社会課題解決に積極的に取り組むNPO法人、一般社団法人、ソーシャルビジネス事業者に対し、経験知見を有するプロフェッショナル人材によるプロボノでの支援プロジェクト「Probono Sharing」。サーキュレーションはProbono Sharingを通じ、思いに共感した人や経営・事業経験のある人に関わってほしいというソーシャルセクターと、報酬よりもやりがいや社会的意義の高い団体に経験・知見をシェアしたいというプロをマッチングし持続可能な社会を実現する好循環モデルを目指しています。

今回、日本のスポーツ文化をリードし続け、わが国が誇る公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)でもプロボノ支援プロジェクトが開始します。

サッカー団体という枠を超え、「Jリーグをつかおう!」をキーワードに、地域を豊かにしていくきっかけづくりとなる多くの施策に取り組むJリーグ。全国56のJクラブが地元地域で行っている「ホームタウン活動」の推進や、Jクラブと人々を結ぶ社会連携活動である“シャレン!”もその1つです。

2020年1月、社会連携へ積極的なJリーグと、共感と知の循環で社会課題を解決することを目指すサーキュレーションがProbono Sharingを通じパブリック、ソーシャル、ビジネスというセクターを超えた連携に挑戦。異なる経験・スキルを有するプロフェッショナル人材とソーシャルセクターが循環できる機会を創出し、社会課題解決のため共通のアジェンダに対しコミットメントを起こすコレクティブインパクト(社会変化の共創)の実現を目指します。

本インタビューでは、シャレン!や、Jリーグ内部の経営の仕組みを再構築する取り組みにおいて、さまざまなサッカー界のレジェンドが名を連ねる理事陣の中、若手女性理事として日々奮闘するJリーグ理事米田氏に話を伺いました。Jリーグ、そして米田氏が目指す社会連携と実現する社会とは?

米田さんと信澤

(左)株式会社サーキュレーション ソーシャルデベロップメント推進室 代表 信澤 みなみ
2014年サーキュレーションの創業に参画。成長ベンチャー企業に特化した経営基盤構築、採用人事・広報体制の構築、新規事業創出を担うコンサルタントとして活躍後、人事部の立ち上げ責任者、経済産業省委託事業の責任者として従事。現在は、企業のサスティナビリティ推進支援を行うソーシャルデベロップメント推進室を立ち上げ、企業のSDGs推進支援やNPO/公益法人との連携による社会課題解決事業を推進。「一人ひとりが選択肢を持ち、誰もが自分らしく生き合える社会をつくりたい」

(右)公認会計士、公益社団法人 日本プロサッカーリーグ理事 米田 惠美氏
公認会計士としてさまざまな組織改革に携わってきた実績を買われ、Jリーグ(公益社団法人 日本プロサッカーリーグ)・村井満チェアマンの要請により2018年3月からJリーグ理事(常勤)を務める。Jリーグにおけるおもな役割は、「ホームタウン活動と、Jリーグ社会連携本部“シャレン!”の推進」および「経営の健全化=ビジョン策定・経営の仕組みづくり」の2本柱。“シャレン!”は、Jリーグの社会性や、スポーツの多様な価値を今まで接点がなかった人にも伝えるという役割を持っている。「全国に広がっているクラブを通じて、地域を笑顔にしていきたい」

「スポーツで、もっと、幸せな国へ。」Jリーグが目指す理想の社会に向けた挑戦

理想の社会に向けた2大ミッション

信澤:社会連携により”社会課題を解決する、一人ひとりがより良い社会と人の幸せを創る”という根底にある想いで繋がれたことをとても嬉しく思っています。今回の取り組みに一人でも多くのプロフェッショナルに共感頂き、枠組みを超えて地域を活性化するための知が循環していくきっかけとなればと思うので、ぜひJリーグや米田理事の取り組みやビジョンについてお伺いさせてください。

