これまで、人材育成に関して、どのようなHR Techの活用が可能なのか、どのようなサービスがあるのかをご紹介してきました。今回は、実際に企業がどうやってHR Techを活用しているのかにフォーカスして見ていきたいと思います。まずは、アメリカでの導入事例です。

個人受講生 × udemy

udemy(ユーデミー)は、世界中で1400万人以上が学んでいるという最大級のオンライン学習システムです。日本版はベネッセが提供しています。ユーデミーの特徴は、講師が自分の講座を自由に開校できるプラットフォームであること。ユーデミーがオリジナル講座を開発して提供しているのではなく、講師が自分の講座を持ち寄って提供している仕組みになっています。
そのため、講座数が非常に豊富で、その数はなんと40,000以上。開発・プログラミングから、ビジネススキル、デザイン、マーケティング、作曲やボイストレーニングといった講座まで実に多彩なラインナップです。なお講師は、PowerPoint、YouTube動画など、好きな方法で授業を行うことができます。

講座が多いとどれを受講したらよいのか迷ってしまいますが、受講生のレビューが星の数で出ているので、講座選びの参考にすることができます。また、有料講座も一回目の授業は無料で見られるので、実際の講座の様子を確かめてから選択することができます。

受講生の益川氏は、「資格では得られない実務に直結するスキル」が得られると評価しています。プロのプレゼンターによるプレゼン講座や英文履歴書の書き方講座などを受講していたところ、ついに会社が受講費用を負担してくれるまでのスキルアップを実現。今では、講師を目指して講座を制作しているそうです。自らが講師になれるほど学べるというのは、ご本人の熱意もさることながら、講座がそれだけ充実していることの表れともいえるでしょう。

また、高校生時代からプログラマーとして活躍し、現在はメルカリのサンフランシスコオフィスでプロのエンジニアとして仕事をしている大島氏は、3DデザインやVRの講座を受講。「オンライン動画学習のよいところは、動画でわかりやすく、また自分の好きなときに好きな場所で学習できるところ」だといいます。また、「オンラインはアップデートがされるのも魅力」とのこと。日進月歩で進化する最先端技術を仕事で使えるようにするには、常に最新バージョンを学んでいかなくてはなりません。オンライン講座は書籍よりもアップデートがスピーディーかつ容易なので、IT系の講座とは特に相性がいいようです。

udemy:http://www.benesse.co.jp/udemy/?s_oid=udemy_bg_top__00136
https://www.udemy.com/courses/?pmtag=aEight75off&aEightID=s00000016735001

参考:http://udemy.benesse.co.jp/archives/udemy-user-interview01.html
http://udemy.benesse.co.jp/archives/udemy-user-interview06.html

Coupa × Litmos

Litmos(リトモス)もユーデミー同様、eラーニングのクラウド型プラットフォームです。従来型のLMS(learning management solution :学習管理システム)と異なり、操作が簡単で、いつでも気軽に学習できるのがメリットです。

Coupa社は、世界40カ国にクラウドサービスを提供しているIT企業です。従来の学習管理システムでは自社に必要なハイレベルの教育が行えないと判断し、Litmosの導入を決めました。導入により全業務をカバーする講座が受講できるようになり、選択肢がぐっと増えたといいます。また、受講状況がすぐに分かるので、効率的な教育・管理が可能になりました。世界各国に社員を抱えており、本社で一括研修が難しい企業にとって、オンライン研修システムはとても便利です。

Litmos:https://www.litmos.com/
参考:https://www.litmos.com/customers/coupa/

Norwegian Air × Litmos

もう一つ、 Litmosの導入事例をご紹介します。
Norwegian Airは、スカンジナビアで二番目に大きく、格安航空券で知られているノルウェーの航空会社です。世界各国に4,500人いる社員は、常に世界を飛び回っています。そこで、世界中どこにいても受講できる学習管理システムが必要でした。また、パイロットや整備士など、それぞれ必要な資格や免許が違うため、更新の時期を把握しておくことも重要でした。

そこで、SCORM(スコーム:eラーニング共通化規格)に適合しており、パソコンでもモバイルでも使えるLitmosを導入しました。ちなみに、任意で受ければいい研修ではなく、すべての社員が社員バッジをもらう前にLitmosのセキュリティコースを受講することが義務づけられています。フライトや乗り継ぎのときに受講する社員も多いため、モバイル端末で受講できるLitmosはとても便利だそうです。
「教室受講のために世界各国から社員を招集しなくてよいので、オンライン受講は非常なコスト削減になる」と研修プランナー兼ITコーディネーターのクレーヴェン氏はいいます。航空界社のようなグローバル企業では、研修も一か所で行うわけにはいきません。オンラインのメリットが最大限に生かされている例といえるでしょう。

参考:https://www.litmos.com/customers/norwegian-com/

まとめ

人材育成の業務も、採用や評価業務と同じように、効率化やスピードアップが求められています。変化の早いビジネスシーンにも対応するには、今回紹介したような、技術革新に素早く対応できるオンラインの研修が今後ますます必要とされていくでしょう。
また、研修や講座がオンラインで可能になれば、社員はいつどこにいても自由に受講できますから、社員のやる気アップやコスト削減にもつながるはずです。

次回は、人材育成の業務におけるHR Techの日本での導入事例を取りあげてみたいと思います。

記事制作/神尾 マキ

ノマドジャーナル編集部
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