日本でも徐々にフリーランスなどの多様な働き方の認知が広がりつつある昨今、フリーランスが労働者の3分の1を占めるというフリーランス先進国の米国の現状はどうなっているでしょうか。

以前、本メディアでは米MBO Partners社(以下MBO社)の調査結果を紹介しました。ソロプレナーとサイドギガーといった分類分けや、年齢の分布、フリーランスになったきっかけなど、知られざるフリーランスの生態の一端を垣間見ることができました。

(【ノマド】フリーランス事情(海外)「ソロプレナー」と「サイドギガー」とは?https://nomad-journal.jp/archives/456

今回は、世界最大規模のクラウドソーシングサービスを展開していることで知られているUpwork社と米国のFreelancers Unionによる2015年の米国のフリーランス市場の調査結果をご紹介します。

労働者のうち約3分の1がフリーランス

米国では、約3分の1の労働者がフリーランスで仕事を受けています。これは直近でも増加傾向にあり、米国では、フリーランス人口は2014年の5,300万人から、2015年には5,370万人へと増加しています。これは米国の労働者全体の34%の規模に及ぶとのこと。

(the Freelancing in America: 2015)

Uberなどシャアリングエコノミーの拡大もあって、米国でも引き続きフリーランスは増加のトレンドにあります。

同調査によると、フリーランスの中でも、定職につかずフリーの契約のみで仕事を受けているインディペンデントコントラクターは、フリーランスのうち、36%に及びます。残りのフリーランスはというと、副業で一時的な仕事を受けたり、小さく開業したり、定職とフリーでの仕事の組み合わせで収入を得ている人々です。

(Freelancing in America: 2015 http://www.slideshare.net/upwork/2015-us-freelancer-survey-53166722

フリーランスのメリットとデメリット。意外と知られていない未回収リスク

同調査によると、フリーランスになるわかりやすい利点として、収入の増加があります。国内で検討が進んでいる同一賃金同一労働の話もありましたが、自分のスキルや経験を活かすことができれば副業という形でなくとも、一社に所属しているより独立して仕事を受ける方が収入増になります。

実際に、定職からフリーランスへと移った人々のうち、60%は以前の仕事よりも高い報酬を得ているそうです。

当然ながら、デメリットもあります。収入を一時的な仕事や有期の契約の業務委託などに依存していると、収入の安定性の不安や、継続的に新規の仕事を見つけないといけなかったり、意外と知られていないのが報酬の未回収リスクです。顧客によっては未払いになったり、支払いが遅れることがあるようです。

別の調査では、フリーランスのうち、半分程度は顧客と支払についてのトラブルがあるなど、新規獲得の困難さや契約の継続リスクなどは想像がつく一方、未回収リスクについては意外と知られていないフリーランスのリスクなのではないでしょうか?ただ、周りのフリーランスの方でも、顧客との支払いで揉めていたりするケースは意外と聞こえてきます。

逆にこれらは、直接契約よりも今後、クラウドソーシングのように仲介業者などが介在する仕組みであれば、回収のリスクなどは抑えられるかもしれません。

フリーランスのリスク。独立する際に確保しておくべき生活費はどの程度か?

上記の通り、独立して当初から顧客がいたとしても、その契約継続の可能性や支払の確実性など、フリーランスは会社勤めとは異なるリスクがあります。

独立して12年の経験を有するインディペンデントコントラクターの斉藤氏も、独立にあたっては、3年分の生活費の確保をと述べています。独立にあたっての考え方は、ご自身のスキルや年齢、生活費にも依存するので、すべてのケースにおいて3年分が適切とは限りませんが、独立にあたっては様々な要素を加味しておきましょう。

しかし、独立して12年が経った今振り返ると、独立を決意する方には3年分の生活費の用意をお勧めします。

なぜなら、石の上にも三年という言葉もありますが、何か新しいことを一(いち)から始めた時、種まきから開花、すなわち納得の行く収入を得て喰って行けるようになるには3年はかかると思うからです。

逆に世の中に本当に求められることを、信念をもって3年貫けば、応援者が広めてくれ、認めてもらえることも多いので、その間 生活に困らない資金が必要だということです。

(【ワークスタイル】ビジネスノマドの働き方 第4話 「理想的な独立とは。最低限必要な資金と収入」 https://nomad-journal.jp/archives/764

記事作成:川口 荘史

ノマドジャーナル編集部
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