まずは、米田理事がJリーグで取り組んでいるミッションについて教えて頂けますか。

米田:元々は、Jリーグの村井満チェアマンからお声がけを頂き、Jリーグのカルチャーを再構築するというミッションがスタートでした。組織に関わってみると、カルチャーそのものを醸成する前に、組織としての意思決定の仕組みであったり、システムの側を整えることが先だと感じました。それは、サッカーそのものへの想い、地域への想い、スポーツビジネスへの想いといった多様な人が集まっている組織なので、お互いの繋がりが理解される共通の地図をつくり、それを運用するための仕組みを整えないと、多様な思いやカルチャーが効率よく機能しないのではないかと思ったからです。組織のエネルギーが分散してしまうリスクがある部分を整えていくような、そんな組織改革をミッションとして預かりました。

また、Jリーグでは「百年構想」といって、「スポーツで国を幸せにすること」を目的としたスローガンを掲げています。真の意味でその理想を実現するには、サッカーやスポーツが好きな人以外にもスポーツの価値を届けられるようなものにしなければという想いがありました。Jリーグでは理念実現のため、地域社会と一体となったクラブづくりを謳い、ホームタウン活動と呼ばれる地域での活動を推進してきました。ここに社会的価値の高い活動がたくさん生まれていたのですが、一方で世の中的にはこれがあまり知られていないという課題もありました。

①意思決定の軸をつくり、ズレを整え組織を再整備する「Jリーグ内部の経営改革」と、②社会性の高いクラブの活動を世の中に発信し、より多くの人と協働していく「地域と一体となった持続可能なクラブづくり」。この2つが大きなミッションで、”組織”と”地域活動”内外の量軸を並行して整えていく、ということに日々取り組んでいます。

未知の領域への挑戦、突き動かされた使命感とは

信澤:歴史を重ねてきたJリーグさんですから、これまでの慣行もあり一筋縄では行かない印象を受けますが、何が米田さんを突き動かしたのでしょうか。

米田:チェアマンの村井や副理事長の原とやり取りをしながら、スポーツには”年齢や性別やステータス関係なく人や地域を一つにする力がある。喜怒哀楽を表現したり、リアルコミュニティとしての機能は今の時代こそ大切”と、スポーツが持つ力や可能性の大きさを確信していきました。私もJリーグのルーツや現状を知るうちに、これはひょっとしたら今の日本に一番必要な「当事者を増やす」装置になるのではないか、ものすごく大きな可能性があるのではないか、という強烈な想いが湧いていました。私はこれまでのキャリアを経ていく中で、今の世の中に足りないのは「世の中で起きることだったり自分の地域のことをワガゴトと捉え、自らアクションを起こしていく当事者だ」と思っていました。どうしたらそういう人が増えるだろうという問いを抱えていたので、Jリーグと出逢って「ここはなんて素晴らしいんだろう!ここに今の日本に必要な要素が詰まっている!!」と感じました。

一方で、これだけ大きな理念とものすごい量の活動をしてきているのに、世の中に周知され切っていないとか、サッカー好きな人にしか届いていないということも有識者の方々からご指摘を受けていました。これまで以上にクラブの存在意義が認知され、関わる人が増えたら、この世界はどれだけ素敵になるだろうと。「スポーツで国を幸せにする」という百年構想に共感し、実現したいと強く思いました。

一方で、サッカーに全く詳しくない新参者がやっていけるのか、これまで歴史を築いてこられた方に失礼にあたらないだろうかという葛藤もありました。それだけに、実際にお引き受けするまではかなり悩みました。どうしたらよいだろうと迷う中で、背中を押されたのが今の副理事長の原のひと声でした。

「サッカーのことは自分たちがしっかり分かっているから、そこは役割分担。経営とか組織のことをやるとか、今までJリーグに興味なかった人に届けるのがヨネちゃんの役割。経営はチームだよ!」と。

その一言で、自分はサッカーに詳しくない分だけ、同じようにまだ分からない人たちにもサッカーの良さを伝えられる、と思えたんですね。

「分かってる人」と「分からない人」が連携することで、より新しい角度でより広く周知できるのではと希望に変わっていました。サッカーにめちゃくちゃ詳しくなければ理事の仕事など務まらないのでは? と不安だらけでしたが、原のそのひと言で「スポーツと地域の可能性を信じ、社会をよくする仕掛けづくりをしたい」と思えるようになりました。

Jリーグが掲げる「百年構想」とは?

