ラグビーのワールドカップ(W杯)イングランド大会で快進撃を見せたラグビー日本代表。惜しくも一次予選で敗退してしまいましたが、南アフリカをはじめとする強豪から3勝を挙げての敗退は史上初ということで、世界中のメディアから「史上最強の敗者」と称賛されました。

ラグビーで大切にされるものといえば、正々堂々と戦う「フェアプレイの精神」、試合後は敵味方なく健闘をたたえ合う「ノーサイドの精神」、そしてラグビーの基本精神としてもっとも大事だと言われるのが、チームプレイに徹する「One for All , All for One」です。

ビジネスノマドは、ひとつの組織に所属することなく、自由な働き方をすることができます。自己犠牲の精神とも言われる「One for All , All for One」とは遠く離れた働き方だと思っている人もいるかもしれませんが、実際にはそうではありません。ビジネスノマドとはいえ、ビジネスパートナーたちとのチームワークはとても大切なもの。むしろ、ひとつの会社組織に所属していないからこそ、チームワークの大切さを重要視しなければいけないでしょう。ラグビーから学ぶことも少なくないはずです。

ここでは、ラグビーの選手、監督、コーチの名言から、ビジネスに必要なナレッジと精神(=スピリット)を学んでいきたいと思います。

私はハッピーなチームにはしたくありません。居心地がいいと能力は発揮できないからです。

エディー・ジョーンズ ラグビー日本代表ヘッドコーチ(監督)

エディー・ジョーンズ

出典:日本経済新聞

ラグビー日本代表を急成長させた名将、エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)。エディーHCの名将たるゆえんは、選手一人ひとりをよく観察し、その能力を最大限に引き出す手腕にあります。

エディーHCが得意な方法は、選手の心を刺激するという策。たとえば、引っ込み思案でチームに馴染めない選手がいたら、思い切ってレギュラーに抜擢して、他の選手と積極的にコミュニケーションをとらなければいけない状況に追い込む。エディーHCは、選手に”少しの不安”や”緊張感”を与えることで成長を促すのです。

ビジネスノマドは、自分にとって快適な仕事の環境をつくることができます。しかし、その状態に首まで浸かり、まったくストレスがない状態が続けば成長も止まってしまいます。自分を追い込み、心に刺激を与えていくことが必要なのです。

自分の心を整えるのは自分の行動しかない

五郎丸歩 ラグビー日本代表

五郎丸歩

出典:Aol news

ラグビー日本代表の中心として大活躍した五郎丸歩選手の言葉です。五郎丸選手はアメリカ戦でも13得点の活躍で、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれています。

五郎丸選手といえば、正確無比なプレースキック。キックの前に見せる、指を組むルーティンも話題になりました。満員の観衆の中でプレッシャーの中、キックを決めるのは大変難しいことです。人並み外れた集中力と、冷静さが必要になります。五郎丸選手は自分の心を整えるために、目の前のことに集中することが大事だと説いています。先に挙げたルーティンを繰り返すのも、目の前のことに集中するため。そして日頃からのトレーニング。

「見えるものと戦っていくしかない」と五郎丸選手は言います。ストイックな積み重ねが、安定性した成功を呼ぶのです。

信頼できなければボールを渡すことはできない。「こいつがボールを活かしてくれる」と思えるからこそ、託すわけだ。

大畑大介 元ラグビー日本代表

大畑大介

出典:You tube

圧倒的なスピードでトライを量産し、日本のみならず世界を魅了した大畑大介選手。この言葉は、大畑選手によるチームワークについての言葉です。

チームワークの基本は、チームメイトに対する信頼です。それは相手への信頼もあれば、自分に対する信頼もあります。いつまでたっても自分にボールが回ってこないのなら、それは自分が相手にとって信頼に足りえない存在だということになります。

会社組織に所属しないビジネスノマドは、誰かの指示によってチームを組むわけではありません。それだけに、「ボールを活かしてくれる」という信頼がとても重要になります。

そのことを胸に刻んで、日頃から行動していなければいけないのです。

寄稿者:大山 くまお
ライター・編集。著書に『名言力 人生を変えるためのすごい言葉』(SB新書)、『平成の名言200 勇気がもらえるあの人の言葉』(宝島SUGOI文庫)、『野原ひろしの名言 「クレヨンしんちゃん」に学ぶ幸せの作り方』、『野原ひろしの超名言 「クレヨンしんちゃん」に学ぶ家族愛』(いずれも双葉社)などがある。構成を担当した書籍に『一生成長し続ける人が大切にしている五賢人の言葉』(小宮一慶著、SBクリエイティブ)など。

ノマドジャーナル編集部

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