会社から独立してフリーランスになる、ノマドワーカーとしていくつかの会社で働く、そんなワークスタイルが少しずつ増えてきた今日このごろ。

とはいっても、まだまだ定着していない働き方であるノマドワーカー、働き方の内容については簡単に当ジャーナルでも「キャリア」としてまとまっていますね。

一方で、実際にノマドになるには意外と見落としがちなところが様々あります。例えば、保険は?開業届とは?口座はどうするのか?仕事をする場所は?名刺をつくったり、スケジュール管理はどうやってやるのか?契約書はどうやってつくるのか?自分でHPを立ち上げた方がいいのか?など。周りでも意外と知らない方が多く、諸手続きを含む「やっておいた方がよいこと」について情報を取得するのも簡単ではありません。

そこで、今回は、「独立してフリーランス、ノマドワーカーになる前に知っておきたいことまとめ」と題してシリーズ連載をしていきたいと思います。

手続き系の情報の前に、ノマドジャーナル編集部のインターン生小林が、まずは独立にあたってどんな経緯でフリーランスになっているのかをまとめてみました。

フリーランスになる前に何をしているか?ノマドへのなり方とは

いわゆるノマドはどのような経緯でなるものでしょうか?

それぞれのノマドワーカーのキャリア、バックグラウンドをみてみましょう。

まず、サーキュレーションの「ビジネスノマド」でみていくと、0→1フェーズから複数のベンチャー企業の役員として働いている守屋実氏は、ミスミに入社して新規事業を担当し、その後、起業ファクトリー・エムアウト、独立して複数ベンチャーの立上げに関わっています。一貫して新規事業に取り組まれていますが、企業内起業と独立起業を数多く経験しています。

ベンチャー創業からの上場までを経験した人材として複数社の経営支援をしている釜野晋史氏は、マンションディベロッパーを経て、エス・エム・エスの創業メンバー、同社の新規事業を担当し上場後に役員を退任し、複数社の経営アドバイザーとして入っています。

女性のビジネスノマド原麻由美氏は、ベンチャー企業の新規事業担当の後に起業し、その後退任し複数の会社の新規事業やマーケティング支援をしています。

その他、一般的に、ノマド的に認知されているところでは、”まだ東京で消耗してるの?”で有名なイケダハヤト氏も半導体メーカー、ソーシャルメディアコンサル会社を経て、2011年4月にフリーランスとなっています。

女性ノマドワーカー安藤美冬氏も集英社を経て今のノマドワークスタイルへ。現在は多摩大学で講師としてもご活躍されていらっしゃるようです。

これらの方々のプロフィールをみてお分かりかと思いますが、大学を出てすぐにノマドワーカーになるわけではないのです。大学卒業→就職(→転職)→退社、独立→フリーランスへ という流れです。

いずれの方も、それぞれ独立後に自身の競争力となるスキルを、事業会社もしくは起業することによって身に着けています。そうしていわば自分の「市場価値」を確立した状態で、ビジネスノマドになっています。

ノマドになるきっかけとは?

紹介したような方々は必ずしも最初から独立志向が強かったとはいえないかもしれません。

その場合は、何が独立、ノマド化へのきっかけとなったのでしょうか?以下それぞれのノマドワーカーの独立のきっかけについての声を紹介します。

「もともとそのような働き方をしていた」

守屋実氏

守屋実氏は、もともと会社員時代から同様の働き方をしていたため、独立しても働き方が大きく変わっていないという例です。新卒で入社したミスミ時代から、新規事業のプロとして成功しても失敗しても繰り返し新規事業を担当し続け、現在も複数のベンチャーや事業会社の新規事業の立ち上げに実働的にかかわっており、特に違和感のない働き方だったようです。

「よりスキルアップのために」

釜野晋史氏

釜野晋史氏は当ジャーナルで「転職を重ねて自分がやったことない仕事を積み重ねていくというやり方もありますが、それより同時に数社と仕事ができたらもっと効率的」とおっしゃっています。釜野氏は「企業再生」という目標達成のため、様々な会社の経営体質や経営の中身を知ることを目的に複数の会社で同時に働くノマドとしてのキャリアを選ばれたようです。

「起業の準備のため」

沢井悠氏

沢井悠氏は、期間限定のノマドワーカーです。会社を辞めて自身で起案したバイオベンチャーの起業準備をしている間に、準備に専念しつつ、週1-2日は働いて収入を一定確保するための独立です。また、ビジネスノマドとして稼働することで、稼働先の経営者を近くでみることができので、経営についての勉強も兼ねているというメリットもあるとおっしゃっています。

「どう働くか、というスタイルを大切にしたかった」

安藤美冬氏

出典:安藤美冬オフィシャルウェブサイト

安藤美冬氏はFashion Headlineでのインタビューで独立のきっかけを次のように述べられています。

“「何をやるか(What)」よりも「どう働くか(How)」というスタイルを大切にしたかったからです。就職活動時には「どんな職種か」「どこの会社か」ということにしか目に入らなかった自分が、20代をずっと会社員として過ごしてきて、次第に「どんな風に働きたいのか」に意識が向くようになりました。例えば、年に2回2週間の有給休暇を取得して海外に行くんじゃなくて、世界中をあちこち回りながら仕事がしてみたい。あるいは、肩書きの中で役割を決められるのではなくて、自分の興味の赴くままに、色々な仕事に挑戦してみたい……そんな願望が自分の中で抑えきれないくらい強くなった時、「この働き方のスタイルは、会社員のままじゃ出来ない」と確信して現在に至ります。”

「自由」な働き方を実現するための独立。読者の皆さんもイメージされやすい独立の目的かと思います。

このようにノマド化のきっかけ、独立の目的は人それぞれ。詳しくはノマドジャーナル「新しい働き方」もご一読ください。

さて、上記のような経緯で独立を思い立ったその後は、具体的にどのような手続きが必要になるでしょうか?次回からは、見落としがちな独立のための手続きなどを掲載していきます。

次回のテーマは、「信用力が落ちる前に」、独立前に具体的にやっておくべきこと、考えたほうがいいことをまとめていきますので、お楽しみに。

     

  • 第2回:独立前にしておいた方がよいこと
  • 信用力が落ちる前に!

サーキュレーションインターン生:みつばちジュニア
都内某私立4年生。2015年9月からライターインターンとして株式会社サーキュレーション、ノマドジャーナル編集部にジョイン。大学では日本史を専攻。ビールが大好き。趣味はSNSコミュニティ運営とDVD鑑賞。

ノマドジャーナル編集部

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