首都圏への人口・商業施設の集中からの脱却を図る「地方創生」が叫ばれる中、地方の企業はどのように先代からの伝統を引き継ぎながら、新たな事業展開を図っているのでしょうか?そこで、北海道札幌市に住む筆者が北海道の企業の社長や団体の代表者に「地方創生」について伺っていきます。

今回は札幌市を中心に北海道でスポーツ選手のセカンドキャリアを支援しているNPO法人セカンドサポートの芳賀博信理事長にご登場願いました。この名前にピンと来たサッカーファンの方もいらっしゃるでしょう。そう、北海道コンサドーレ札幌の元キャプテンだった方です。2012(平成24)年に現役を引退、その後NPOを立ち上げた芳賀さんに前編ではキャプテンとして意識してきたことを中心に伺いました。

誰に対しても言うべきことを言えるキャプテンに

Q:芳賀さんは仙台出身ですが、コンサドーレに来る前に北海道とは縁はあったんですか?

「コンサドーレに来ることになって、それが初めての北海道だったんです。遠征でも来たことがなかったので、まったくの未知の地でした。仙台(育英高校)やジェフ(ユナイテッド市原)でサッカーをしているときは、まさか札幌に来ることになるとは思っていなくて、雪のイメージしかありませんでした(笑)」

Q:そもそもプロサッカー選手になるにはどのような道があるのですか?

「サッカーは野球のドラフトとは違って、完全に個人に対するアプローチですね。高校生や大学生の有望な選手に、各チームのスカウトが直接交渉して入団に至るという感じです。もしくは、僕のようにチームの下部組織から声をかけてもらって昇格という形ですね。僕は、当時の(イビチャ・)オシム監督に呼ばれて契約しました」

Q:キャプテンになったのは札幌が初めてですよね?

「そうですね。キャプテンになったからといって、すぐに何かを変えるというのは難しいと思うので、僕の場合は自分のキャラクターを変えることなく『やることはしっかりやる』……サッカーの場合は監督によってキャプテンが良く変わるので、生え抜きではないというのはあまり考えずに、誰に対しても言うべきことはいうことを意識していました

現役引退後に北海道中を回って感じたこと

Q:その中で、キャプテン就任時はJ2だったコンサドーレをJ1に昇格させました。

「派閥という程でもないんですが、外国人選手は外国人選手だけで集まりがちなんですよ。そういうのをなくして、全選手がひとつの目的に向かって戦えるチーム作り……一体感を持てるようには意識していましたね。J1に上がったときは、戦力以上の一体感がありました。戦力はもちろん大事ですけど、そういう気持ちの部分はチームの士気に相当影響してくると思いますね」

Q:サッカー選手というと、やはり現役引退はどうしてもつきものになりますが…。

「実は、セカンドキャリアに関しては意識したことがなかったんですよね。最後の2年はずっとケガに泣かされてきたので、まずはピッチに立つことを目標にしていましたから。それで手術をしたんですが、治らなかったので仕方なく引退したタイプなんです。『何とかなるだろう』と思って辞めたので、まずは今まで自分ができなかったこと……コンサドーレのアドバイザーとして籍を置きながら、北海道中を回ることにしました

Q:その経験がセカンドサポートの設立のきっかけになったんですね。

「いろいろな学校や教室、障がい者施設を訪問したのですが、札幌とは違う環境にいる子どもたちがどういう風にサッカーと接しているかも知ることができましたし、北海道ではまだまだサッカーが文化になっていないなとも感じました。障がい者施設では、介助が必要などいろいろな問題はあるものの、体を少しでも動かすことが楽しいと思ってもらえたのは良かったかなと思っています」

(後編へ続く)

取材・撮影/橋場了吾(株式会社アールアンドアール)

芳賀博信
1982(昭和57)年、宮城県仙台市生まれ。
2003(平成15)年にジェフユナイテッド市原アマチュアに加入。
翌2004(平成16)年にトップチームに昇格。
2006(平成18)年に北海道コンサドーレ札幌に完全移籍、
翌2007(平成19)年よりキャプテンに就任。
2012年に現役を引退、2014(平成26)年にNPO法人セカンドサポート設立、
理事長に就任し現在に至る。

【専門家】橋場 了吾
同志社大学法学部政治学科卒業後、札幌テレビ放送株式会社へ入社。
STVラジオのディレクターを経て株式会社アールアンドアールを創立、SAPPORO MUSIC NAKED(現 REAL MUSIC NAKED)を開設。
現在までに500組以上のミュージシャンにインタビューを実施。
北海道観光マスター資格保持者、ニュース・観光サイトやコンテンツマーケティングのライティングも行う。

ノマドジャーナル編集部
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