世に副業は数多くあれど、お金にお金を稼いでもらう投資というものも立派に副業になりえます。今回は副業としての投資について書いてみます。

■若い人にも投資の意識が

先日、ある投資家向けセミナーに参加する機会を得ました。16名ほどの受講者を集めた小規模セミナーでは、講師が企業評価の基本的な仕方を解説し、例を交えて投資ノウハウを伝えていました。その際、隣に座った人と何気に会話を交わしたのですが、30代半ばと思わしきその男性はサラリーマンをしながら不動産や株に投資し、収入を得ているというのです。その方によると、今は先が読めない時代だし、サラリーマンをしているだけでは非常に危ない、不動産や株に投資して必要最低限の収入を稼げるようにしていると言うのです。

私は、まだ若いのに立派だと非常に感心しましたが、そのセミナーに参加している他の人達を見てみると、数名のおじさん(私を含む)を除いた全員が20代から30代の若者なのです。セミナーに参加した理由を講師にたずねられると、ほとんどの人が「将来が不安だから」「安定した収入が欲しいから」と異口同音に答えたのです。

失われた20年と呼ばれる時代に幼少期から青年期を過ごしてきた今の20代30代の日本人は、生存本能と呼ぶべきサバイバル感覚から積極的に投資を行っているようです。今はまだ投資していないという人でも、投資というものへの関心は低くないように感じられるのです。

■資金調達の現場でも若い投資家が

一方、私は現在、あるプロジェクトのために資金調達を行っています。詳しくは明かせませんが、ある製品の開発にまとまったお金を、株を発行して集めようというものです。エクイティファイナンスとかベンチャーファイナンスとか呼ばれる類のものですが、基本的には投資家にお金を出資してもらってお金を集めるのです。

便利なもので、最近はベンチャー企業に投資したいという投資家と、投資家から出資を受けたいというベンチャー企業をマッチングさせるマッチングサイトというものが利用できます。マッチングサイトに情報を登録すると興味をもった投資家がコンタクトしてくる仕組みですが、結構な数の投資家がコンタクトしてきます。驚くことに、そうした投資家の中に結構な割合で20代30代の若い投資家が含まれているのです。

彼らは、数百万円から1千万円程度のレンジで投資先を探しているのですが、投資目的はほとんどが配当です。企業に出資して年率5%から10%程度の配当を得る。1千万円投資すると年に50万円から100万円程度の配当収入が得られる。投資ですのでリスクが当然ありますが、事業がしっかりしていて、将来的な成長が期待出来る企業にはそれなりに投資が集まります。そのようなベンチャー投資の世界にも、20代30代の若い日本人の投資マネーが流入しているのです。

■自分が働くのではなく、お金に働いてもらう

副業としての投資が優れているのは、自分が働くのではなく、お金に働いてもらえることです。もちろん、投資を実行する前には投資先企業の事業内容や財務状況などを調べる手間や時間がかかるのも事実です。これをデューデリジェンスとかスクリーニングなどと呼びますが、そのプロセスを経てしまえば、あとは自分がタッチする事はあまりありません。つまり、投資は副業として非常にレバレッジが効くのです。

実際の投資の仕方ですが、これは自分でやりながら学んでゆくしかないでしょう。筆者のお勧めは、最初はあまりリスクをとらずに、東証一部上場企業で低評価されている企業へ投資することから始めることです。最近の東芝のような例外はありますが、大やけどする可能性はそれほど高くなく、かつ株式投資の基本を身をもってマスター出来るでしょう。

実のところ、筆者の本当のお勧めはベンチャー企業への投資なのですが、これについて書き始めると長くなるので、別の機会にさせていただきます。

記事制作:
ジャパンコンサルティング合同会社
代表 前田健二

ノマドジャーナル編集部
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