前回は、採用活動に関するHR Techのアメリカでの活用事例をご紹介しました。今回は、日本での活用事例をご紹介したいと思います。

サンリオ × 内定者パック

内定者パックは、その名の通り、内定者フォローに特化したサービスです。人手不足の現代、よい人材を採用したら、いかに内定辞退を防止するかがポイントになります。こちらのサービスでは、①定期的な連絡②情報をオープンに③働く準備の3つを柱に、内定者フォローを行い、すでに1900社以上の導入実績があります。ネットやSNS環境に慣れている内定者世代が親しみやすいシステムで、eラーニングなど手厚い内定者フォローを行い、入社への意欲を継続、向上させます。

キャラクター商品の企画・販売を行うサンリオでは、管理者・内定者ともに使いやすいと感じた内定者パックを導入、もっともよく使っているのは、日記機能とアンケート機能とのこと。人事課の社員が綴るブログを公開して、会社から積極的に情報発信し、会社への関心を高めています。遠方の採用者も疎遠にならず、内定者同士の仲も非常によいそうです。

内定者パック:http://www.naiteisha.jp/
参考:http://www.naiteisha.jp/new/voice05.html

メルカリ × talentio

タレンティオは、複数の採用活動を一括化し、効率的な採用活動を可能にします。採用過程をデジタルデータで保管し、エージェントを一元管理して、多数の応募者に対する選考ワークフローの漏れを防止します。また、採用過程のデータ分析を行うことで、人材に対する最適なアプローチを可能にします。

フリマアプリの運営をしているメルカリは、現在、人材採用に非常に積極的に取り組んでいます。タレンティオのダイレクトリクルーティングやリファラル採用などのサービスで、自社らしい採用ができるとシステム導入に至りました。アラートやプッシュメールで素早いアクションが取れ、採用システムにかける時間が3分の2程度減少したとのこと。Googleアカウントが使える点も便利だとしています。他業務でも忙しいなか、行動のタイミングを示唆してくれるシステムは大変役に立ちます。

タレンティオ:https://corp.talentio.com/
参考:https://corp.talentio.com/cases/mercari/

アキュラホーム × Reclog

Reclog(リクログ)は、クラウド型HRサービスの先駆けで、すでに700社以上に導入されている採用管理システムです。人材紹介会社各社とのやりとりを一括化しコミュニケーションの工数をカット、求職者のエントリー数を効率的に増やし、応募〜面接までのフローをスムーズにします。また、採用単価や媒体ごとの応募効果、歩留まり率なども分析、これまで人事担当者が勘や経験に基づいて行っていた意思決定を、客観的なデータを根拠にスピーディーに行うことができます。

注文住宅メーカーのアキュラホームでは、採用担当会社がリクログを使って採用活動を行っています。アキュラホームと採用業務を委託している担当社間で、リクログを通じて常に情報共有し、採用にかかわるさまざまな情報をデータ化して定期レポートを作成。アキュラホーム側がこれを元に採用分析やスケジューリングなどを行っています。採用活動の全ルートを一括管理できること、数値を正しく入力しておけば、いつでも正確なデータを抽出できることなどがメリットであると評価しています。
精度の高いデータに常にアプローチできるのは、大きな安心材料になるに違いありません。

リクログ:https://www.reclog.jp/
参考:https://www.reclog.jp/success_case/aqurahome.php

モスバーガー × Recop

パート・アルバイトの採用でも、優れたHRサービスが登場しています。Recop(リクオプ)は、独自ドメインでオリジナルの採用サイトを制作し、SEO対策やスケジュール管理などを一括提供して、採用率を上げることに特化したサービスです。

国内ハンバーガーチェーン大手のモスバーガーでは、店鋪スタッフ(キャスト)の採用は、店鋪がそれぞれ独自に行い、年間で約6,000人もの採用を行っていました。しかし、人材不足が深刻化し求人媒体からの応募数が減少。そこで、本社の人材開発部がチェーン全体の採用の見直しに乗り出したのです。

オリジナルの求人サイトを作れるリクオプを導入、キャスト採用サイト「リクモス」を立ち上げ、「応募者受付コールセンター(オプション)」も設置。またサイトには、中国語や韓国語、ベトナム語などの他言語翻訳(オプション)も導入し、外国人の応募にも幅広く対応できるようにしました。そうしたところ、導入の初年度には、サイト経由で1,200名もの採用が実現したというのですから驚きます。各店舗では実現できない本格的なシステムを本社が構築したことで、採用成功した好例といえます。

リクオプ:https://recop.jp/
参考:https://recop.jp/case/foodservice/mos/

まとめ

アメリカに一歩遅れるかたちで日本に導入されたHR Techですが、ここ数年、優れた日本発のサービスが次々にリリースされ、実績を上げています。次回は引き続き日本のサービスにフォーカスし、採用SNSなどについて取り上げてみたいと思います。

記事制作/神尾 マキ

ノマドジャーナル編集部
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