信澤:課題意識がご自身の使命感に変わったのですね。課題をそのまま見ていては、変化しないことを容認することと同じになりますよね。米田さんのように一人でも多くの人が社会課題や現状を知り、それを自分ごととして共感し、自分の強みを活かし合うことで大きな理想も実現することができると思っています。

Jリーグが掲げる「百年構想」という世界観と、その実現に際し直面する課題についてもお伺いしてよいでしょうか?

米田:百年構想は、「老若男女問わず、自ら好きなスポーツを楽しむ日常がやってきてほしい」という世界観で作られました。百年かかってでも到達するのだという強烈な願いが込められています。当時は芝生のグラウンドも少なかったですし、スポーツは誰もが楽しむというよりも、一部の人のものという感じもあったと思います。「スポーツを誰もがアクセスできるものにする。そのためにクラブがある。」という位置づけですね。「スポーツで、もっと、幸せな国へ。」と言っているのは、幸せな国をつくるために、スポーツをつかってくださいというメッセージでもあったと思います。逆に言えば、「クラブがあることで地域に笑顔が増えたね」という人が沢山いてほしいという願いも込められていました。今も、その想いは変わっていないと思います。

しかし地域が幸せになる、笑顔になるためには、解決すべき課題も山積みです。特に地方においてはこの先の人口減少は避けられない問題ですし、それに伴う社会課題もどんどん増えていくでしょう。たとえば、人が減ってリアルなコミュニケーションの機会が減ることで、世代や地位・立場が異なる人々同士で価値観や意見の分断が生じ、拡大してしまうことなど……。

信澤:環境条件や地域によっても格差が大きくなったり、制約など何かしらハンディキャップがあると孤立する人が生まれたり、地域同士の分断も加速する社会が想像できます。

米田:そうですよね。しかし、地域にJクラブがあることで、年齢や社会的地位・立場に縛られないリアルなコミュニティを積極的に形成でき、世の中で生じている分断も解消できるかもしれないと思っています。特に、人々が属性の枠を超えて「応援」という1つの形で連帯できることはスポーツそのものや、地域にクラブがあることの強みかなと。

人が人生の中で何かを「応援する」という機会は、実はそんなに多くはないと思っているんですね。「応援」という、ある意味非日常的な体験が日常と結びつくのが地域クラブとの接点であったり、ホームタウン活動の現場であったりすればいいな、と。スポーツは、人を惹きつけるポジティブなエネルギーを持っていますから、それを地域や地域が掲げる課題のためにどんどん使っていきたいですね。

スポーツが持つ価値は実に多様なので、それらが全部使いこなせれば単純に「見る」以上のスポーツの良さに気づいてもらえるかもしれない、と思います。スポーツが、シンプルなダイバシティ&インクルージョンの切り口になると考えているんです。

信澤:まさに、スポーツが”共感”を生み、損得ではない”体験”を通じて人と人、地域と地域、地域と人が繋がっていくことができる。そもそも、属性やバックグラウンドが異なる人や地域が繋がるので、その繋がりから”新しい価値”が生まれていく可能性も十分にありますね。

Jリーグが取り組む社会連携活動”シャレン!”とは?

時代は社会連携へ、”シャレン”にかける思い

信澤:先ほどお伺いした地域と人との”繋がり”をJリーグでは現在“シャレン!(社会連携活動)”という取り組みで全国に仕掛けているのですよね。”シャレン”やキーワードになっている「Jリーグをつかおう!」に込める思いも教えてください。

