「国内の産業は製造、輸出主導で上向いてきている」「今回の景気拡張はバブル(51カ月)超え」といった、景気が良くなってきているというニュースが相次いで流れています。ですが、実感としては給与もボーナスも増えないし、将来のことを考えるとパーっと消費する気にもなかなかなれない、といったところではないでしょうか。

ちなみに少し前の調査になりますが、2014年に行われた「人口、経済社会等の日本の将来像に関する世論調査」(内閣府、http://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-shourai/2-1.html)では、日本の未来が現在と比べて暗いと思うと答えた人が60%。さらに、自分自身の将来については69%が不安を感じると回答していました。

消費税増税に前後して行われた調査という点で、少し悲観的な側面が出ていることも否めませんが、過半数以上が不安を感じているという事実は無視できません。

なんでも楽観的に捉えることがいい、と言いたいわけではありませんが、「希望は、人を成功に導く信仰である。 希望がなければ何事も成就するものではない。」(ヘレン・ケラー)という言葉も、また真なり。希望があるからこそ、がんばれるのですから。

というわけで今回は、「日本もまだまだ捨てたもんじゃない!」と感じていただけるような本を集めてみました。一つでもいいので、ぜひ、ご覧ください。

インフラは国力を表す

日本大改造2030
この国を変える250のインフラ事業


新しい道路や新幹線、空港、そして数々の箱ものを作ることには、もちろん批判もあります。ですが、このような”インフラ”がなければ、今のような快適さを日本国民が享受することは難しいですし、インフラをつくることが新たな産業を生み出し、街を発展させていることも、また事実です。
本書では、これから行われるインフラ事業を、豊富な写真付きで紹介。全国各地のさまざまな事業を見ることで、日本にはとんでもない底力があること、そして、日本が大きく変わっていく様子にワクワクできることでしょう。

著者:日経コンストラクション(編)
出版社:日経BP社
出版日:2015年02月23日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/472

人間が想像できることは、人間が必ず実現できる(ジュール・ヴェルヌ)

2050 近未来シミュレーション日本復活


アマゾンのレビューを見ると、本書で提言している日本復活への方策は現実味がないもの、という否定的な意見が多くなっています。その中で異彩を放っていたのが「アメリカを追い越してしまった日本が、新たな目標として未来の日本をお手本にするための本」だという意見です。
英語を公用語にする、出生率回復で人口が1億4000万人になる、という話はたしかに荒唐無稽にも聞こえてしまいますが、戦後の日本が今のような経済大国になるなんて、当時は誰も想像できなかったはず。昔、アメリカに追いつけ追い越せでがんばったように、本書を”お手本”、いわば”希望”にすることで、新しいモチベーションが生まれるかもしれません。

著者:クライド・プレストウィッツ著、小野 智子、村上 博美訳
出版社:東洋経済新報社
出版日:2016年07月22日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/897

工芸大国日本をつくる!(目次より)

日本の工芸を元気にする!


日本の伝統工芸は現在、300の産地、約1200の工芸品があると言われていますが、生産額はわずか8,000億円。ほとんどが苦戦している状態です。
こうした状況を変えるべく立ち上がったのが、中川政七商店13代目当主の中川政七氏。まずは自社のブランドを立て直した後に、同じような工芸品メーカーの再建に次々と着手し、成功に導いています。本書で描かれているのはもちろん工芸品ではあるものの、マネジメントやブランディングの手法はどの会社でも通ずるもの。日本を元気にするノウハウが盛りだくさんの一冊です。

著者:中川 政七
出版社:東洋経済新報社
出版日:2017年03月9日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1169

挑戦のすゝめ

日本3.0
2020年の人生戦略


産業界では、IoTを中心としたインダストリー4.0、つまり第4次産業革命が訪れてると言われています。では日本はというと、著者によれば明治維新後、70年周期で、革命が起きているとのこと。
その境目となるのが、2020年の東京オリンピック。これが団塊の世代の卒業式となり、現在の30代が力を発揮するチャンスが巡ってくるといいます。その時に日本はどうなっているのか?そしてどんな行動を起こすべきなのか?激動の「日本3.0」時代を生き抜くための指針となる本です。

著者:佐々木 紀彦
出版社:幻冬舎
出版日:2017年01月25日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1101

ニッポンのいいところ、再発見!

在日中国人33人のそれでも私たちが日本を好きな理由


自分のことは、なかなかわからないもの。他人に言われて初めて気づいた魅力だって、あると思います。それはきっと、国も同じ。「隣の芝生は・・・」とはよく言いますが、中にいると良いところというのは見えにくいものです。
そこでぜひとも読んでいただきたいのが本書です。日本嫌いといわれている中国人が、なぜ日本で暮らし続けているのか。その理由はもしかしたら、思ってもみなかった日本の魅力の発見に繋がるかもしれません。

著者:趙 海成著、小林 さゆり訳
出版社:CCCメディアハウス
出版日:2015年03月29日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1023

記事作成:宮本 雪

本の要約サイト フライヤー

本連載は、1冊10分で読めるビジネス書の要約サイト「flier(フライヤー)」の記事をもとに再構成したものです。

フライヤー

ノマドジャーナル編集部
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