これまでのフリーランスといえば、エンジニアやデザイナー、ライターなど、いわゆる「手に職を持った」人々がクライアント企業から仕事を請け負い、その仕事に対する成果によって報酬を得るのが一般的でした。

しかし、働き方・ライフスタイルが多様化していく中で、既存のフリーランス像からはみ出した次世代型フリーランスが増えつつあります。こうした働き方をする人をもっと増やしたい!応援したい!そんな思いから実現したのが10月2日に行われたイベント『次世代型フリーランス「N-Worker」の働き方』です。

外では冷たい雨が降っていましたが、会場の中は登壇者と参加者の熱気でいっぱい。イベントとPodcastの収録で3時間超という長丁場だったにも関わらず、最後まで笑いや質問が飛び交っていました。

イベントは、文系フリーランスの黒田悠介さんとPodcastプロデューサーの田島一希さんの対談からスタート。2人が喫茶店で生み出したという新しい働き方「N-Worker」とは、どういうものなのでしょうか?

もっと自分らしく働いていい。「N-Worker」に込めた4つの想い

田島一希さん(以下、田島):

まず「N-Worker」とは何かと言うと、既存のビジネスの型にとらわれず、自分のやりたい事を自分にあった自然な道筋で見つけ出し、自然なライフスタイルを送っている人のことです。これだけではちょっとわからないかもしれませんが・・・。

黒田悠介さん(以下、黒田):

そうですね。具体的に言うと、まずフリーランスという人はデザイナーやカメラマンとかライターさんであったり、企業から要望を受けて仕事をする人が多いのですが、自分がお会いする中でフリーランスと呼ぶにはちょっと違うなっていう人たちがいるんですね。「この人じぶんで事業作っちゃってるな」みたいな。フリーランスと呼ぶにはちょっと枠をはみ出ちゃってる感じの。そこでそういう人たちの事を仮に「N-Worker」と呼ぶことにしようと決めました。

田島:

そうそう、その通り!それで、この「N」とは何かと言うと、
・Natural
・Neutral
・Nomadic
・Newtype
の頭文字でして、具体的に説明するとこんな感じですね。

●Natural(自然体)

自分の事を理解している、好きなことを仕事にしている、好きな人と仕事をしている、余裕がある、ストレスが少ない

●Neutral(中立的)

独自の信念を持っている、 フラットな関係で仕事をしている=上下関係がない、仕事を選ぶことができる

●Nomadic(遊牧的)

いわゆるノマド。わりと言葉としては流行ったのでわかる人が多いとは思いますが、時間と場所を選ばないスタイルのこと

●Newtype(次世代型)

新しい価値観を提供している、自分だけの肩書を持っている。

僕だとスタイルデザイナーだとか、Podcastプロデューサー、といった感じですね。

黒田:

僕の場合は、ディスカッションパートナーみたいな肩書きを名乗っていたりします。

やりたいことや好きを突き詰めていくことが、「N-Worker」への第一歩

黒田:

では次に、N-Worker になるにはどうしたらいいかということをお話したいと思います。
まず最初は自己理解。就職活動の際にも自己分析みたいなことはすると思いますが、社会人になってからも「自分は何がしたいのか、何をしたくないのか」いろいろな事を明確にしておく必要があります。これがファーストステップですね。
そしてやりたいことが明確になった時に適切な場所に行くために組織から抜け出したり、今の現状を否定するというか、最適化していきます。

その後に自分が自由になった状態で自分らしさを仕事にしていって、やりたい事につながることを行います。そうすると自分のパフォーマンスが上がって、こういう人と仕事がしたいだとか、こうすればストレスが少ないといったことが見えてきます。そういうNatural、Neutralな状態になった次のステップがNewtypeで、ここまで来ると「N-Worker」といえるわけですね。


田島:

こんな感じの説明でわかっていただけたしょうか?(笑)

黒田:

まぁ、抽象的ですし、少し難しいですかね。そこで今日は、僕たちがN-Worker だな、と思う人たちにお越しいただきました。今夜ご紹介する3名の方から、何かしら気づきや学びを得ていただければいいな、と思ってます。

お金をもらえなくても続けたいことが、本当にやりたいこと―阪井裕樹さん

私がどんなことをしているかといいますと、企業コンサルをしています。強みとしては、「ノート3冊分の自分史コンサル」というのをしています。私自身もいろいろな講演だとかコンサルを受けたのですが、結局、その人自身だなと思ったんです。いろいろな集客のノウハウだとかメソッドだとかがありますけど、そういうものではなくてやっぱり自身としっかり向き合ってその人本来の魅力を輝かせる事が必要だ。そう考えて、「ノート3冊分の自分史を書きましょう」というドSなコンサル(笑)にたどり着きました。

私自身のキャリアとしては、いろいろ転職をしながら副業でコンサルをしていたのですが、当初はなんとか自分が稼いでやろうと思っていたんですね。でも稼ごうと思えば思うほど全然稼げず、全然人が集まらず、そしてあげくの果てには会社もクビになってしまったんです。そこで初めて気づいたのが、「そもそも稼ぎたくなかった」ということ。私がやりたかったのは社会がちょっと良くなるためのおせっかいだなと思ったんです。

そこで今回、私がみなさんにお聞きしたいのは「1円にならなくてもやりたいことって何ですか?」ということ。フリーランスって定期的にお給料も入らないです。なかなか売り上げにつながらないこともある。働き方というよりは、「生き方」なんですね。たとえ1円にならなくてもやりたいことは何なのか。フリーランスになりたい人には、徹底的に追及していただきたいなと思います。

私自身の目標は、「明日、目覚めることがワクワクする社会を作る」というもの。一人ひとりがいろんなやりたいことを追求することで、世の中はもっとおもしろくなると思うのです。というわけで、この話を聞いてくださっている方の中から一人でも多くこういった生き方をしていく人が増えれば嬉しいですね。

質問:なぜコンサルになったのでしょうか?

阪井裕樹さん(以下、阪井):

普段から自分のこともノートに書いて分析をしていて、その中で自分の特徴として人前に出るよりは縁の下の力持ち的な事の方が向いているなと思ったんです。そこで、人のお手伝いをするようなことがしたいな、と考えるようになりました。

質問:とはいえ、お金がないと生活できないと思うのですが、どうやって「稼ぎ」に繋げているのですか?

阪井:

当初は副業だったので稼がなくても良かったのですが、本当に好きなことを突き詰めていった結果、伝播していったんです。だんだん共感してくれる人が増えていって、少しずつ収入に繋がるようになりました。

(後編へ続く)

※新しいフリーランス「N-Worker」の働き方 vol.2を12月14日(水)に開催いたします。ご興味のある方は、下記URLよりイベント詳細をご覧ください
https://www.street-academy.com/myclass/11753/

取材・記事作成/松本 遼

【ライター】松本 遼
京都造形芸術大学卒業後、広告制作会社を経て、2010年よりフリーランス(http://idvl.info)。
デザイナー・アートディレクターとして
雑誌広告・広報ツール・webサイトなどの制作を請け負う。
「uniqlo creative award 2007 佐藤可士和賞」、「読売広告大賞 2010 協賛賞」ほか、多数の賞を受賞。
フリーランスとして多くの企業、個人と関わった経験を生かしライターとしても活動中。

ノマドジャーナル編集部
専門家と1時間相談できるサービスOpen Researchを介して、企業の課題を手軽に解決します。業界リサーチから経営相談、新規事業のブレストまで幅広い形の事例を情報発信していきます。