米田:“シャレン!”のルーツは、チェアマンが立ち上げた「社会連携検討部会」という部会です。全国各地のJクラブで年間20,000回以上も行ってきたホームタウン活動にどんな価値があるのだろうと、有識者とクラブとで話し合う場がありました。これだけ社会的価値の高い活動もたくさんあるのだから、もっと多くの人々に知ってもらう必要があるよと指摘を受けていました。ですから、ホームタウン活動の中でも社会性の高い活動を、より多くの人と連携して進めていこうと考えたのが「シャレン!」なんです。Jリーグが決めたシャレン!の定義は、シンプルに2つです。1つ目は「社会的テーマを持つこと」、もう1つは「3者以上との連携」です。2者でも社会性の高い活動はあるのですが、連携が2者までだと対面コミュニケーションで完結しがちになりますが、3者以上になればみんなが1つのことに向かうという共同体意識が生まれますし、活動の質があがったり、届け先も増えますからあえて3者としました。

「Jリーグをつかおう!」というコピーもやはり、地域との連携に主眼を置いています。「Jクラブと一緒に、地域のみんなの笑顔をつくりませんか?」「Jリーグの強みをつかって、地域の人たちを笑顔にしませんか?」という呼びかけ・提案だと考えていますね。

信澤:Jリーグを広めることが目的ではなく、あくまでも手段として、”社会連携を強化し、共同体として価値を生み出していく”。まさにスポーツと地域と人のオープンイノベーションですね。現在“シャレン!”ではどのような企画や、プロジェクトの実例が動いているのですか?

米田:“シャレン!”のテーマは、実に多様です。たとえば防災であったり、健康推進や廃校や耕作放棄地の活用であったりなど……。あるいは、三世代交流によって世代間の繋がりを取り戻すとか、障がい者の就労支援とか、ダイバシティ&インクルージョンを生み出していく取り組みもあります。クラブやスポーツという切り口を使うことでこれだけ多様な課題テーマにアプローチできるという実感は確実に得られていると感じています。

さまざまな事例が全国各地で増えている途上ではありますが、地方創生という文脈でいえば「地域人材の育成」など、最近はさらに踏み込んだ具体的なプロジェクトが生み出されつつあります。

社会連携することで生み出される価値

信澤:“シャレン!”の活動を通じ地域や組織の枠を超えて人と繋がることで、得られたものや新しい発見はありましたか?

米田:“シャレン!”では誰もがこんなことをやりたい!と思ったら企画を提案できる窓口があります。その企画をクラブにマッチングする場も用意されています。当初はどれだけの応募が来るのだろうと心配していましたが、「街を良くしたい」、「誰かのために何かしたい」という人がこんなに多いんだ!世の中捨てたもんじゃないなぁということ。私自身とても嬉しく思いました。

また、アウトプットそのものよりその過程、プロセス自体にも意義があると思っています。「提案」→「マッチング」で終了するのではなく、「この提案を実現するには何ができるだろう」と一緒に考えられることですね。

特に“シャレン!キャンプ”の、「意見を出し合える空間」はとても大切だと思っています。いただいた意見をさらに熟成させることや、現実問題何が必要かなどを考え練っていく途中経過にも意味がありますから。

提案者が意外なところで「自身の強み」に気づくこともあれば、「Jクラブのこの部分が実は世の中から期待されていたんだ!」と、クラブ側が気づくこともあります。

Probono Sharingを通じてJリーグが実現できること

ProbonosharingとJリーグで織り成すオープンイノベーション

信澤:今回のProbono Sharing(サーキュレーションの登録プロフェッショナルによるプロボノ支援)はソーシャルセクターであるJリーグ、地域に根ざしたクラブチーム、ビジネスセクターであるサーキュレーションが”地域活性を実現する・社会課題を解決する”ことを目的に、そこに共感したプロフェッショナルとプロジェクトが繋がり、双方の強みを活かし合い価値を生み出す活動になると思っています。

今回の取り組みはどのような意義があるとお考えですか?

