セルフ・ブランディングとは、何でしょうか?

会社の看板や肩書がない、独立しているビジネスノマドこそ、いかに個人としてブランディングしていくかが重要になってきます。そして、実は会社に属している方々も、会社の看板がなくなった時に自身に何が残るのか、という観点で「ブランディング」を意識していくことでキャリアへの考え方も大きく異なってきます。

今回は、「セルフ・ブランディング」というテーマで、中小企業のブランディング・マーケティングのコンサルティングやセミナーを開催されているブランド・コンサルタントの守山菜穂子さんにお話を伺いました。

人は、自分のことが一番わからない。それでも自分の姿をしっかりと伝えられるようになりましょう

-セルフ・ブランディングとはそもそも何でしょうか。ブランディングをすることの意味は何でしょうか。

守山菜穂子氏(以下、守山):

セルフ・ブランディングとは、「自分で自分のブランド力を高める」活動のことです。

自分の姿を、思い通りにお客様に伝えるためには、技術や知識が必要です。ブランディングを意識していない状態で、「お客様は、私のことを充分にわかってくれているだろう」と考えるのは、他力本願な思考。「いつか、白馬の王子様が迎えに来てくれるだろう」というのと同じくらい不安定です(笑)ですから、自分で、自分の姿をしっかりと伝えられるようになりましょう。

あなた自身の「専門家」としての立ち位置をハッキリさせ、お客様に伝わりやすい形にまとめる。これだけで、ファンをつくり、容易に集客することができます。

自分らしさと、社会に求められていることを一致させて行くこと

-セルフ・ブランディングをするとビジネスにおいてどういう変化が見込めるのでしょうか。

守山:

自然に、指名で仕事が来るようになります。お客様の側に「あの人は、こういう人だ」というブランド・イメージが蓄積され、そのイメージが、お客様のニーズと合致した時に、一番に思い出していただけるのです。無理な営業を行う必要もなくなり、本来の仕事に集中して向かうことができます。

また「あるジャンルに強い、唯一無二の存在」というイメージが形成されるので、ギャランティが上がります。今まで「安い仕事や、急ぎの仕事ばかり来てしまい、本当にやりたいことができていない」というような方は、セルフ・ブランディングを行うと、劇的な変化が見込まれるかもしれません。

上級者は、テレビや雑誌に出演する、本を書くなど、メディアの露出を増やすことができます。

私のセミナーに来場いただいた、あるクリエイターの方が、「攻めたいのなら、正直に実行して、攻めれば良いのだと思いました。背中を押された気分です」という感想を書き置いてくださいました。

自分らしさと、社会に求められていることを一致させて行くことができるのも、セルフ・ブランディングの特徴です。

「Who am I ?」は、人生最大のテーマ。

-セルフ・ブランディングを行う上で、まず何をはじめたら良いのでしょうか。

守山:

まず、「ブランディングとは何か」という最低限の知識が必要です。

勘や経験、センスだけでブランディングを行う人が多いのですが、それは危険な行為だと感じています。

私たち一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会のセミナーでは、ブランディングの正しい知識をお伝えするために、各種のセミナーを行っています。

次に「自分は、お客様にどう思われたいか」、「どういう人になりたいか」というゴール設定をします。そのゴールに向かって、日頃のふるまい、服装、写真、プロフィール、情報発信、SNSでの発言などを整えて行くのです。その時、徹頭徹尾(りゅうとうてつび)、一貫して見えるというのがポイントです。

「筋の通っており、やっていることが明快な人」として、日頃の活動を続けて行きましょう。

知識を持った上で、次に大切なのは「自分が自分を、どう捉えているか」を知ること。自分が本当はどこに辿り着きたいのか。人生の目標値を明確にすることです。これは不慣れな方には難しいことだと思いますので、セミナーや、個人コンサルティングでお手伝いをしています。

最後に、そのゴールに向かって、表現の無駄を削り、必要なものをクリアにして行く作業をします。ブランディングを継続するための秘訣などもお伝えしています。

ブランディングとは「むやみに盛ったり、飾り立てること」ではありません。その人の中にある本当に大切な部分、コアなビジョンを引き出し、表に看板として掲げることです。

「Who am I ?」は、人生最大のテーマ。

自分らしさを存分に活用し、周囲に愛され、認められる、幸せなビジネスパーソンになりましょう。

ミント・クリエイティブ メディアプロデューサー/ブランドコンサルタント:守山 菜穂子
多摩美術大学美術学部 グラフィックデザイン学科卒業。
(株)読売広告社の営業職を経て、2000年、(株)小学館に入社。
広告局に10年間在籍し「CanCam」「Oggi」「Domani」「美的」「DIME」 など、主要雑誌の広告担当を歴任。
10年間で国内外 約1,000社の企業と ブランディング・ビジュアル構築のプロジェクトを行う。
2014年独立起業。社会に貢献できるブランドをづくりを実践している。
●一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 認定トレーナー
●NPO日本パーソナルカラー協会 認定パーソナルカラーアドバイザー
   

ノマドジャーナル編集部

   

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