前回までは、人事評価とHR Techについてご紹介してきました。今回は「人事育成」業務にフォーカスし、現状どのような課題があるのか、その課題をHR Techを導入することでどう解決できるのかについてお伝えします。

人材育成の業務とは

人材育成とは、社員能力やスキルを向上させたり個人の能力を引き出すことで、企業の利益を最大化させていこうとするものです。社内で育てている余裕がなく、即戦力を採用したいという企業も多いようですが、少子高齢化が進む中、優秀な人材を確保することははますます難しくなってきています。企業にとっては、社員にふさわしい教育を受けさせ、真の人財へと育てていくことは、採用以上に大切な課題だといえるでしょう。

また、個人のキャリアや働き方が多様化している今、社内でだけ通用する人材を育てるのではなく、社員のキャリアパスも考えた人材育成を行うことも求められています。こうした観点から、労働者側でも教育や研修を重視して企業を選ぶ人が増えてきています。

現状の人材育成の問題点

◎社員一人ひとりの適性を見極めて研修・教育することが難しい

従来の人材管理システムはマンパワーで行われるものが多く、社員一人ひとりの能力やスキル・キャリアを把握しきれません。

◎人によって研修レベルが違ってしまう

研修はいつ誰が行おうと、同じレベルを維持していることが理想です。ですが、人が介在する以上、教える人によってレベルが異なってしまいます。

◎教育にあまり時間を割けない

教育係を社員に任せてしまうと、社員は通常業務に加えて教育も担当しなければならないため、精神的・時間的な負担が大きくなります。

◎幅広い業務に対応できる育成をしなければならない

現代のビジネスは非常に複雑化しており、新しい技術も多く、難しいスキルが必要になることも少なくありません。多彩で、また今後も増えていくかもしれないビジネスニーズにすべて合わせられる教育システムを自社で作るのは、かなりの困難を伴うでしょう。

HR Techで導入でできること

◎内容豊富なe-ラーニングを活用できる

研修に自社のe-ラーニングを使う企業もありますが、自社内で作れる教育プログラムには限界があります。また、労力やコストにも限りがあります。HR Techのサービスを使えば、たくさんのサービスの中から必要なプログラムをピンポイントで選ぶことができるので、あらゆる課題に対応可能です。

◎常に一定レベルの教育が受けられる

HR Techを活用したe-ラーニングなら、いつでも一定レベルの教育が保証されています。高度な内容でも、その道のプロが教えるので、自社で教育するよりも高度な教育を効率よく受けることができます。

◎その人にふさわしい研修・教育ができる

HR Techを導入すると、社員一人ひとりのデータが可視化されます。これにより、能力やスキル・キャリア、さらにはモチベーションといったデータをもとに、いま必要な教育と今後必要になる教育を割り出すことが可能。その人にふさわしい研修・教育を行うことができるというわけです。その結果、適材適所の人材配置も可能になります。また社員にとっては、上から押し付けられたものではなく、自分のキャリアパスを考えてくれた上で必要な教育を受けられるので、研修へのモチベーションも上がります。

◎ニーズに応じた柔軟な研修・教育が可能

スピードが求められるビジネスの世界では、人材育成もフレキシブルに行わなければなりません。プロジェクトの進行中に、急いで身につけなければならないスキルが生じた場合でも、HR Techを使えば、時間のロスを最小限に抑えたタイムリーな教育が可能です。

◎育成に特化したサービスで、効率よく育成できる

自社でつくれない、または思いもつかなかったようなサービスも提供されています。たとえば、課題の進捗管理や、メッセージの一斉配信、一括課題提出システムなど、あれば非常に便利で効率的だけれど、自社で開発するにはコストも時間もかかるということも、HR Techならできるようになります。

◎社員の福利厚生に役立つ

豊富なカリキュラムの中から自分の適性や希望を生かした教育を受けられることは、社員の成長意欲を維持するのに役立つため、福利厚生としての魅力になります。

まとめ

人材不足が深刻化している今、入社した人材に対し、効率的かつ効果的な研修・教育を行うことが求められています。「人材育成」業務は、企業の成長に大きな影響を与える大切な業務ということができるでしょう。次回は、この人材育成の業務を支えるHR Techにはどのようなものがあるのかについてお伝えします。

記事制作/神尾 マキ

ノマドジャーナル編集部
専門家と1時間相談できるサービスX-bookを介して、企業の課題を手軽に解決します。業界リサーチから経営相談、新規事業のブレストまで幅広い形の事例を情報発信していきます。