すべての独立プロフェッショナルが最初から独立してやっているのではない。たいていは企業に勤めながら、ビジネスパーソンとしてチカラと経験をつけてから独立する。

ならば「いつか独立しよう」と考えているビジネスパーソンは、勤めながら準備をしておかなければいけない。

今回はFPやIFA(Independent Financial Advisor)として活躍している独立プロフェッショナルたちに、「どんな準備をしておくべきか」を聴いてみた。

人間関係は「広さ」だけでなく「深さ」も

やはり回答が複数となったのが「人脈づくり」だった。あるFPは「とても狭い業界なので、またどこで一緒に仕事をするか分からない。縁は大事にしたほうがいい」という。

だがこれは、実はFPに限ったことではない。「意外に業界が狭い」ということは、おそらく他の業界の人も感じているだろう。
また最近はSNSなどで「人と人がつながる」ことが容易になっているだけに、一度得た縁というものは大事にしたほうがいいのは当然だ。

このFPは大手金融機関に勤務していた経験があるというが、「投資信託でも債券でも、財務、や税務でも何でもいいので自信が持って説明できる分野を持つべき」と付け加え、「そのためには日々勉強して知識を蓄えなければいけません」と話していた。

勉強する過程でいい目標になるのが資格の取得だろう。
すぐに独立するつもりはなくても、資格取得をめざすことで目標がたてやすいし、自分の業務の幅も広がるかもしれない。仕事をしながらの学習は大変だからこそ、時間管理もできるようになる。また資格保有者のみに手当てが支給される企業もあるので、一度確認するといいのではないだろうか。

また別のFPは、「波長の合う人とはとことん懇意にしておくべき」と主張する。たしかに「人脈づくり」というと、「いかに知り合いを増やすか」という点に目が行きがちだ。しかし人間関係は「広さ」だけでなく「深さ」も意識したほうがいいのかもしれない。そうした濃密な関係を築ければ、悩みを相談することもできるはずだ。

「人脈作り」を挙げたうえで、ほかに「目の前で起きていることを広い視点から観察することを意識してほしい」というFPもいた。

特に金融の世界では、海外で起きていることが日本で生活する私達に影響することもある。
「世界がどうなっているのか、何が起きているのか。たとえ今の業務に直接関係ないように見えても、そこからどんな変化が考えられるか。そうした視点を持ってニュースに触れることが大事です。マクロ・トレンド・ミクロの視点です」と説明する。
FPになった今も「海外で何かあった時は、『日本の世帯の家計にはどんな影響があるのか』と考えるようにしています」と話していた。

モチベーションを保ち続けること

「いつか独立したい」と思っていても、日々の業務の中で忙殺され、将来より目の前の仕事をこなすことに精一杯で、独立心が小さくなってしまう時もある。
前向きな気持を持ち続けることも大事だ。

あるFPは「具体的に2年後、5年後、10年後、自分がどういう風に仕事をしたいか、どんな仕事をしていたいかなど、明確なビジョンを持つべき」と訴える。
漫然と「いつか独立する」「いつかこんな感じの仕事がしたい」と夢想するだけでなく、期限を区切り、具体的な仕事内容や働き方もイメージしておくことで、着実に一歩一歩前進できるのだろう。スケジュール帳や手帳などに書きだして時々見返しておくと、気持ちが折れずに頑張れるかもしれない。

IFAとして活躍している男性は、「準備というか心構えなのですが、自分が所属する企業の為でなく、本当にお客さんの為になっているかを考えながら仕事をするべき」と指摘していた。

企業に勤めている以上、売り上げをあげ続けなければいけない。
「自社のためにも顧客のためにもなる」のが理想だが、往々にしてこの点はトレードオフの関係になりがちだ。いつも自社と対立するわけにはいかないだろうが、時には言うべきは言い、自分の中に守るべき一線は持つべきだろう。そうした姿勢や気持ちが持ち続けられなければ、独立してやっていくのは難しいのかもしれない。

「今の苦労が自分の価値を高めることになる」という考え方を持つ

独立して活躍しているプロフェッショナルたちに話を聴き、共通していえるのは、彼・彼女らがやっていることは変わったことではないということだ。しごく当たり前とも思えることを大切に続けている。
あるFPは「時間を守る、約束を反故にしない、金銭感覚がしっかりしているなど、人として信頼がおける人は成功しているし、うまくいっていない人はその逆」という。だがそうしたことをおろそかにせず、「続ける」ことは意外に難しい。

ある50代のFPは「会社にいると、必ずしも向いた仕事ばかりでなく、裏方としての仕事やソリの合わない担当者と仕事をしなければいけないことなどいろいろあると思いますが、逃げずに自分がやれる精一杯のことを続けていくことを忘れないで欲しい。きっと味方になってくれる人や後の転機につながる仕事にめぐり合えると思う」と語る。

そのうえで、「僭越ですが、若い頃はピンと来なかった『後からついてくる』という言葉を段々実感するようになりました。短期的な成果につながらなくても、その経験や人脈はどこかで自分に価値をもたらしてくれると思います。遠回りに見えても無駄じゃないことがいっぱいあると思います」とエールを送っていた。
こうした考え方があれば、途中で投げ出したり易きに流れたりせず、苦労が報われる日をきっと迎えられるはずだ。

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ノマドジャーナル編集部
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