米田:“シャレン!”の活動そのものは社会性にフォーカスしていますが、もう少し広義にとらえるとサッカーの試合も含めたJクラブの経営に関わること自体も社会的意義があり、地域を元気にすることに繋がります。Jクラブとの関わり方という点でいうと、お金を出してスポンサーになる方法もありますが、現場で自身のスキルを活かす方法もあります。クラブは人手やスキル・ノウハウで不足している部分もありますし、クラブや地域に貢献したい人のスキルをマッチングさせる方法はまさに社会連携。

Jリーグ自体がHUB機能として、Jクラブ活動の社会性の高さを鑑み、“プロボノ”(その分野の専門家が、職業上持つ知識・スキルを無償提供し社会貢献するボランティア活動全般)のスキームをとっていくことで、Jリーグだけで取り組む以上の仕組みづくりや価値づくりが成し得ると考えました。

もちろん、スポーツ界にこそビジネスマインドが大事なんだから、ビジネスとしてきちんとフィー払ってよという声があるのは理解しています。ただ、スポーツに、仕事そのものではなく、本業の傍ら一定の時間関わりたい人の数は非常に多いのも事実です。とはいえ、全部受けてしまうとクラブ側もマネジメントが大変になってしまいます。であれば、プロボノ人材に関与していただくスキームから始めてみようと。私が会計士業界にいたのもあり、プロボノという関わり方を見慣れていたのもありますが、プロボノ経験を通じて専門家として・人間として成長したり、自らの強みや可能性、やりたいことや使命に気付いて羽ばたいた仲間は沢山いるんです。世の中的には働き方が多様化する中で本人にとっても、この経験がプラスの機会になればと思っています。

プロフェッショナルの方は経営経験や外部人材として支援実績があるなど、ぜひともサポートをいただきたい方々でもあります。また、独立されているなどで柔軟な働き方が可能なケースも多いでしょう。社会的テーマへの関心や地域への貢献欲求が高い方が多いというデータもあります。

そのような人材に特化したマッチングを行っているサーキュレーションさんとの連携を通じて、また、そういったプロの方々のサポートを得て、Jクラブのみならず地域社会が元気になっていければ嬉しい限りです。

社会課題への当事者を増やす、2030年に向けた思い

信澤:今徐々に”持続可能性”をキーワードに社会が一つになれるきっかけが生まれていると感じています。

これまでは、企業は企業、地方は地方、ソーシャルセクターはソーシャルセクターと分断されていた。一方で、私たちが直面し向き合う必要がある課題は共通です。

持続可能な社会を目指すことは、持続可能な経営を実現することにも、持続可能な個人の幸福を実現することにもなります。私たち一人ひとりが、セクターの枠を超え、社会や他者を知り、自分ごととして認め相互に尊重し共創していくことで、大きな理想の社会も、複雑で根深く見える課題も解決していける可能性がある。

今回のJリーグさんと地域とプロフェッショナルとの連携では、そのような社会へと後押しできる取り組みにしていきたいと思っています。米田さんは長期ビジョンとしてどのような思いをお持ちですか?

米田:わが国では確実に人口減少が予測されていて、日本はいまや社会課題先進国ともいわれています。しかし、環境変化を嘆くのではなく、それを機会として世界に誇れるモデルをつくれると考え、積極的に課題へチャレンジしていきたいです。元々日本人は「3方良し」の思想や、手をとりあって何かをつくりあげる共同体感覚など、さまざまな民族的利点を持っているものです。それらを活かすことで、「社会課題と向き合いながら、世界に誇る日本をつくること」はできると思っています。

2030年を迎えるころまでに私の実現したい世界観は、他人任せではなく「自分たちの手で、自分たちの暮らしを良くしていこう」と挑戦する「当事者が増えていくこと」です。それには、もちろん誰かのためだけではなく、自分自身の強みを活かすことも大事です。自分の強みが活きれば自己肯定感も向上しますし、人生の意味や意義を見いだせることにも繋がる。相手も自分も、双方が笑顔でハッピーになれる良い循環を創っていきたいです。

誰かが誰かを応援することや、地域の人たちが助け合うことで、人々が未来に夢や希望を持って生きている2030年を、ぜひ迎えたいですね。スポーツを通じて人と人が出会い、喜怒哀楽を分かち合うことで、子どもはもちろん大人たちも人生を楽しめる世界が来ていてほしいです。それを、今回のJクラブに関わるプロボノスキームからも、積極的に推進していきたいと考えています。