【連載第6回(全7回)】

本格的な利用が期待される仮想通貨「ビットコイン」。本連載では、仮想通貨・ビットコインを使った投資について、メリット・気を付けたいコトを株式・FX等にも精通する小田玄紀氏がわかりやすく解説します。仮想通貨や取引所の選び方は? 何をしたら得して、何をすると損する?仮想通貨投資への一歩をココから踏み出しましょう!

*本連載は2016年10月に発売した小田玄紀氏の書籍『1時間でわかるビットコイン入門』より、「ビットコイン投資の基礎」に関する解説を再編集・掲載しています。

小田 玄紀さん

株式会社ビットポイントジャパン 代表取締役社長。 1980年生。東京大学法学部卒業。大学在籍時に起業し、後に事業を売却した資金を元にマッキンゼー出身者らと共に投資活動を始める。「頑張る人が報われる」をコンセプトにして起業家や社会起業家の事業立上げ・経営支援を行う。株式、FX、債権などの投資にも精通し、仮想通貨取引にも携わる。2016年3月に上場会社子会社として初の仮想通貨取引所であるBitpointを立上げ、同社代表取締役に就任する。

ビットコインの証拠金取引・レバレッジとは

ビットコインは数百円からでも売買が可能。投資する額が小さければ、得られるリターンも限定的ですが、「証拠金取引」という手法で投資することで、リターンを大きくすることも可能です。「証拠金取引」とは、一定額の証拠金を担保にしてビットコインを取引する、というものです。

手持ち資金の何倍で取引するか、その倍率を「レバレッジ」といいます。
たとえば手持ち資金が10万円でレバレッジ10倍の場合、10万円を証拠金にして、100万円までの取引が可能です。

たとえば、Aさんは10万円を通常の取引(「現物取引」といいます)で、Bさんは10万円を証拠金にしてレバレッジ10倍で証拠金取引したとします。

二人がビットコインを買ったあと、仮に10%値上がりした場合、Aさんは10万円×10%で1万円のリターンですが、Bさんは100万円分のビットコインを買っているので、100万円×10%でリターンは10万円となります。

証拠金取引によって投資額が多くなっている分、期待できるリターンも大きくなる、というわけです。

ただし、期待できるリターンが大きければ、その分、リスクも大きくなります。

さきほどのケースで、逆にビットコイン価格が10%値下がりすると、Aさんは10万円×10%で1万円の損失ですが、Bさんは100万円×10%で、10万円の損失を負うことになります。

証拠金と追証、ロスカットを知っておく

証拠金取引を行うには「証拠金」が必要で、ビットコインの価格が下がって損失が出た場合には証拠金で清算することになります。

たとえば証拠金10万円で証拠金取引し、2万円の損失が出ている状態であきらめて売るとしたら、証拠金から2万円が差し引かれます。

では、もしも10万円損している状態になったら…?

この場合、取引所が強制的に決済、つまり、強制的にビットコインは売られます。売ることで10万円の損失が確定し、その10万円は証拠金から補てんされます。これは「ロスカット」というルールで、損失をそれ以上広げないためのものです。

相場が急激に変動した場合には、ロスカットをしても証拠金の額を上回る損失が生じることがあります。その場合は、不足した分を補てんしなければなりません。

取引所によっては、証拠金の一定の水準まで損失が膨らんだらロスカットするところもあり、細かなルールは取引所によって異なります。

ちなみに、株式投資などでも証拠金取引が可能ですが、証券会社によっては、含み損の分を証拠金から差し引き、証拠金の残額が一定の水準を下回ったら、「追証」として証拠金を追加しなければならない例もあります。

取引を続ければ、価格が上昇して損を取り戻せる可能性もありますが、値下がりが続いて損失が膨らんでいくことにもなりかねません。追証が必要になった段階で取引の終了を検討することも重要です。

レバレッジが大きいほどハイリスク・ハイリターン

レバレッジの大きさは取引所によって異なり、いくつかの倍率から選べるのが一般的です。倍率が大きいほど、ハイリスク・ハイリターンになりますので、どの程度までリスクを許容できるかを考え、慎重に行う必要があります。

証拠金取引はハイリスク・ハイリターンですから、投資に慣れてきてから検討するのが望ましいでしょう。

(次回へ続く)

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