2013年に英・オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授が発表した「AIに代替される職業」(※)は、文字通り世界中を震撼させました。誰もが、自分の仕事が20年後もあるかどうかを確認したのではないでしょうか。
※その後2015年に、野村総合研究所とオズボーン准教授の共同研究により、日本の労働人口の49%がAIで代替できるとの報告がありました(https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx

あれから5年が経ち、当時のような狂想曲めいた騒ぎは収まったものの、世間ではとかくAIは怖いもの、ロボットに仕事を奪われるというような恐怖論が蔓延しているように感じます。

ですが、今、開発されている人工知能は、人間の知能そのものを持った人間のような機械ではなく、あくまでも人間が知能を使ってすることをさせる機械がほとんど。介護の補助や料理をしてくれるなど、上手く使えば、生活が便利になり、仕事も効率的にできるようになる、夢の機械とも言えます。

AIは人類にとって救いの神になるのか?それとも、破滅の道へと導くのか?―賛否両論ありますが、何も知ろうとせず怖がり続けるよりも、ここでしっかりAIについて学び、対策を考えたほうが、よほど有益です。さあ、新しい未来への扉を開きましょう。

文系ビジネスマンの「そこが知りたい!」に答える人工知能本

東大准教授に教わる
「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」


世間では、ロボットがチェス王者に勝利した!など人工知能に関する話題がたびたび出てきます。ですが(筆者も含めた)”文系人間”にとっては、小難しい理論以前の「ディープランニングって何だっけ?」「AIが発達するとロボットが人間に対して反乱を起こすかもしれない?」・・・などなど、そもそものところがわからない、というのが正直なところ。そこで手に取っていただきたいのが本書です。
企業コンサルタントである塩野氏と人工知能の研究者である松尾氏の対談形式になっているため、頭に浮かぶ「なんで?」「どうなるの?」を塩野氏が代弁してくれているような感覚で、リズム良く読み進められます。人工知能=理系=難しいというイメージを、いい意味で覆してくれるはずです。

著者:松尾 豊、塩野 誠
出版社:KADOKAWA/中経出版
出版日:2014年10月14日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/718

技術が進化し、生活が便利になれば、人は幸福になれるのか?

人工超知能が人類を超える
シンギュラリティ―その先にある未来


シンギュラリティ(技術的特異点)とは、科学技術の進歩するスピードが予測不可能なほど高速になる瞬間のことで、2045年には人工知能が人間の知能を超え、テクノロジーの進化も人工知能が担うようになると言われています。
最近では、シンギュラリティは起こらないという学説も出てきているようですが(※)、備えあれば憂いなし、やはり起こることを前提にして考えておくことも必要です。その一助となるのが本書です。シンギュラリティが起きた時に、人類は人工知能と共存できるのか?そして幸せになれるのか?―人工知能を考えながら、人類、自分自身の幸せについても考えさせられる一冊です。

著者:台場 時生
出版社:日本実業出版社
出版日:2016年03月01日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/858

車を無人で動かせる日は来るのか?

2020年、人工知能は車を運転するのか
自動運転の現在・過去・未来


ヤマト運輸の残業代未払い問題、amazonの当日配送からの撤退を受け、日本の物流が疲弊している、つまり、配送する人が足りない、という問題が露見しました。その解決策として期待されているのが、自動運転車。ヤマト運輸では今年4月15日からDeNAと共同で、自動運転技術を活用した「ロボネコヤマト」プロジェクトをスタートさせました。
わたしたち一般人が夢見ているような、無人で走る車の実現はまだまだ先かもしれないですが、本書で紹介されている自動運転車の開発の現状を知ることで、きっとワクワクする未来が想像できるはずです。

著者:西村 直人
出版社:インプレス
出版日:2017年02月24日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1146

人間の投資アドバイザー、トレーダーはもう不要!?

人工知能が金融を支配する日


世界中の選択肢から、自分にぴったりの株や債券などの運用をしてくれる「ロボ・アドバイザー」。日本での知名度は低いものの、欧米では10年ほど前から広がってきていて、2020年には2〜3兆ドル(約242〜330兆円)の市場規模になると言われています。
人工知能による驚異的なスピードと精度は、とても人間には太刀打ちできるものではなく、だからこそ本書のタイトルも大げさではないことがわかります。人工知能を上手に利用して莫大な富を得るのか、知らずに搾取されるのか。後者になりたくないのなら、知識を身につけることが必要です。

著者:櫻井 豊
出版社:東洋経済新報社
出版日:2016年09月01日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/959

人工知能を使いこなそう!

AI時代の人生戦略
「STEAM」が最強の武器である


近い将来、単純作業や定型的な仕事はAI=人工知能に取って代わられると言われています。それならば逆に、人工知能を使いこなせるようになれば、いいわけです。しかし、そんなことを言われても何をしたらいいのかわからない・・・ですよね?
そんな人たちの指南書となるのが本書。アメリカで重要視されはじめたS:サイエンス、T:テクノロジー、E:エンジニアリング、M:マスマティクス(数学)+A:アートを身につけることで、人工知能を使う側になれるといいます。とはいえ、難しい理論を勉強するのではなく、教材として「ブラタモリ」が紹介されているなど、気軽に取り組めるものばかり。身構えずにチャレンジしてみてください。

著者:成毛 眞
出版社:SBクリエイティブ
出版日:2017年01月15日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1156

記事作成:宮本 雪

本の要約サイト フライヤー

本連載は、1冊10分で読めるビジネス書の要約サイト「flier(フライヤー)」の記事をもとに再構成したものです。

フライヤー

ノマドジャーナル編集部
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