前回は、「リモートワーク」の副業のひとつであるIT・クリエイティヴ系の仕事についてご紹介してきました。今回は同じくポピュラーな副業である、物販系のリモートワークについてお話したいと思います。
副業のパターン 5.物販系
物販とは、文字通り「物を販売して稼ぐ」仕事の総称です。もちろん自分でリアルな店舗を構え、本格的なビジネスとする方法もありますが、それは副業では難しいのが現実でしょう。
しかしIT社会の進展により、一般人もインターネットによる物販ができるようになりました。リアルな店舗を構えなくても、ウェブサイトを自分のお店代わりにして、ビジネスを始めることが可能になったわけです。
ネット物販は初期投資の費用が安くて済みます。リアル店舗を構える必要もなく、従業員を雇用しなくてもいいので、個人が副業で始めるにはもってこいのビジネスなのです。
(本格的にネット物販をする人の中には、実際に店舗を設けたり、スタッフを雇っているケースもありますが、そこまで行くともはや副業とは言えないレベルです)
このようにローコストで始められるネット物販は、だれにでも着手できる副業です。とはいえ、お金を稼ぐというのはそう甘いものではありません。ネット物販で稼ぐにはそれなりのコツが必要で、人によって向き不向きも当然あります。
ネット物販の副業にはどんなものがあるのか? 効率よく稼いでいくには、何が必要なのか? いまからじっくり考えていきましょう。
ネット物販の種類
ネット物販とひと口に言っても、いくつかのパターンがあります。代表的なものは「ネットオークション」と「せどり」になるでしょう。連載第6回のおさらいになりますが、簡単に触れておきましょう。
・ネットオークション
インターネットを利用して、オークション形式で物品を販売するビジネスです。近年は「ヤフオク!」などのオークションサイトがとても盛んになっており、誰でも簡単に参加できます。
一般的な売り方としては、スタート価格を設定して出品し、期間中に最高額で入札したユーザーに販売します。
ネットオークションは自由に物が売れるうえ、初期費用もかからないのも利点で、副業として大きな可能性を秘めています。とはいえ、この分野で稼いでいくのもそう簡単ではありません。設定価格で入札者が現れる保証はないですし、品物がユーザーに見向きもされないことだってあります。
・せどり
購入したものを転売し、その利ザヤで儲けることを「せどり」と言います。「安く買って、高く売る」ことができれば、大きな利益を上げられるわけです。
とはいえ、これまたそう簡単なことではありません。ネットオークションと同様に、経験を積んで、コツをつかむことが必要です。
ネット物販は仕入れが命!
それでは今回も体験談のご紹介です。ネット物販でもっともポピュラーなネットオークションについて、見ていきましょう。
ネットオークションを利用する
(「主婦の副業navi」より)
副業を頑張る主婦の方の体験談です。ネットオークションで意欲的に稼いでいる彼女は、仕入れに関していくつかのコツを紹介しています。
まずひとつ目が、古着屋での掘り出し物ゲットです。
「仕入れ方法は何種類かあるのですが、一つ目は巨大古着屋に行き、ひたすらにブランド物を掘り出します。お店側も有名ブランドは知っているので、良い値段が付いていますが、マイナーなブランドであればいくらでも安値で仕入れをする事ができ、良い時でダウンジャケットを500円で仕入れ、落札金額は14000円。巨大古着屋も捨てたもんではありません!」
思わず「なるほど!」とうなってしまう、仕入れの知恵が披露されています。
古着屋の側も、メジャーブランドの古着は主力商品なため、高い値段をつけています。しかしマイナーブランドの服は、売れ残りを避けるために、安値で売るケースも多くあります(売れ残って在庫になるのがいちばん困るからです)。
こうしたマイナーブランドの古着を安く仕入れ、ネットオークションで高く売り抜けることができれば、利ザヤがとても大きくなります。
そして仕入れのコツの2つ目が、フリーマーケットです。ここでも熟練者ならではのノウハウがあります。
「二つめの仕入れ方法はフリーマーケットです。このやり方は、有名古着屋でもやられている、有名な仕入れ方法です。9時に開催であれば6時頃から現場に行き、売る方の了承を得て(大体はOK)フリーマーケットが開催される前に、品物を見せてもらい、仕入れてしまうんです」
フリーマーケットは大らかなフィールドなので、開催時間前に出品者と交渉することもできます。掘り出し物が売れてしまう前に、しっかり押さえておくのがベターでしょう。まさに仕入れは「先手必勝」なのです。
またフリマは通常のお店と違い、値下げ交渉も可能です。フリマの特徴に合わせて仕入れを工夫すれば、掘り出し物を安く入手できる可能性が高くなります。
以上見てきたように、ネット物販は少ない元手で始められる一方、着実に稼ぐためにはコツをつかむ必要があります。熟練者の話に学びつつ、仕入れから販売までの流れを自ら経験し、ノウハウを身につけていくべきでしょう。
記事制作/欧州 力(おうしゅう りき)