起業時は想像以上にお金がかかります。そのため、無駄なコストを徹底的に削って、収益が定期的に確保できるまでの期間をしのぐことが重要です。
こうしたコストの中でも、最も高いウエイトを占めるのがオフィスの家賃です。実店舗を持つ必要がある業務であれば、オフィス用のテナントを用意する必要があるでしょう。しかし、人を呼ぶことがないのであれば、コストをかけずにオフィスを置ける「レンタルオフィス」を使うのが一番かもしれません。そこで今回は、「起業時に使えるレンタルオフィス」について詳しく紹介していきます。
起業時にピッタリのレンタルオフィスは「バーチャルオフィス」
実店舗をもつ必要があまりない業種を行うのであれば、「バーチャルオフィス」と呼ばれるレンタルオフィスが最適です。バーチャルオフィスでは、入居してオフィスを構えるのではなく、「アドレス」や「電話番号」など必要な情報だけを借りることのできるサービスを提供しており、事業を遂行するうえで必要最小限のオフィスを用意することができます。主なサービス内容は、以下の通りです。
・法人登記にも使える住所・電話番号が使用可能
・代行で電話応答してくれる
・代行でゲスト対応をしてくれる受付がある
・ファックスの受け取り代行をしてくれる
電話と住所を貸してくれるだけでなく、サービス内容も充実。月額の基本料金のほか、追加オプション料金を必要とするものもありますが、それでも普通にオフィス用テナントを借りるより遥かに低予算でオフィスを構えることができます。また、各種代行サービスを利用すれば、仕事の負担を減らすこともできます。
なお気になる費用ですが、「住所+電話+代行」で月10,000円以下の料金で利用できるところが多いようです。事業内容と照らし合わせて必要な追加サービスを選べば、大幅なコストダウンや業務効率化に繋げることができます。
バーチャルオフィスのメリット・デメリット
ここからはバーチャルオフィスのメリット・デメリットについて、詳しく見ていきましょう。まずはメリットからです。
バーチャルオフィスの最大のメリットは、低コストで都内の住所を使用することができることです。低コストについては、前述した通り。なお、都内の住所を使えることで「箔をつける」ことができます。またご存知の通り、東京23区内に事務所を置くのは、多大なる費用が必要と考えられているため、ここに住所があるというだけで企業としてのブランディング効果があるのです。
一方、バーチャルオフィスのデメリットは、突然の来客に対応できないことでしょう。地元企業や地方での活動をしており、東京のバーチャルオフィスを使用している場合は、バーチャルオフィスの住所にゲストが来てしまうことがあります。確かに代行の受付はありますが、当の本人が対応することはできません。このように突然の来客には、どうしても対応できないのです。突然の来客には対応できないことを、事前に知らせておくことが必要になります。
バーチャルオフィスに最適の事業とは
バーチャルオフィスは、基本的にはどのような業種でも利用が可能ですが、その中でも特に利用しやすい業種があります。もっとも相性がいいのは、ウェブライターやプログラマーなど、PC 1台あれば仕事ができる職種です。ライターやプログラマーはクライアントと直接会わなくても、仕事を完結することができます。そのため、わざわざオフィスを用意するまでもないケースが大半です。加えて、取引相手からそれなりの「箔」を求められることも多いので、都内の主要場所に事務所があるという利点も最大限に活かすことができ、取引先からの社会的信用をスムーズに得られるはずです。
また、セミナーの講師やコンサルタントもバーチャルオフィスに向いています。起業したばかりの経営コンサルタントやセミナーの講師は、正直いって社会的信用はまだまだ低いですが、都内にオフィスがあるというだけで、ぐっと信用が上がります。外出することが多く、対応ができないことが多い職種なので、代行サービスの恩恵を最大限活かせるという利点もあります。
記事制作/イソダ カツヤ
専門家と1時間相談できるサービスOpen Researchを介して、企業の課題を手軽に解決します。業界リサーチから経営相談、新規事業のブレストまで幅広い形の事例を情報発信していきます。