「派遣だけでなく、副業でも稼ぎたい」「派遣社員で働いているけれど、副業でもやってもう少し稼ぎたい」「でも、問題にならないか心配だなぁ」そう思っている方もたくさんいらっしゃるかと思います。

副業禁止が世の中でいわれている中で、派遣社員の方もその声には敏感になるでしょう。会社の就業規則で禁止されているなど、さまざまな声を聞きますね。しかし、実際のところどうなのでしょうか?

そこで今回は、派遣社員の方が副業に取り組んでも問題ないのかまとめました。

派遣会社の就業規則は?

派遣社員の皆さんにとってまず押さえておきたいポイントは、所属している企業はどこかということです。派遣先の企業を所属先と勘違いされている方もなかにはいらっしゃいますが、基本的には、皆さんが登録している派遣会社が所属先となります。

皆さんが働くにあたりもっとも気にかける必要があるのは、この派遣会社の就業規則です。労務規定や派遣先での規則遵守などが書かれています。もちろん副業に関しても、この派遣会社の就業規則に従う必要があります。

それでは、実際に派遣会社の就業規則に、副業禁止に関する文言は含まれているのでしょうか?ここでは、インターネットでオープンになっていた3社の就業規則を確認しました。

調べた結果、どの会社も副業を禁止する規定らしき文言は書かれていませんでした。唯一パソナに関しては、派遣先での勧誘活動を禁止しています。勧誘行為を行うような副業については避けた方がよいでしょう。

ただ、正社員のように副業に関して規定が設けられている訳ではありません。基本的に、派遣社員が副業を行うのは問題ないと理解してよいでしょう。

派遣社員が副業しても大丈夫な理由は?

派遣社員の副業について

日本では、憲法で「職業選択の自由」が保証されています。そもそも法律で副業を禁止しているわけではないのです。しかし、理由は不明のようですが、正社員については、厚生労働省の「モデル就業規則」で副業規定が設けられています。その関係で、世の中では「副業禁止」という常識が通ってしまっているようです。

ちなみに、派遣社員の副業の件については、以下のテンプスタッフのホームページで詳しく説明されています。

テンプスタッフ:派遣と副業は両立できる?

もちろん、副業を行う際には、派遣業務に差し障りのないものを選んで行う必要があります。理想は、在宅で時間の融通がきくものがよいでしょう。また、在宅でない場合も、シフトを柔軟に選べるものを選択することが望ましいといえます。一時的にお金が欲しいという方は、単発のお仕事を副業として取り組むのもひとつの手です。

このように派遣業に支障がないように気をつければ、副業をしても問題になりません。

就業先の就業規則との兼ね合いは?

派遣先の就業規則で副業を禁止している場合があります。もちろん、派遣社員もその職場で働く以上は気にした方がよいでしょう。ただし、あくまで派遣元の就業規則が優先されることを忘れないでください。副業に関して派遣元の就業規則で規定されていなければ、派遣先の就業規則で禁止されていても問題はありません。

ただ、派遣先で副業をやっていることは、あまりオープンにしない方がよいでしょう。派遣先の社員の中には、副業をやりたくてもできない人がいます。そういう人からみれば、副業ができることが妬ましいかもしれません。派遣先での空気を読みながら、副業に取り組むのがよいでしょう。

派遣元の就業規則をあらかじめ確認する

ここまで、派遣社員と副業の関係についてまとめてみました。基本的には、派遣会社がスタッフに対して副業規定を設けていることは少ないのが実情です。ただし、念のため派遣会社の就業規則を確認してみることをおすすめします。どうしても不安な方は、派遣会社の方に相談してみるのもよいかもしれません。

もし副業可能であれば、まずは業務に支障をきたさない範囲で、副業に取り組んでみてはいかがでしょうか。

副業に取り組むことで、収入を派遣社員としてのお仕事以外から得ることができます。仮に派遣社員の契約が打ち切られても、副業からの収入があれば精神的に安心することができるでしょう。また、副業がうまくいけば、派遣社員として働く必要もなくなるかもしれません。そう考えると、副業に前向きに取り組めるようになるでしょう。

自らの将来のためにも、副業を検討してみてはいかがでしょうか。

執筆者:山田 雄一朗

大学院で経営工学の修士号を取得した後、IT企業で営業として6年の職歴を経験。リサーチ力を強みとしたライターとして活動中。主にITや経営、マーケティングに関わるビジネスコラムを執筆している。