人材に関する課題を抱える経営者や人事担当者のためのポータルサイト「日本の人事部」が主催するHRアワード。人事、人材開発、労務管理などの分野におけるイノベーティブなサービスや書籍を表彰することで、企業や個人のレベルアップと活性化を実現することを目的としています。
今回、ご紹介するのは「企業人事部門」。社員に生き生きと働いてもらい、企業の成長へと繋げるための取り組みをご紹介いたします。
育児・介護などの理由に限定せず、全社員を対象に「在宅勤務」ができる制度を導入
株式会社日産自動車
2006年から段階的に在宅勤務を導入、現在では全社員を対象に、目的を問わず月40時間を上限に在宅勤務を可能としており、利用率も向上しています。
また、パソコンで「連絡可能」「退席中」といった表示の切り替えができるソフトウェアを導入したことで、状況の把握がしやすく、スムーズな在宅勤務を実現することができています。
建築現場で、女性ならではの感性で活躍する職人グループ「ハラダサカンレディース」
有限会社原田左官工業所
建築業界における女性活躍推進の先駆けとして、1989年より女性職人を育成。現在では8名の女性が、飾壁床のアイデアを自ら企画し、営業・施工管理・材料配合などまでこなす「ハラダサカンレディース」として活躍しています。
なお同社では、女性ならではの特徴を伸ばすためのバックアップ体制を確立することで、結婚や出産、育児をしながら働いている女性職人も増えています。
ダイバーシティ経営の普及を支援する、無償研修プログラム提供
P&Gジャパン株式会社
19カ国の国籍、課長級以上の管理職の女性比率が32%を占める同社。社員が個々の状況に合わせて柔軟に働き方が選べる制度など、ダイバーシティの取り組みについては先進的企業として知られています。
そんな同社が社内プロジェクトの一環で開発した研修プログラム。日々の業務の中で多様性を尊重しビジネスに活かすスキルを学んでもらうことが目的で、人事や管理職のほか、将来的には若手社員にも広げることを検討しています。
個の力を最大限に引き出す! 一人ひとりと徹底的に向き合う「1000人キャリア面談」
株式会社三越伊勢丹ホールディングス
人事部が年間1000人以上の従業員と直接面談し、課題や悩み、将来のキャリアイメージを聞いていきます。
この結果、正社員転換や管理職にチャレンジする従業員が増加。さらに、面談から得られた「生の声」が、人財データベースの蓄積、人事制度改革の仮説検証にも役立っています。
人材育成の新制度「社内ドラフト制度」を導入
ユニ・チャーム株式会社
適所で成長スピードを上げること、営業支店同士が競争意識を高めて早期育成に積極的に取り組み、業績貢献度の高い社員を継続して輩出する環境を目的に導入した制度。4月〜7月に行われる営業研修と成果報告の内容を通じて各支店長などが配属して欲しい社員を具体化していきます。
さらに、ドラフト会議から3年半後の2020年に「フリーエージェント権」を与えることも計画。成長意欲の向上を促し、高いパフォーマンスを発揮するまでの期間の短縮が期待されています。
一人ひとりの選択が変革を生むワークスタイルとワークマインドセット両輪からのアプローチ「WAA」
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社
すべての社員がそれぞれのライフスタイルを継続して楽しむことで自分らしく働き、生産性を高められるように導入した新人事制度「WAA」。
会社以外の場所での勤務が可能で、平日の6時〜21時の間で自由に勤務時間を決めることができる制度で、期間や日数の制限もなし。一人ひとりが自分の能力を最大限に発揮できるようにすることで、企業の持続的成長を目指しています。
つくる みなおす かんがえる 働き方変革プロジェクト
株式会社リクルートホールディングス
場所にとらわれない働き方の導入や、時間あたりの生産性を向上させる施策など、さまざまな働き方を「働き方改革プロジェクト」と題して実践するだけでなく、導入後も随時その内容を見直しているのが特徴。
施策について起案から導入までのプロセスや、実践する上での課題、解決法などはすべてWebで公開しており、他企業にとっては自社の制度構築に参考にもなります。
「男性が変わる」イクメン促進活動により、男性の育児休職取得率が70%にアップ
株式会社ローソン
女性社員の育児休職取得率がほぼ100%なのに反して、男性では取得社がいない状態が続いていたことを受け、2014年度から「イクメン推進活動」を展開。
短期間の休職制度の新設や、休職中の仕事をシェアしたチームに子どもの名前入りのどら焼きを贈呈するなどユニークな施策を行うことで、2013年度に0%だった男性社員の育児休職取得率を2015年度には70.4%にまで押し上げることができました。
最後に
今回は企業人事部門にノミネートされた18点のうち、8点をご紹介いたしました。
ひとことで「働き方改革」といっても、企業によって取り組みは多種多様。自社や自分自身がどのように働き方を変えていくのかを考える上でも、大いに参考になったのではないでしょうか。
ちなみに、当ビジネスノマドジャーナルを運営しているサーキュレーションのサービス「X-book」(2018年9月にOpen Researchに統合/リニューアルしました)も、プロフェッショナル部門にノミネートされています。
様々な新規性のある人事サービスがノミネートされているプロフェッショナル部門もご興味があれば是非、ご覧ください。
http://hr-award.jp/nominate3.html
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