これまで2回に渡って、営業職の強みの見つけ方についてお話してきました。本業の補助的な意味での「副業」をするにせよ、複数の会社・仕事に携わる「複業」をするにせよ、ひとつの会社に属さないフリーランス的な働き方、考え方が必要になってきます。
そこで今回は、フリーランスになるための準備について、お話したいと思います。具体的にやるべきことから、フリーランス生活においてのポイントや気をつけた方が良いことまで、まとめてみました。
資格はお金と時間がある会社員時代に取得しておく
「フリーランスになろう」と決めた時、するべき準備にはどのようなものがあるでしょうか。会社を辞めてから私自身がしたことを、少し振り返ってみました。
・青色申告の登録をする
・開業届を税務署に提出する
・会計管理ツールを探す
・国民健康保険もしくは任意継続の手続きをする
・名刺を作る
・パソコンやスキャナーといった備品を整える
・HPや仕事用のSNSのアカウントを作る
・フリーランス仕事紹介サービスに登録する
といったことを、まずはじめにやりました。
わからないことを調べたり、聞いたりしながらやるので、事務的作業だけでも、2ヶ月程度はかかったと思います。
その他、SNSでフリーランス宣言をし、お世話になった方、これからご縁がありそうな方にはご挨拶に伺いました。そこからお仕事をいただいたケースも、たくさんありました。
なお、最初から多くの案件が来るわけではないので、フリーランス向けの仕事紹介サービスは、ぜひ活用するといいと思います。このサイトを運営している株式会社サーキュレーションでも、プロフェッショナル向けの仕事紹介をしています。ご興味がある方は、ぜひ見てみてくださいね。
フリーランスになるための準備、という意味では、実は会社員時代から進めていました。仕事と平行して、資格試験のための勉強をしたのです。日本チアダンス協会が運営するチアダンスインストラクター養成講座と、キャリアカウンセリング協会が運営する「GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム」の2つを受講しました。
その時は、まだ具体的な時期については決めておらず、「いつかはやってみたい」という段階でした。週末を使って数ヶ月かけてみっちりやる講座は、通常業務と並行するのはなかなか大変でしたが、まとまった費用もかかるので、固定収入がある会社員時代に受けておいてよかった、と思います。
どんな資格にも言えることだと思いますが、資格を取得したからと言って、実践の場ですぐにできることは、まだわずか。場数や経験値がとても大切です。
とはいえ、仕事を探す際に、資格があると信頼を得やすいことも、実感しています。
会社員時代、今のキャリアコンサルタントとしての仕事に近しい業務を少しだけ経験させてもらいましたが、本格的に展開を始めたのは、フリーランスになってからです。資格を持っていることで、「歴は浅いけれど、とりあえず専門知識はある」と信頼していただけたのかな、と思います。
仕事に合わせて、スキルと経験を選んでアピールする
仕事を獲得するための営業活動としては、いくつかあります。
・人づての紹介
・FacebookなどのSNS
・紹介会社を通じた面談
・リピート
などです。
紹介会社を通じた面談の場合は、履歴書・職務経歴書を提出することが多いです。それらの書類を元に、どの業務を任せられるか、先方に判断していただきます。
私の場合、いろんな仕事をしており、経験した期間も全然違います。フリーランスのキャリアコンサルタント歴は5年目ですが、ライターは実はまだ8ヶ月目です。どの職種でお引き受けする仕事かによって、アピール材料をコントロールします。
大枠は変わりませんが、キャリアコンサルタントとしてお引き受けする仕事ならば、その領域での強みや培ってきた力を冒頭に持ってきたり、ライターとしての仕事ならば、短い期間でどのくらい多くの仕事をこなしてきたか、などについて、面談でアピールしたりします。
フリーランスになると、取引するパートナーも、プロジェクトの数も、複数同時に走ることになります。ダブルブッキングや漏れを防ぐため、スケジュールのダブルチェック・トリプルチェックは欠かせません。
スケジュールの立て方は大きなポイントになりますので、次回で詳しくお話しようと思います。
専門家:天田有美
慶應義塾大学文学部人間科学科卒業後、株式会社リクルート(現リクルートキャリア)へ入社。一貫してHR事業に携わる。2012年、フリーランスへ転身。
キャリアコンサルタントとしてカウンセリングを行うほか、研修講師・面接官などを務める。ライター、チアダンスインストラクターとしても活動中。