだけなので、実際には考えているわけではありません。データ処理はコンピュータに任せ、それをどのように生かしていくのか、まさに人間の「考える力」が問われるようになるです。その能力を鍛えていない人はコンピュータに使われる人になるのかもしれません。

教育の考え方を大きく変えよう

コンピュータが得意なことはコンピュータに任せ、人間が得意な能力を伸ばすためには教育も変わらなければなりません。実際に2020年の学習指導要領ではそうした人間の能力を伸ばすべく、プログラミングも小学校で必修化されます。子どもたちだけでなく、大人もそうした社会の流れについていけるように考え方を変える必要があるでしょう。

記事作成/ジョン0725