本、雑誌、新聞、テレビ、ネット、スマホアプリ・・・現代は過剰というほどに情報が溢れています。単に事実を伝えたり知識として蓄えておくべきものから、識者とよばれる人の意見や個人的な感情まで、さまざまな”情報”があり、区別なく、そして際限なく流れてきています。

こうなるともう、どれが事実で、他人の感情で、自分の意見なのか、わからなくなってくることがありませんか?
いや、もしかしたら、自分でもまったく気づかずに、誰かの意見や主張を「自分が考えた意見」として勘違いしてしまっていることだってあるかもしれません。

他人の考えに賛同することや、模倣をすることが悪いというわけではありません(学問も技術も、何ごともまずは模倣から入るといいますしね)。しかし、仕事で重要な判断が必要だったり、人生で大事な岐路に立たされた時に、googleで検索して答えを出す・・・というのでは、ちょっと悲しすぎると思いませんか。

だからこそ、意識してやってほしいのが、考えるということ。モノの見方や選び方がきっと変わってくるはずです。はじめはうまく考えられなくても大丈夫。自分の頭で考えることの難しさ、そして楽しさを感じていただければと思います。

深く考えるには、コツがいる

考える力がつく本
本、新聞、ネットの読み方、情報整理の「超」入門


考えるといっても、情報は次々に出てくるし、どれが注目すべき情報なのかわからず、いつまでたっても考えがまとめられない、という人も多いと思います。そこでまず読んでいただきたいのが、ニュースの本質をすばやく見抜き、わかりやすく、かつ易しく解説し続ける池上彰氏が著した本書です。
情報の整理術から、図解のメリット、情報の引き出し方など、考えるために必要な準備や心構えを学ぶことができます。

著者:池上 彰
出版社:プレジデント社
出版日:2016年10月03日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1150

詰め込み型教育が「考えない」日本人を生み出した

大前研一ビジネスジャーナル No.6
「教える」から「考える」へ 世界の教育トレンド/日本人の海外シフトの現状と課題


数式や化学式、歴史の年号、「平家物語」の暗唱(祇園精舎の鐘の声・・・という部分ですね)・・・思えば、私たちが”勉強”をするといえば、それはイコールで暗記を意味していたような気がします。
こうした詰め込み型の教育こそが、考えない人間を量産していると大前研一氏は指摘。教育というと、すでに社会人の私たちには用がないと思ってしまいますが、そんなことはありません。フィンランドなどの考える教育の事例は、大人でも考えさせられるものばかり。頭を使いたくなること、うけあいです。

著者:大前 研一監修、 good.book編集部編
出版社:good.book
出版日:2015年07月17日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/587

5つの思考の型と、スイッチとなる38の口ぐせで考える力が身につく

どんな仕事でも必ず成果が出せる
トヨタの自分で考える力


池上氏、大前氏と続いて、次も日本を代表する企業であるトヨタのお話。トヨタの「カイゼン」は世界的に有名ですが、そもそも問題を問題だと把握し、解決するためには、一人ひとりが自分の頭で考えることが必要です。
では、どうやって考えているのか?トヨタの社員は、他の会社の社員と何が違うのか?を、解き明かしてくれるのが本書です。5つの思考の型と、役員から末端まで徹底された38の口ぐせを真似て、理解することで、考える力がめきめきと鍛えられていきます。

著者:原 マサヒコ
出版社:ダイヤモンド社
出版日:2015年07月24日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/585

「わかったつもり」からよい意見は生まれない(目次より)

世界のエリートが学んできた
「自分で考える力」の授業


アメリカの高校やハーバード大学では、徹底的に考える、自分の意見をつくることを授業で行うといいます。一方で日本ではなんとなく、自分の意見を言う=自己主張が激しいといったマイナスイメージで捉えられがちですよね。
意見をいうことはもちろん自己主張にも繋がるのですが、それ以外にも、話すことで理解が深まったり、意見と事実をしっかり区別できるようになるなど、さまざまな効果があるんです。意見を言うことは悪いこと―そんな思い込みを持ってしまっている方にこそ読んでいただきたい一冊です。

著者:狩野 みき
出版社:日本実業出版社
出版日:2013年07月01日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/140

問題:13個のオレンジを3人で平等に分けるには?

ずるい考え方
ゼロから始めるラテラルシンキング入門


せっかくなら、人より一歩抜きん出た考え方、一味ちがう考え方をしたいものですよね。そんな時に有効なのが、本書で紹介するラテラルシンキング。詳しい説明は本の内容に譲りますが、ロジカルシンキングのようにひとつずつ積み上げていくのではなく、別の角度からまったく違った見方をすることで、新しい発想を生み出すことができる考え方です。
考え方という小難しい話だけではなく、豊富な事例やトレーニング問題を通して、楽しく身につけることができます。
※通常の答えは、4個ずつ分けて残り1個は当分に。ラテラルシンキング的な答えは、ジュースにする

著者:木村 尚義
出版社:あさ出版
出版日:2011年05月28日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/805

記事作成:宮本 雪

本の要約サイト フライヤー

本連載は、1冊10分で読めるビジネス書の要約サイト「flier(フライヤー)」の記事をもとに再構成したものです。

フライヤー

ノマドジャーナル編集部
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