リーダーシップにおいてサーバント型が求められている

リーダーシップというとこれまでは、力強く組織を引っ張っていき、その力強さで組織をまとめあげる力でした。しかしグローバル化や働く環境・意識の変化などによって、求められるリーダーシップ像もかわってきています。

そこで今回は近年話題になっている「サーバント・リーダーシップ」に関する書籍について紹介します。

サーバント・リーダーシップの理論を学べる本2選

1. サーバント・リーダーシップを提唱した人物が記した哲学書

1冊目は、ロバート・K・グリーンリーフ氏の著書「サーバントリーダーシップ」。こちらは、1980年代にアメリカで発売されたものを和訳したもので、サーバント・リーダーシップについて最初にまとめられた本になります。

これをまとめたグリーンリーフ氏は、大学卒業からの会社員生活のあいだマネジメントについての研究、開発、教育といった分野に力を注いだ人材教育についてのエキスパートです。

本書は、サーバント・リーダーシップとは何か、組織とは何か、仕事とは何かといった観点からリーダーシップについて言及されている一冊になっています。リーダーシップをもう一度学びなおしたいという人だけでなく、自分にリーダーは向いていないと感じる人がリーダーシップを知るための足掛かりとなるのではないでしょうか。

2.理論と実践が組み合わさったバイブル的な一冊

2冊目は、金井壽宏氏の著書「サーバント・リーダーシップ入門」。本書の著者は、ロバート・K・グリーンリーフ氏の「サーバントリーダーシップ」の和訳を手掛けた神戸大学大学院経営学研究科教授で経営学博士をされている方です。

サーバント・リーダーシップを日本企業に適用させた事例を論理的に展開しているので、実際の業務と照らし合わせてイメージしやすいため、読みやすい一冊になっています。

またサーバント・リーダーシップは、人間関係において必要な要素を含んでいることも本書の中で述べられているので、人間性の向上の観点からもぜひ一度目を通しておいて損はない一冊です。

サーバント・リーダーシップの実践についての本3選

ご紹介した2冊でサーバント・リーダーシップの理論を理解したあとは、実践編として読んでおくべき3冊をご紹介します。自分自身のリーダーシップの見直しにも使えますので、目を通しておく価値は十分にあります。

1. 「メンタル・コーチング 潜在能力を最高に発揮させるたったひとつの方法」

3冊目は、白井一幸氏の著書「メンタル・コーチング 潜在能力を最高に発揮させるたったひとつの方法」です。白井氏は元プロ野球選手。ご自身が二軍監督や一群のヘッド・コーチとして活躍されたご経験を踏まえて執筆された本書です。

現役時代を含め引退後の監督・コーチ生活で学ばれた選手の行動やメンタル面に対し、どう指導していけばいいのかについて書かれています。野球を教える立場の人だけでなく、一般社会のリーダーにも適用できる事例がたくさん盛り込まれているので、実践する際の行動指針とされるにふさわしい一冊です。

とくに選手の能力を最大限発揮するための指導方法についての記述は、リーダーなら思わず納得してしまうような内容になっています。

2.「リーダーシップ3.0――カリスマから支援者へ」

4冊目は、小杉俊哉氏の著書「リーダーシップ3.0――カリスマから支援者へ」。本書を執筆された小杉氏は、さまざまな企業で取締役として活躍している現役ビジネスマンです。

小杉氏が、大学院の客員教授や企業体験を通してリーダーシップについて考え抜かれた一冊。また実際に小杉氏自身が、組織のトップとして組織内を見て感じられたことについてもまとめられています。

3.「最前線のリーダーシップ」

最後にご紹介するのは、マーティ・リンスキー氏の著書「最前線のリーダーシップ」です。リンスキー氏は、元アメリカ・マサチューセッツ州知事の第一秘書のあとジャーナリストにした方ですが、ハーバード大学ケネディ公共政策大学院でも講師を務めています。

リーダーは孤独だと言われますが、本書ではその部分についても触れられています。リーダーがどんな心持ちでいるべきか、その心得も学べる内容です。また、リーダーへの反対勢力に対しての対処法などについても書かれているため、これからリーダーになる人にとっても良い参考書になるはずです。

本はあくまで参考程度に真のリーダーシップは実践で身につく

サーバント・リーダーシップに関連する書籍を5冊ご紹介しましたが、現実は本の通りにいかないことも多くあります。なぜならリーダーシップを発揮する相手は、それぞれに個性を持った人間ですから、一遍通りに行かないのは当然のことです。

しかし、理論と実践をとおして、あきらめずに本当のリーダーシップを身につけてください。