人材に関する課題を抱える経営者や人事担当者のためのポータルサイト「日本の人事部」が主催するHRアワード。人事、人材開発、労務管理などの分野におけるイノベーティブなサービスや書籍を表彰することで、企業や個人のレベルアップと活性化を実現することを目的としています。
今回、ご紹介するのは「企業人事部門」。社員に生き生きと働いてもらい、企業の成長へと繋げるための取り組みをご紹介いたします。
「この人と働いてみたい」と感じる社員を探して指名し、選考を受けることができる「相棒採用」
株式会社アサツー ディ・ケイ
「働いてみたい!」と感じる相棒社員を指名し、その人が選考を行うという、広報活動と実選考が一貫した新しい採用システム。
企業が一方的に情報を伝えるという従来の方法と比べて、内定受託率が23%増加。10以上のメディアでの掲載や楽天みんなの就職活動日記「採用広報のイメージが良い企業」として獲得するという成果に繋がっています。
女性管理職の比率を2016年度までに30%、2020年度までに50%へ
イオン株式会社
2013年春の段階で、グループ全体に占める女性の割合が60%に達していたのに対し、管理職では10%を切っている。これを危機的状況だと考えた同社が宣言したのが、「女性管理職の割合を2016年度までに30%、2020年度までに50%」にすること。
社長直轄で設置したダイバーシティ推進室のメンバー約200名で、情報共有や取組事例を紹介するアワードを開催するなど、目標達成に向けた活動を行っています。
「ケア重視」で取り組む、育児休業からの「職場復帰支援」および「キャリア形成支援」
株式会社池田泉州銀行
人事制度拡充や事業所内託児所設置とは違った、職員との接点拡大や配属先の工夫など「ケア重視」で育児復帰やキャリア形成の支援を行っています。
具体的には、保活攻略法や両立法を勉強できる「復帰応援ミーティング」を毎月開催するほか、本人の希望に基づき自宅から30分程度で通勤できる部店へ移動することもできます。
働きながらオフィスで健康づくり 「Workcise(ワークサイズ)」
株式会社イトーキ
健康経営を実現するため、仕事の効率を高めつつ健康面にも良い効果を与えられる行動=ワークサイズの取り組みを社内外で推進。立って作業や打ち合わせができるスペースをつくって運動不足を解消する、照明の切り替えで早帰りを促進するなど、環境を整備することで働き方の変革、健康づくりを促すことを目指しています。
社員では腹囲減少や生活習慣改善などの効果が出ており、2016年3月には東京都から「平成27年度東京都スポーツ推進モデル企業」にも選定されました。
「健康力 商社No.1」による永続的な企業価値向上を目指す『伊藤忠健康憲章』
伊藤忠商事株式会社
朝型勤務を中心とした働き方改革に加え、全社員が健康状態を管理できる「健康マイページ」、生活習慣病予備軍への個別プログラム、喫煙率低下への支援強化といった健康増進策を実施。さらに2018年4月には本社から徒歩30分圏内に独身寮を新設する予定です。
勝ち続けるための取り組みとしての健康経営がどれほどの効果をみせるのか、日本中から注目されています。
「人材」と「働き方」の多様性がイノベーションを起こすインターンシップ
グーグル株式会社
ユーザーの多様性に合わせた社員構成にするため、インターンシップや就業環境でも多様性を重視した制度を提供しています。
「gCareer」は5年以上の就労経験者で育児や介護、転勤などによってキャリアを中断後、現場復帰を目指すためのプログラム。「gReach」は障害者向けインターンシップ。「STEP」は技術職の女性や障がい者などマイノリティーを対象とした教育プログラム。働きがいのある職場やダイバーシティ、インクルージョンの実現に繋がる取り組みとしても期待されています。
健康経営の普及・啓発を目的に2006年設立し企業、健保、地域等にて包括的取組みを実践
特定非営利活動法人健康経営研究会
企業が従業員の健康に配慮することによって経営面においても大きな成果が期待できる、という考えのもと、企業と従業員が双方に利点を見いだせるような、より良い関係の構築を目的に設立。
生産性向上、従業員の創造性向上等の効果やリスクマネジメントの手法を紹介するセミナーなど通して、「健康経営」の取り組みを支援しています。
資生堂の未来を考える専門部署「未来創造局」を創設
株式会社資生堂
社内風土改革と新規事業の創出を目的として立ち上げられた「未来創造局」。手始めに国内約6300人の社員と「未来のために何をすればいいのか」を話し合うことからスタート。
現場の声から具体的な課題や解決のヒントを集めた後に、役員らを交えた会議「未来創造サミット」を開催し、資生堂が100年存続するための指針や方策について議論しました。また2016年からは未来創造サミットから生まれた新規事業社内公募制度もスタートしています。
業界初、完全オンラインによる新卒採用活動「RIKEI-NOU(理系-脳)検定採用プログラム」
株式会社SHIFT
「RIKEI-NOU」とは論理的思考力・抽象化能力・緻密性という3つの資質で、ソフトウェアテストを実行・推進するうえで大切な資質のこと。
研究活動などで時間的制約を受け、業後のキャリア選択を短絡的に決めてしまう傾向があると言われている理系学生が多いことを受け、時間と空間を選ばず、また交通費をかけずに就職活動ができるプログラムの導入を決定したとのことです。
短時間残業代の割増率を引き上げることで、長時間労働問題を改善
株式会社ディスコ
残業を減らす努力が経済的不利益にならないように制度を改定。これにより月45時間までの残業に対する割増賃金率を25%から35%に引き上げることで、月45〜60時間の割増率(30%)を上回ることになります。
割増率を逆転させることで月45時間の残業が意識され、社員の残業を減らす努力が不利益に繋がらずに、残業時間が減少することが期待されています。
最後に・・・
今回は企業人事部門にノミネートされた18点のうち、10点をご紹介いたしました。
10社のうち3社が健康経営に関する取り組みを行っており、注目度がますます上がってきていることが窺えます。また、企業の都合に合わせた採用や就業環境ではなく従業員に合わせた制度づくりへの取り組みも目立ってきているように感じます。
ちなみに、当ビジネスノマドジャーナルを運営しているサーキュレーションのサービス「X-book」(2018年9月にOpen Researchに統合/リニューアルしました)も、プロフェッショナル部門にノミネートされています。
様々な新規性のある人事サービスがノミネートされているプロフェッショナル部門もご興味があれば是非、ご覧ください。
http://hr-award.jp/nominate3.html
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