フリーランスが履歴書を求められるケースとは?

フリーランスといえば、履歴書不要で自らの技術力を頼りに顧客を獲得していくイメージがあります。しかし実際は、企業への就職活動と同様に、履歴書の提示を求められることも。フリーランスが履歴書を求められるケースは、以下の3つが考えられます。

①フリーランスが新規顧客から仕事を受注する際の履歴書

新規取引をする顧客からの要望で、受注・契約をする前に履歴書が求められるケース。これは顧客にとって、フリーランスがどのようなスキルや経験があり、顧客の期待に足る能力があるかを見極めるうえで、非常に重要になるためです。

また、フリーランスが新規顧客と正式に業務委託契約(委任契約や請負契約など)を結ぶ場合にも、履歴書の提示を求められることもあります。

②フリーランスがエージェントサービスを使う際の履歴書

エージェントサービス(含む、クラウドソーシングサイト)を利用する場合も、サービス登録時に履歴書の提示(多くはエージェントの指定するウェブ画面への記入)が必要になることがあります。

とくにエージェントを使って顧客とマッチングしてもらう場合、業種によっては長期契約になることが多いので、フリーランスの経験やスキル。そして、実績や身元確認できる履歴書が求められることがあります。

③フリーランスが本業以外の仕事をする際の履歴書

フリーランスが本業以外の仕事(一般企業でのパートや派遣など)をする場合も、雇用される企業から履歴書の提出を求められることがあります。またフリーランスの業務自体が副業で、本業は企業勤めを希望する場合は、就職する企業に対して履歴書を提出する必要があります。

フリーランスが履歴書に記載すべき内容とは

フリーランスが履歴書に記載すべき内容は、見込み顧客が指定したWebの履歴書か紙の履歴書によって異なります。しかし、記載すべきポイントは、ほぼ以下の6点に絞られますので、具体的な記載方法も考えながらみていきましょう。

①履歴書にはフリーランス開始年月を記載

フリーランス歴を証明するためにも、履歴書にはフリーランス開始の年月を記載する必要があります。個人事業主として開業届を出している場合は、開業日をフリーランス開始年月として記載しましょう。具体的な記載方法は、主に以下の2種類です。

例)〇年〇月 ○〇(あれば屋号) 個人事業主として開業
例)〇年〇月 個人事業主として活動を開始

一方、個人事業主として登録していないフリーランスの場合は、クラウドソーシングサイトに登録した日や、初めて仕事を受注した日などをフリーランス開始年月にすることが一般的です。

例)〇年〇月 クラウドソーシングサイトにライター登録

②履歴書にはフリーランスの案件受注履歴も記載

企業への就職活動の場合は履歴書に職歴を記載しますが、フリーランスの場合は実績や経験を示すため、履歴書に案件受注履歴を記載します。なお、守秘義務などで詳しい案件名を出せない場合は、以下のように会社名のみ記載し、案件内容は省きます。

会社名を記載できる場合 例)〇年〇月 〇〇会社の案件を請け負う

逆に会社名は記載できないものの、案件に関して書いても問題ない場合は、以下のように記載します。ただし、案件内容は詳しく書く必要はなく、ざっくりとした記載で問題ありません。

会社名を記載できない場合 例)〇年〇月 ○○の案件を請け負う

③履歴書にはフリーランス開業前後の略歴も記載

学校卒業後、そのままフリーランスになった方以外は、なんらかの企業などに務めた経験があると思います。その場合はできるだけ前職の略歴も記載した方が良いでしょう。前職の知識が活かせる仕事であれば、履歴書に記載することでアピールできるため、新規の仕事が取れやすくなることがあります。

また、企業を退職してフリーランスになった方は、通常の履歴書同様「一身上の都合につき退職。以後、フリーランスとして活動」と記載しましょう。

また契約社員や派遣社員の場合は「契約期間満了により退職。以後~(以下同上)」と記載すれば問題ありません。

④履歴書にはフリーランスでの業務内容や実績も記載

履歴書には、顧客との守秘義務の範囲内で、フリーランスでの業務内容や実績を記入します。具体的な内容は以下の通りです。

・業務内容(Webコンテンツ作成やシステム構築など)
・実績(Webコンテンツの場合はPV数、売り上げ数値、作成したHPのURLなど)

フリーランスが履歴書に記入する業務内容や実績は、新規顧客がフリーランスの知識や経験、スキルを把握する重要な目安になります。よって守秘義務違反には注意しつつ、できるだけ詳しく記載するようにしましょう。

⑤履歴書にはフリーランスで取得済の資格も記載

フリーランスでも、資格が必要な業種以外はあまり役に立たないと思われがちな履歴書の資格欄。しかし資格欄に持っている記載を記入することで、思いがけない仕事が舞い込む可能性もあります。

そのためフリーランスの履歴書には、受注したい仕事に役立ちそうな資格から順に記載していくことをオススメします。せっかく取得した資格ですので、有効に利用しましょう。

⑥履歴書には募集案件へのフリーランスとしての熱意も記載

Web上の履歴書にも、募集案件への意気込みなどを記載する欄があります。このような意気込み欄には、その募集要件に対し、自分のもつスキルや経験などがどう役に立つのかをアピールするとよいでしょう。

また、その募集案件に対する意気込みを熱く記載することで、新規顧客に「そこまで言うなら依頼してみるか」という気持ちに誘導できる可能性があります。どうしても受注したい仕事であればあるほど、ぜひ熱い思いを記載してみましょう。

よい案件を掴めるかは、フリーランスも履歴書次第

履歴書は一般企業への就職時と同様、フリーランスにとっても「書類審査」という意味で非常に重要です。そのため、たとえ素晴らしいスキルや経験があったとしても、いい加減な記載やアピール不足では、よい仕事を得られない可能性が高くなってしまいます。

フリーランスの履歴書は自分の分身です。履歴書は自らの実績や経験をアピールする場と考え、新規顧客に「ぜひこの方に仕事をお願いしたい」と思わせるような、やる気溢れる丁寧な記述を心がけましょう。