前回は、人事企画に関するHR Techのアメリカでの活用事例をご紹介しました。今回は、日本での活用事例をご紹介したいと思います。戦略人事を実現するために、どのようなサービスがあり、どう活用されているのでしょうか。ここでは、採用管理とチームづくりに役立つサービスを紹介します。
ノジマ × リクログ
リクログは、クラウド型採用管理ツールです。良い人材を幅広く求めるためには、世の中に多数ある求人チャネルを活用しなければなりませんが、管理が大変になるというデメリットがあります。リクログでは、応募者情報を一元化し、求人情報をひと目で把握できます。そこから個々の担当者にタスクを振り分け、アラートメールの自動送信で対応漏れを予防します。
家電販売のノジマは、アルバイトと中途社員採用でリクログを活用しています。課題は、短期間で大量の採用を効率よく行わなかればならないこと。来月のオープンまでに何百人という採用を、すべて手作業で行っていたといいます。リクログを導入したことで、処理能力が5倍アップしたと評価しています。再応募者の選り分けなども行えるようになり、採用担当者の事務負担が大幅に減ったようです。
参考:
https://www.reclog.jp/success_case/nojima.php
フィードフォース × Talentio
Talentioはクラウド型採用管理サービスです。人事にマーケティングの考え方を取り入れ、「採用戦略のパートナーに」をモットーに、戦略的な人事を可能にするサービスです。トレンド分析や通過率分析などの採用プロセス分析を行い、最近注目されている「リファラル採用」にもいち早く対応しています。また、株式会社KUFUの労務クラウドサービス「SmartHR」との業務提携も決まり、今後ますます注目を集めそうです。
株式会社フィードフォースは、データフィード関連事業で企業のマーケティング支援を行っている会社です。フィードフォースは、候補者への連絡機能が優れていることや開発スピードが早いことに期待して、Talentioを選んだといいます。また、コスト面でのパフォーマンスの良さも魅力としています。システム導入の際は、コスト面の試算もしっかり行うことが大切です。
Talentio:https://corp.talentio.com
参考:
http://nabeharu.hatenablog.com/entry/2017/02/07/181500
http://logmi.jp/181829
https://bizhint.jp/article/133382
ギミック × Oneteam
「どこにいてもチームで働ける」がコンセプトの「Oneteam」では、ドキュメント共有とチャット機能をメインにしたサービスを展開。相談したいときに、いつでもどこにいても資料を見ながらすぐ話せるのが魅力です。LINEのように使いやすいカジュアルな画面で、拠点間コミュニケーションにも優れています。
もう一つ、特筆すべきサービスが「ProfileBook(従業員名簿)」。「ProfileBook」は「手のひらにチームを持ち歩く」をコンセプトに、プロジェクトに関わる人材をタイムリーに把握できるのがメリットです。
株式会社ギミックは、「ドクターズ・ファイル」というWebメディアの運営や「頼れるドクター」という医療雑誌の制作をしている会社です。全国展開を続けている会社にとっての問題点は、散らばっている情報の一元化と、オープンな情報共有でした。Oneteamを活用することでリアルタイムのやり取りが可能になり、「まるで会議をしているようなスピード感」で仕事ができるようになったといいます。複数の事業部にまたがるチームを作ることも可能になりました。
Oneteam:https://one-team.com/ja/
参考:
https://blog.one-team.com/ja/stories/2016/05/13/oneteam-gimic/?_ga=1.141274417.2069392622.1489965597
セブン-イレブンジャパン × airyフレッシャーズ
企業がプロジェクトを立ち上げる場合、どんなメンバーを選出するか、相互コミュニケーションをどう取り、モチベーションを上げていけるかが成功の鍵になります。そこで、重要になってくるのが「社内SNS」のシステムです。必要なときに必要な人とスムーズなコミュニケーションを取り、社員のやりがいを育て、プロジェクトの達成率を上げるツールです。
ここで注目したいのは、内定者フォローに特化したSNSサービスの「エアリーフレッシャーズ」です。これは、導入実績600社に及ぶ、日本でも最大級の社内SNSサービス「airy(エアリー)」の新卒採用版です。たとえばセブン-イレブンジャパンでは、内定者に対するグループワークを行う際に、このシステムを活用しています。新入社員が入社後に経験する店舗経営アドバイザーの仕事などを先行体験させ、システムを利用してチームプロジェクトの進行やスケジュール管理を行っています。これにより、入社までに仕事への理解とモチベーションを高め、内定後の不安を取り除き、入社後の活動をスムーズにすることが可能になります。
airy:https://airy.net/
airyフレッシャーズ:https://fresher.jp/
参考:
https://fresher.jp/case/sevenelevenjapan.html
まとめ
HR Techの導入は日本でもどんどん進んでいるようです。日本企業が提供するサービスが拡充されたことで、選択肢も増えました。今後のさらなる広がりが注目されます。次回は、「採用活動」の業務にフォーカスし、現状どのような課題があるのか、その課題をHR Techを導入することでどう解決できるのかについてお伝えします。
記事制作/神尾 マキ
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