「プロボノ」の活動がいま注目されている

「プロボノ」とは、ビジネスパーソンが自分の専門知識やスキルを活かしておこなう社会貢献活動のことです。企業が母体となって社会貢献活動をおこなうケースや、労働者自らが進んでプロボノ活動をおこなう場合など、いろいろなケースがあります。

ここでは、プロボノ活動はボランティア活動と何が違うのか、活動の特徴や背景。そしてプロボノとして働きたい方が、どこで活動場所を探すのかについてみていきましょう。

プロボノってそもそも何?

プロボノとは、ラテン語で「公共善のために」を意味する 「pro bono publice」 の略です。各分野の専門家が、自分の専門知識や経験を生かして社会貢献する活動を指します。

もともとはアメリカやイギリスの法律関連職の人々が、無報酬で行う公益事業のことを指していました。いまでは弁護士業界に限らず、中小企業診断士やコンサルタント、金融、営業など多岐に渡る職業のビジネスパーソンがプロボノ活動をおこなっています。

弁護士はプロボノ活動を推奨している

アメリカの弁護士は、法曹協会から50時間以上のプロボノ活動をおこなうことが推奨されて、イギリスでも弁護士事務所やロースクールからプロボノ活動を推奨されています。

一方で日本も、その影響を受けてプロボノ活動を積極的におこなう弁護士が増加。また第二東京弁護士会は、所属会員に対してプロボノ活動を義務付けています。

プロボノとボランティアの違いは?

社会貢献活動というと「ボランティア」との違いはどこにあるのか、と思う方もいるでしょう。プロボノもボランティアも、無報酬で他人のために働くという意味では共通しています。では違いはどこにあるのでしょうか。

その違いは、プロボノは自分が培ってきたスキルを活かした活動であるのに対して、ボランティアはそうでないというところがあります。

プロボノは自らの得意分野を活かせるため生産性の高い活動ができ、自分の市場価値を知るきっかけにも。

プロボノワーカーが増えている

2009年頃から日本でプロボノ活動に対する注目が高まり、2010年はプロボノ元年とも言われました。それ以降、何か自分のスキルを活かして、社会貢献できるプロボノ活動に参加したいという人々が増えています。

前述した士業のほかに、マネジメント系、デザイン・クリエイティブ、システム・IT系、調査・分析系などさまざまな分野で自分の力を試したいワーカーがその場所を探しています。

プロボノ活動を導入している企業も増えている

一方で企業活動の一環として、プロボノ活動を社員に推進している企業も増加。寄付、寄贈、ボランティアのような社会貢献活動の新しい選択肢として、プロボノが選ばれています。

企業と支援先・プロボノワーカーをつなげる活動の「認定NPO法人サービスグラント」によると、日本IBMやNEC、日本マイクロソフト、パナソニックなどがプロボノ活動をおこなっています。

プロボノワーカーの募集はどこで見つける?

働いている会社がプロボノ活動を行っておらず、自分で仕事を探す場合、プロボノワーカーはどこで募集を探せばよいのでしょうか。

プロボノのマッチングサイトで探す

オンラインで、プロボノ活動として働く場所を探せるサービスがあります。たとえば先ほども紹介した、「認定NPO法人サービスグラント」の場合、該当する職種ごとにスキル登録をし、支援先を探すことができます。

また「パラレルキャリア支援サイトもんじゅ」では、ボランティア募集という名目になっていますが、NPO法人などが、さまざまな分野の経験者やスキル保持者を募集しています。

「ママボノ」は、育児で職場を離れたママがウォーミングアップと同時に、社会貢献活動できる場を提供しています。

検索エンジンでNPO法人のプロボノ募集を探す

うまく参加したい活動が見つからなければ、検索サイトで調べる方法もあります。プロボノに参加したい職種のキーワード(たとえばWebデザイナー)と、「プロボノ」もしくは「ボランティア」というキーワードを掛け合わせて検索してみてください。

個別にプロボノやボランティア募集をサイトに掲載している団体が、見つかることもあるでしょう。

プロボノは、自らの専門分野だからできる奉仕活動

プロボノは、自らが得意な分野の経験を活かしながら、自分自身のスキルアップや実績にもつながります。そのためボランティアには、興味がないけれどプロボノだったらやってみたい、という方も多いようです。

弁護士から始まったプロボノ活動ですが、いまでは職種の垣根を超え、さまざまな分野の募集がおこなわれています。少ないリソースや資金で活動しているNPO法人で、意義ある活動をしながら専門分野を生かしていける奉仕活動に、あなたも参加してみませんか。