「出戻り社員」は浸透しつつある

過去に退社した企業に再度就職する「出戻り社員」。昨今の人材不足の影響もあり、出戻り社員を起用する企業も増えてきました。

エン転職/エンジャパンが実施した2016年の出戻り社員(再雇用)についてのアンケート調査によると、「一度退職した社員を再雇用したことがありますか?」という質問に対し、「再雇用したことがある」と答えた企業は、全体の67パーセント。実に6割以上の企業が、出戻り社員を受け入れている状況にあります。

出戻り社員として採用される人とは?

さらにエン転職/エンジャパンのアンケート調査の結果を分析していきましょう。

出戻り社員を再雇用した企業の再雇用した理由の上位3つからは、「即戦力」「人となり」「本人の強い復帰の意志」というキーワードが読み解けます。

読者のなかには、出戻り社員として再就職するための情報をお探しの方も多いでしょう。本記事では、出戻り社員として面接を突破する方法として、最大の課題となる履歴書・職務経歴書、志望動機の書き方・答え方についてお伝えします。

出戻りでも履歴・職務経歴書は必須

以前在籍していた企業であっても、再就職するからには履歴書と職務経歴書が必要となります。とくに職務経歴書は、転職してから他社の仕事で得たスキルや、それを活かしてどのように企業に貢献できるかが見られます。職務内容や実績など自己アピールできるようきちんと記載しましょう。

職務経歴書に退職理由は必要?

結論からいうと、書いても書かなくてもOK。ただし、職務経歴書はあくまで自己アピールのために書くという側面があるので、退職の事情を職務経歴として書くことはほとんどありません。書くとしても職務経歴書ではなく履歴書の方に書くことになるでしょう。

採用担当に好印象の履歴書とは?

企業側に再雇用のメリットを感じさせる履歴書の作成は、通常の就職活動よりも難易度が上がります。在籍時の知識や経験にとらわれず、新たに企業研究をしてから臨みましょう。

企業側が求めている人材像を理解し、転職先で得た経験やスキルを強調する履歴書にする必要があります。志望動機も企業向けの具体的な内容になるよう意識しましょう。

志望動機の書き方・答え方

志望動機に説得力がなければ、どれだけスキルが高くても「また辞めてしまいそうだな」と面接官に判断されてしまいます。

志望動機に盛り込むべき要素は次の3つです。

  • なぜ出戻りしたいと考えたのか
  • 外から見た出戻る企業の魅力
  • 他社での経験やスキルをどのように活かすか

なぜ出戻りしたいと考えたのか

出戻り社員が浸透しつつあるとはいえ、企業からすると「なぜまたうちの会社に?」という疑問があるはずです。この問いに対する「出戻りしたい理由」が面接官に響かないと、面接をパスすることは難しいでしょう。

当然ながら、「他の企業よりも待遇が良かったから」「過去に働いていた経験を活かせるから」ではNGです。次の「外から見た企業の魅力」とも絡めて、説得力のある出戻りの理由を考えましょう。

外から見た企業の魅力

出戻り社員の強みは、在籍時のスキルや知識を持ちながら、他社でも経験を積んできたことです。新卒や中途のように1から企業のことを学ぶ必要がなく、かつ他社での経験があるため、新しい戦力として加わることが期待されます。

転職してから気づいた出戻る企業の魅力を伝えることも重要です。転職した社外に出たことで「出戻る企業のどんな魅力を見つけたのか」、「転職先と比較してどこが魅力的なのか」を具体的に伝えましょう。

出戻る会社の魅力を伝えることで企業研究の説得力が増し、本気で出戻りしたいという意志をアピールすることができます。

他社での経験やスキルをどのように活かすか

転職ではありがちですが、他社での経験や身につけたビジネススキルを、出戻りすることでどのように活かすかを伝えます。

ここでアピールする経験とは、必ずしも転職の成功経験ばかりが求められるわけではありません。転職先で失敗した経験も、失敗から学んだことをどのように出戻りで活かすかについてしっかりと伝えましょう。失敗を失敗で終わらせず、何かを学び取る力のある社員は好印象に映ります。

志望動機を考えるときは以上の3つのポイントについて、具体的かつ企業が求める人材像に合わせて伝えることが重要です。

企業側は出戻り社員を歓迎している

出戻り社員として面接を突破する方法について、履歴書・職務経歴書の書き方、志望動機の書き方・答え方に焦点を絞ってお伝えしました。

アンケート調査からもわかるように、多くの企業で再雇用を歓迎しているムードがあります。自社では得られない経験やスキルを他社で積み、かつ人となりがわかっている元社員が、強い意志で復帰を望んでいるのであれば、企業としても再雇用するメリットが大いにあると言えます。

あとは出戻りを希望する社員が、他社を経験して成長したことや、復帰への強い意志を面接で示すだけです。

参考URL:http://partners.en-japan.com/enquetereport/108/