人材に関する課題を抱える経営者や人事担当者のためのポータルサイト「日本の人事部」が主催するHRアワード。人事、人材開発、労務管理などの分野におけるイノベーティブなサービスや書籍を表彰することで、企業や個人のレベルアップと活性化を実現することを目的としています。

今回は、書籍部門でノミネートされた中から10冊の書籍を紹介いたします。
資生堂インパクトから、パラレルキャリア、メンタルヘルスなど、働き方に関する最近の注目キーワードがわかる書籍一覧をみていきましょう。

エンゲージド・リーダー―デジタル変革期の「戦略的につながる」技術

著者:シャーリーン・リー/訳者:山本真司、安部義彦/出版社:英治出版


「ビジネス界で最もクリエイティブな100人」に選出されている著者のシャーリーン・リー氏が、フォロワーの共感と信頼を築き、目標を達成する実践アプローチを豊富な事例とともに解説。
「情報収集(聴く)」「情報共有(伝える)」「エンゲージメント(信頼を築く)」のフレームワークをもとにした実践法など、読後すぐに役立つノウハウが詰まった一冊です。

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代

著者:アダム・グラント/監訳:楠木 建/出版社:三笠書房


31カ国語で翻訳され、全世界で大ベストセラーになった『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』のアダム・グラントの2作目となるのが本書。
「独創性」は、与えられるものではない。すでにあなたの中に存在するのだ―。ふつうの人々が流れに逆らう不安や恐怖をはねのけて、オリジナリティを発揮するにはどうしたらいいのかをわかりやすく分析していきます。

Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法

著者:ウォーレン・バーガー/訳者:鈴木 立哉/出版社:ダイヤモンド社


新しいもの、新しいやり方を生み出さなければ生き残れないのは、どの業界でも同じ。そこで効果的なのが本書で紹介しているQ思考です。
ひとつしかない「正解」を目指すのではなく、「いったいどんな問題があり得るだろう」と考えていくなかで思考の枠を広げていき、通常ではたどり着けないような大きなスケール・次元の発想を生み出していく。固定概念から解放され、時代を切り開いていくために必読の一冊です。

経営学者の読み方 あなたの会社が理不尽な理由

著者:清水勝彦/出版社:日経BP社


「うちの上司は部下に言うことと自分でやっていることが全然違う」–経済合理性を追求するはずの会社で、このような理不尽なことが起きるのはなぜなのか?
これに対して、経営学者である著者は「よさそうな答え」を求めようとする発想が、かえって組織の停滞を招いていると指摘。答えよりも課題を認識することが重要だと強調。本書で課題解決のために必要な「気づく力」を鍛えることができます。

行動探求――個人・チーム・組織の変容をもたらすリーダーシップ

著者:ビル・トルバート/訳者:小田理一郎、中小路佳代子/出版社:英治出版


「行動」と「探求」を同時に行うことで意識レベルの変容にアプローチするのが、発達心理学の知見に基づくリーダーシップ開発手法「行動探求」です。
本書では、人と組織を特徴づける7つの行動倫理を解説。これにより自分自身や組織の傾向をつかみ、適した成長の指針を得られるようになっています。

個人を幸福にしない日本の組織

著者:太田 肇/出版社:新潮社



理論だけでなく数多くの現場取材、体験をもとに、従来の組織論・組織運営のまちがい・欠陥を徹底的に分析、追及。「厳選された人材は伸びない」、「組織はバラバラなくらいがよい」など、職場改善のための処方箋が詰まった一冊。
個人が尊重され、円滑に機能し、成果があがる新しい仕組みへの提言を示しています。

採用学

著者:服部 泰宏/出版社:新潮社


そこそこの学校を出た、無難な人材を採用して、時間をかけて「ウチの会社の色」に染めていく。そんな育成ありきの採用を疑い、採用を科学的な視点から捉えた新しい「採用学」の本。
「良い採用」とは何か? 優秀なのは誰だ? なぜ、あの会社には良い人が集まるのか? 採用をどう変えればいいのか?単なる採用のノウハウ本にはない、個々の会社の実情に合った人材の採り方を学べます。

時間と場所を選ばない パラレルキャリアを始めよう!――「2枚目の名刺」があなたの可能性を広げる

著者:石山 恒貴/出版社:ダイヤモンド社


社会活動によって自己成長し、本業でも輝ける。ふだん出会えない人々とチームを組んで主体的に課題を解決していくことで、イノベーション思考やリーダーシップを学ぶ。2枚の名刺を持ち、本業と社会活動の両方から学びを得て自己成長できるパラレルキャリアが、日本社会にも広がりつつあります。
本書で紹介されているパラレルキャリアについて知ることが、柔軟な働き方、新しいキャリアへの第一歩を踏み出すことに繋がるはずです。

*なお、著者の石山教授は、以前ビジネスノマドジャーナルでもパラレルキャリアの始め方などについてお話を伺っています。
【パラレルキャリア】「二枚目の名刺」が広げる可能性 石山恒貴教授 (前編)
https://nomad-journal.jp/archives/838

資生堂インパクト―子育てを聖域にしない経営―

著者:石塚 由紀夫/出版社:日本経済新聞出版社


これからは、育児時間勤務者も遅番、休日勤務を検討してもらいます–「働く女性にやさしい」先進企業である資生堂に、何が起こったのか?
その真実を解き明かすべく、魚谷社長や岩田氏(現顧問)を含め、多くの社員に取材。改革の進め方や反対勢力への対処方法など、女性社員の活躍を目指す企業にとって示唆に富む実例が数多く盛り込まれています。女性が男性と肩を並べて働くために何をすべきなのか。真の女性活躍を目指す企業にぜひよんでいただきたい一冊です。

職場のポジティブメンタルヘルス:現場で活かせる最新理論

編著:島津明人/出版社:誠信書房


うつ病をはじめとした、さまざまなメンタルヘルスの不調が企業活動に与えるマイナスの影響は大きく、対応策を考えることが喫緊の課題となっています。
そこで期待されているのがポジティブメンタルヘルス。本書では、医学、看護学、心理学、経営学、行動科学領域の最新理論や、実施上の注意点がコラム形式でわかりやすく紹介されています。

最後に・・・

さて、「資生堂インパクト」から、「パラレルキャリア」や「メンタルヘルス」など、現在のHR業界のトレンドも見て取れるHRアワードの書籍部門ノミネート一覧いかがだったでしょうか。

ちなみに、当ビジネスノマドジャーナルを運営しているサーキュレーションのサービス「X-book」(2018年9月にOpen Researchに統合/リニューアルしました)も、プロフェッショナル部門にノミネートされています。

様々な新規性のある人事サービスがノミネートされているプロフェッショナル部門もご興味があれば是非、ご覧ください。
http://hr-award.jp/nominate3.html

ノマドジャーナル編集部
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