リーダーに必要な資質とは
リーダーに必要な資質とはなんでしょうか。よくイメージされるのが、チームをまとめる、引っ張っていく、ビジョンを示すなど。これをもう少し、要素に分けていくと具体的にはどのようになるのかを、今回みていきます。
それではまず、どのようなリーダータイプがあるのかを最初にみていきます。
リーダーには命令支配型とサーバント型の2タイプがいる
リーダーの資質を見ていく前に、どのようなリーダータイプがあるのかを見ていきましょう。リーダーと一括りに呼ばれていますが、大きく分けると2つのタイプがいます。
「~しろ」が口癖の命令支配型リーダー
指示をするとき、口調がいつも命令形になるワンマンタイプ。このタイプは、団塊世代の上司に多い傾向があります
「~してみよう」やわらかい言葉遣いのサーバント・リーダー
指示をするときに「〇〇してほしいんだけど、お願いできる?」といったようにやわらかい口調を使うのが特徴的です。
部下を引っ張っていくのとは反対に、部下に寄り添いサポートするタイプ。近年、ワンマンタイプのリーダーよりも、このサーバント型のリーダーを求める企業が増えてきています。
リーダーが持っておきたい10の資質
命令支配型、サーバント型どちらであってもリーダーは、部下をコントロールする立場であることに変わりありません。
働きがいを持って、気持ち良く部下に動いてもらいたければ、部下に慕われるリーダーである必要があります。そんなリーダーには、次のような資質が求めらるのかを見ていきましょう。
1.話すより聞き上手である
部下のほうは、どんなときでもまず自分の話を聞いてほしいと考えています。リーダーは、自分の伝えたいことをひとまず置き、彼らの話に耳を傾けることが大切です。
「この人は、しっかりと自分の話を聞いてくれる。」部下にそう思われるリーダーなら、部下たちもリーダーにしっかりと応えていこうと頑張ってくれるはずです。
2.自分を厳しく律し、誰よりも率先して行動する
部下はリーダーに対し、常にリーダーとしての資質を兼ね備えているか、チェックしています。その大きな指標のひとつに、リーダーが誰よりも先に行動し、その行動に甘えがないかどうか。
自分よりもリーダーのほうがよく動いていると感じることによって、部下は「自分も頑張らないと!」と自身を奮起させ、モチベーションを維持します。そして、そんなリーダーであればついて行きたいと感じるものです。
3.迅速な行動力を発揮する
リーダーは、どんな場面でも迅速に対応する行動力を持っていなければなりません。たとえば、突如発生したトラブル。
トラブル対応は、素早く行動することが、迅速な解決に繋がります。本音ではやりたくない仕事であっても、リーダー自らが迅速に対応する姿や行動力を見せていれば、部下はリーダーへの信頼感を強くするでしょう。
3.明朗快活である
人によっては、その日その日で気分に波がある人もいます。本人は機嫌の悪さで何かを訴えたいのかもわかりませんが、それをリーダーがしていると、部下にしてみればとても扱いづらい困ったリーダーでしかありません。
常に人の上に立つ立場だと、プレッシャーやストレスにさらされて、イライラすることもあるでしょう。それでも、部下に気を遣わせるようなリーダーは、リーダーの資質がないと判断されても仕方ありません。
リーダーだから常にニコニコしていなければならないわけではありません。しかし。笑顔が多く、活き活きとした表情をしているリーダーであれば、部下も仕事は楽しいものだと感じ、気持ちよく働けます。
リーダーのもつ雰囲気は、そのままそのチームに影響を及ぼすのです。
5.どんなときであってもフラットな心で持ち続ける
リーダーになると、部下の起こしたミスやトラブルの対応に追われることもあります。
そんなとき、慌てたり、イライラしたり「なんで自分ばっかり」と思ってしまうようでは、リーダーの資質がないと思われるでしょう。
感情に振り回されるリーダーのことを、部下は信頼できない、ついていけないと感じます。どんなことがあろうとも、平常心を持ち続ける努力が必要です。
6.部下の失敗の責任を負う覚悟が常にある
キャリアの浅い部下であればあるほど、失敗やミスも起こるでしょう。こうした失敗やミスは、部下が成長するうえで欠かせないことでもあります。
それを理解し、失敗してもいいから挑戦することを諦めないように働きかけるのがリーダーです。時には、他部署や顧客に迷惑をかけることも。
そうしたとき、部下に非があるとしても、リーダーとしての自分の監督不足だと率先して頭を下げられる覚悟がリーダーには求められます。
7.叱るときには相手自身に考えさせるように伝えること
人を教育するうえで、「叱る」行為がもっとも難しいといわれています。なぜ難しいかというと、叱ることは怒るのとは違い、叱る側が感情的にならないように理性を保ちつつも、叱る相手に気づきを促すように振る舞わなければならないからです。
ただ怒鳴り、責め立てるだけでは、叱られる側(部下)に何が問題だったのか、どうすれば良かったのか、次に同じことがあったときにどう対応すればいいのか考えさせるような働きかけとはいえません。
大切なのは、相手にちゃんと考えさせること。叱る行為は、その手段のひとつなのです。
8.ビジョンを具体的に描き共有すること
リーダーは、自分のチームが向かう方向性を具体化するために、目指すチーム像や成し遂げる目的を明確にして持っておかなくてはなりません。これは、そのチームがどんな意識で行動し、業務を遂行していくか、そのための指針となるからです。
またチームの具体的な方向性を決めても、リーダーだけがわかっている。そんな状態にならないよう、メンバー全員でちゃんと共有できているか気を配り、必要があれば都度確認していくよう気をつけなくてはなりません。
9.ひとりよがりの方針転換をしないこと
方向性をチームで共有していても、状況によっては方向転換せざるをえないときもあります。たとえば、Aのプランでいく予定だったけれど、状況からリーダーがBのプランへ変更する判断をする。
リーダーがBでいけると踏んでいても、現場レベルでBは難しくAをベースに変更するのであれば対応できると考えることもあります。
それでもリーダーがBを推し通すなら、部下にその理由と新しいプランが実行できる根拠をしっかりと伝え、現場の意見も聞き、決してひとりよがりに進めていかないことです。
10.必要な時には撤退する決断が行えること
チーム内の方向を定めていても、状況によっては退かなくてはならないことも発生するでしょう。その判断の多くは、リーダーが下すことになります。しかもこうした判断はタイミングが大切です。
退く勇気を持ったリーダーは、判断力と決断力を兼ね備えているリーダーだとして部下からの厚い信頼を得られます。またこのような判断力や決断力は、リーダーのこれまでの失敗や成功の経験と知恵によって培われていくものですから、リーダー自身も常に自分をアップデートしていかなくてはなりません。
リーダーに必要な資質を知ることで優れたリーダーになれる
自分の性格がリーダーに向いていないと考え、リーダーになることに後ろ向きではいけません。リーダーに必要な資質を理解し、実践することですぐれたリーダーになることができます。