では、そろそろ副業を実際にやってみることにしましょう。前回、世に存在するほぼすべての職業・職種において副業が可能と書きましたが、その中でも一般的な副業の一つにライターがあります。

この世には膨大な分量の文字データが存在しますが、その分だけライターという仕事があると言えます。また、どんな仕事でもそうですが、ライターという仕事も、仕事の売り手と買い手の力関係によって報酬の相場が決まります。

■ライターの報酬相場はピンキリ

私は、文章を書いてお金をいただく仕事をかれこれ20年以上やっていますが、最近特に感じるのは、ライターの報酬相場が軒並み下落している事です。某医療系まとめサイトが問題になりましたが、テキストコンテンツを粗製乱造するトレンドが世界的に強まり、それに呼応してライターの相場が下がっている感が否めません。ひどいのになると、1文字あたり0.1円なんていう仕事もあります。

一方、それなりの報酬をしっかりと確保しているライターも存在します。私の知人に積層造形技術の世界的な権威がいますが、彼が専門誌に投稿する際の原稿料は5000字で5万円だそうです。これだと1文字あたり10円です。

つまり、ライターの顔が見えないアノニマスなテキストと、相応の専門家が書く相応のテキストの報酬には、100倍の差があるという事です。これは極端な例ですが、一般的にテキストの専門性が高く、読者の関心を引く場合、相場はそれなりに高くなります。

■自分の相場を上げるには

ライターとしての自分の相場を上げるには、以下の条件を満たす必要があります。

1.自分だけが提供出来る専門性を持つこと
2.文字という表現手段を使って何らかのバリューを生み出すこと
3.買い手がそのバリューの価値を認め、お金を払ってくれること

特に重要なのが3で、自分の専門性がいかに高くても、またそれなりのバリューが生み出せたとしても、買い手がそれに価値を認めてくれなければ取引は成立しません。

自分の相場を上げるために、ライターは、自分が生み出すどのようなバリューに高い値が付けられるのかを考える、マーケティングマインドを持つ必要があります。

■ライターという名のツールになるか、バリュークリエーターになるか

とどのつまり、同じライターという仕事をするに際し、一方は買い手にツールとして使われているのであり、他方は彼または彼女だけが生み出せる価値を提供するバリュークリエーターになっているのです。ライターという仕事をし、それなりの報酬獲得を目指すのであれば、何らかのバリュークリエーターになる必要があります。

あなたしか知らない極秘情報、業界を網羅するホワイトペーパー、あっと驚くようなノウハウ、思わず笑ってしまうエッセイ、しっかりと練られたラブストーリー、あるいは綿密な取材と調査に基づくレポート等々。いずれにせよ、買い手または読み手が相応の対価を支払ってでも読みたいと思わせる「価値」を提供するものでなければなりません。

■やがてAIがリプレースする

筆者の予想では、現在1文字0.1円から1円程度の相場で取引されているようなライターの仕事は、早晩AIによってリプレースされます。ネット上の公開情報をかき集めてエディットしてリライトするといったような単純作業は、AIがやった方がより効率的でローコストになるからです。

いずれにせよ、ライターとしてバリュークリエーターを目指すのであれば、自分の専門性とリンクさせるのは必須でしょう。あなたが営業のスペシャリストであれば、営業に関する有用な情報を発信し、読み手にあなたの価値を認めてもらうのです。そして、発信した情報をトリガーにあなたの専門性と関連した仕事を獲得出来れば、ライターという名の、あなた自身のマーケティング手段も手に入れる事になるのです。

では、ライターとしての仕事を始めるにあたり、さしあたり何を書くべきか?それを考えるのもライターの仕事ですよ。

記事制作:
ジャパンコンサルティング合同会社
代表 前田健二

ノマドジャーナル編集部
専門家と1時間相談できるサービスX-bookを介して、企業の課題を手軽に解決します。業界リサーチから経営相談、新規事業のブレストまで幅広い形の事例を情報発信していきます。