「ワーク・シフト」で全世界に衝撃を与えたリンダ・グラットンが、今度は「ライフ・シフト」で、100年生きる時代が来るという、驚きの未来予想図を描いてみせました。
この話を聞いて、「長生きできるなんて嬉しい!いろんなことができる!」と、喜んでいる人もいれば、逆に、「そんなに長生きしてお金は足りるかな・・・」と、心配している人もいるでしょう。
そうなると、実際のところ、周りのみんなは何歳くらいまで生きたいと思っていて、何歳まで働きたいと思っているのか?・・・気になりますよね?
そこでみなさんに代わって、聞いてみました!
ちなみに今回のアンケートでは、「健康でいられるなら、長生きしたい」という答えが多いことを想定して、100歳になった時に50歳の体力・生活環境だったら、という条件付きの質問もしてみました。
長生きは大歓迎、でも、働くのはほどほどで。
まずは、何歳まで生きたいか(寿命)と、何歳まで働きたいか(定年)の平均値を見てみましょう。
「Q.1 何歳まで生きたいですか?」(図-1)
①条件なし(有効回答数:87)
平均:80.7歳
②100歳になった時に50歳の体力・生活環境だったら・・・(有効回答数:95)
平均:115.3歳
条件なしの場合は、男女合わせた平均寿命(83.59歳/2014年)と、ほぼ同レベルの数字。平均くらいまでは生きれる・生きたい、という人が多いようです。
「Q.2 何歳まで働きたいですか?」(図-2)
①条件なし(有効回答数:79)
平均:70.8歳
②100歳になった時に50歳の体力・生活環境だったら・・・(有効回答数:82)
平均:86歳
こちらは、一般的な定年の60歳、65歳よりはちょっと長め。今の60代は元気な人が多く、それを見てると、「もっと働けそう」と感じている方が多いのかもしれません。
ところが条件付きのほうをみると、少し違和感を感じませんか?
生きたい年齢では80歳→115歳と30年も開きがあるのに、働きたい年齢では70歳→86歳と、半分の15年しか開きがありません。
ちなみに平均値で考えると、86歳に定年を迎えて115歳で寿命を終える、ということになり、リタイアしてから実に30年もの時間があります。
長生きをしたとしても働きたくはない、または、良く言えば、趣味に打ち込むなど、もっと人生を楽しみたい、ということなのでしょうか。
「早めにリタイヤ」と「生涯現役」で二極化
次に、働きたい年齢(定年)の詳細も見てみることにします。以下は、回答数の多い順にランキングしたものです。
①条件なし(有効回答数:79)
1位・・・65歳(21名)
2位・・・60歳(15名)
3位・・・80歳(13名)
※60代〜80代:69名(全体の87%)
②100歳になった時に50歳の体力・生活環境だったら・・・(有効回答数:82)
1位・・・100歳(18名)
2位・・・60歳(10名)
同率2位・・・80歳(10名)
※60代〜80代:36名(全体の44%)
さすがに②では100歳と答えた人が多いものの、60歳と80歳で20名(全体の20%)、約半数近くが60代〜80代に収まっています。前項で触れたように、「長生きはしたいけど働きたくない」という意思が、ここにも表れているようです。
しかし一方で、①では38名、②では35名と、それぞれ25%程度が、寿命=定年、つまり「生涯現役」でいたいと回答。
このように二極化している状況を見ると、定年の延長や長時間労働については、画一的に決めるのではなく、個人が選べるようにすることが必要なのかもしれないですね。
(雇用や人事制度が複雑になるなど、実現の可能性については微妙ですが)
100歳以上の人口が増えた時、社会はどうなる?
最後に、100歳を超えて生きることについて考えてみたいと思います。
②の「100歳になった時に50歳の体力・生活環境だったら・・」という質問では、150歳や200歳といった回答がある反面、95名中49名が100歳以下(100歳を含む)でした。
なお、100歳以上を望まない理由としては、
・そんなに生きていても人が増えすぎて、世の中大変なことになりそう(30代・女性)
・長生きしても困るでしょ。年寄りばかりで・・・。(50代・女性)
・社会情勢や倫理観の面からもいくら体力があっても長生きをするべきなのか悩むところ。そうそう長く生きても得することが無いような気がするのでお荷物になる前には逝きたい。(50代・女性)
・・・といった社会的な影響を憂うコメントが多く見られました。
ちなみに、現在の80歳以上の人口は1002万人(2015年)、100歳以上に至っては、たったの6万5692人(2016年)しかいません。
こんな状況の現在でさえ、年金が、社会保障費が、と騒いでいるのに、平均寿命が100歳になったら、どうなってしまうのでしょうか。
みなさんもぜひ、考えてみてください。
調査方法:インターネットリサーチ調査
調査対象:20代〜70代の男女100名ずつ(2回)
調査期間:2017年6月1日(木)~6月14日(水)
記事制作/宮本 雪
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