今回は前回にひきつづき、日本でのHR Techの導入事例をご紹介します。労務の仕事を効率的に、よりスピーディーに行えるHR Techで、自社の問題をどう解決していったのか見ていきましょう。
フォー・フュージョン株式会社 × AKASHI
AKASHIは、ソニーネットワークコミュニケーションズが提供するクラウド勤怠管理システムです。「勤怠管理をカンタンにそして、ここちよく」をキャッチコピーに、マニュアル不要で直感的に使えるユーザビリティが特徴です。打刻方法が多様で、ICカードでの打刻のほか、スマホ・iPad打刻もできるので、出先でもサッと出退社を記録することができます。さらに2016年秋にはSmart HRとの連携も行われ、Smart HRに登録されている社員情報をインポートできるサービスも開始され、より利便性が高まりました。
フォー・フュージョン株式会社は、Webコミュニケーション事業を幅広く手がけている会社です。
AKASHIを導入したきっかけは、最近注目されているリモートワーク(在宅勤務)に対応するためでした。会社の成長期で残業がいたずらに増えていたことがあり、フレックス制を導入します。フレックス制では勤怠管理をより柔軟に行う必要があるため、会社の外でも出退社管理ができるAKASHIを使い始めたそうです。その結果、残業は約6割減少、営業利益率240%アップしたといいます。時間管理がしやすくなったおかげで、スケジュール管理がうまくいくようになり、結果として、業務効率が上がった好例といえます。
AKASHI:https://ak4.jp/
参考:https://ak4.jp/casestudy/4-fusion/
opzt株式会社 × gamba!(ガンバ)
gamba!は日報共有アプリです。日報というと、一日の終わりにパソコンの前に座って入力するというイメージがありますが、gamba!はどこでも日報を提出することができ、コメントや「いいね!」を返すこともできます。導入企業において日報提出率が92%という数字が、このアプリの使いやすさを物語っています。トップ社員のノウハウを共有するなど、社内コミュニケーションツールとしてすでに累計8,000社で使われています。
opzt株式会社は、人材サービスの会社です。会社が大きくなるにつれ仕事をするフロアが分かれてしまい、全社員に目が行き届かなくなっていきました。そこで、gamba!を導入します。gamba!では自分や同僚、部署の数値目標と達成状況をひと目で見ることができます。社員はお互いの目標達成率を確認しながらモチベーションを維持して頑張り、日報には社長自ら「褒める」コメントを欠かしませんでした。こうした取り組みおかげで社員の士気が上がり、会社は売上10億円売上を達成したそうです。システムが単なるツールという枠を超えて、社員の絆まで強めた素晴らしい事例といえます。
gamba!:http://www.getgamba.com/
参考:http://www.getgamba.com/
株式会社アセット不動産 × CLOUZA(クラウザ)
CLOUZAは、アマノビジネスソリューションズ株式会社が提供するクラウド勤怠管理システムです。タイムレコーダーアプリは24時間打刻可能なので、深夜勤務にも対応できます。PC・スマホ・iPadでいつでもどこでも出退社管理が簡単にできます。また、スマホでは位置情報を確認できるので、不正打刻を防止できます。
株式会社アセット不動産は、不動産収益物件として住宅型有料老人ホームの販売や、経営コンサルティングを行っている会社です。少数精鋭で営業を行っているため、毎月の給与計算集計作業に時間をかけない仕組みと、外出先での打刻ができるサービスを探していました。CLOUZAの導入後は丸1日かかっていた集計業務が数分で済み、不必要に事務所に立ち寄る必要もなくなったそうです。社員が本来の仕事である営業に専念できるようになったことで、事業拡大にも拍車がかかりそうです。
CLOUZA:https://clouza.jp/
参考:https://clouza.jp/case/detail1.html
株式会社トリドールホールディングス × Talknote(トークノート)
Talknoteは、社内SNSを提供している会社です。投稿へは「いいね!」やコメントが送れます。まるでその場で会話をしているようにチャットをすることができ、チーム内で共有すれば、プロジェクトの進捗を時系列で記録しておくことができます。膨大なCCメール、不要なメルマガ、何も決まらない長時間の会議といったコミュニケーションコストを減らしたり、社員間の情報格差をなくすといった点でも、効果的です。
また、タスク管理も一目瞭然で、いつ・誰に・何を頼んだのかが分かり、未完了タスクがあればアラートで教えてくれます。「アクションリズム解析」では、SNSの利用状況から社員の気持ちを測ることができ、モチベーションの低下をいち早く発見することが可能です。
株式会社トリドールホールディングスは、讃岐うどんチェーンの「丸亀製麺」など、飲食店の全国チェーン店を展開する会社です。全国の店鋪運営にかかわる営業サポート部では、メールでの情報共有に問題を抱えていました。メールの見逃しやCC(カーボン・コピー)漏れがあり、それを防止するためのExcelまで作成していたといいます。また、現場の声が届きにくく、プロジェクトの検証ができませんでした。
そこで、Talknoteを導入したところ、情報伝達のスピードが3倍になったそうです。上層部とマネージメント社員、現場、そして全国にある店鋪と、複数の階層にわかれたコミュニケーションを行う必要がある場合には、やはりマンパワーよりもITの力を活用したほうが、圧倒的に効率的といえそうです。
Talknote:https://talknote.com/
導入事例: https://talknote.com/case/index.php?num=035
まとめ
HR Techの分野はアメリカが先進国ですが、日本でも非常に優れたシステムがたくさん開発され、導入されて実績を上げているようです。次回は、「評価」の業務にフォーカスし、現状どのような課題があるのか、その課題をHR Techを導入することでどう解決できるのかについてお伝えします。
記事制作/神尾 マキ
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