インターネットの世界的普及、ブロゴスフィア(すべてのブログとその繋がりの総称)と呼ばれる大量のブログと、それを運営する大量のブロガーの登場などにより、世界的に写真のニーズが高まっています。ブロガーやウェブパブリッシャーのニーズに対し、写真コンテンツを販売するオンライン・フォトマーケットが台頭してきています。今回は、写真を売るという副業について書いてみます。
■台頭著しいオンライン・フォトマーケット
アメリカの主婦・フリーランサーのアンジー・ネルソンさんが、ネットで写真を販売するコツを説明しています。アンジーさん自身もネットで写真を販売し、収入を得ているのですが、彼女によると、最近のアメリカでは次のカテゴリーの写真のニーズが高まっているそうです。
- 人物の写真
- 職場の写真
- 旅行の写真
- 都市の写真
- クローズアップフォト
- 物体の写真
- 自然の写真
- 動物の写真
著作権などの知的所有権にうるさいアメリカでは、写真の著作権についても取り扱いがナイーブです。アクセスが多い人気サイトともなれば、うっかり他人の写真を無断で使用していたとなれば大問題になります。それゆえ、アメリカのブロガー達は、ある程度のコストを負担してでも写真をオンライン・フォトマーケットで購入するのです。
写真を販売する側からすると、上のようなカテゴリーの写真を積極的に撮影すべきという事になりますが、アンジーさんは、主なオンライン・フォトマーケットの、これらのカテゴリーにおけるトップセラーがどのような写真であるのかをチェックする事を勧めています。
■写真はいくらで売れるのか?
では、オンライン・フォトマーケットで写真はいくらで売れるのでしょうか。
<Fotolia>
アドビが買収したオンライン・フォトマーケットFotoliaでは、クレジットという単位で写真が売買されています。1クレジットは1.4ドル(約150円)で、フォトグラファーの取り分は20-63%です。Fotoliaは、販売額に応じてフォトグラファーをランキングしていますが、ランキング1000位程度のフォトグラファーの収入が300ドル(約33,000円)程度だそうです。
<Shutterstock>
人気オンライン・フォトマーケットのShutterstockでは、フォトグラファーの取り分は20-30%です。Shutterstockは写真の独占販売を行っていないので、ほとんどのフォトグラファーが複数のオンライン・フォトマーケットで同時に販売しているそうです。Shutterstockでは、登録する写真数と収入が比例する傾向にあり、200枚程度の写真を登録すると100ドル(約12,000円)程度の収入が得られるそうです。
<iStockphoto>
iStockphotoでのフォトグラファーの取り分は15%ですが、iStockphoto限定で登録すると22-45%に増えます。ただし、多くのフォトグラファーは他のオンライン・フォトマーケットにも並行して登録しているようです。iStockphotoで得られる収入は、Shutterstockとほぼ同じのようです。
■基本は写真の登録数、粗製乱造はダメ
オンライン・フォトマーケットでの写真販売ですが、基本は写真の登録数です。いずれも最低100点位登録しないと中々お金にならないようです。写真の登録数が増えてくると、それに呼応して売上が上がる可能性が増えてきます。
ただし、登録する写真のクオリティをある程度キープする必要はありそうです。アンジーさんも、オンライン・フォトマーケットに登録する写真のクオリティを確保するために、カメラも最低DSLRクラスのものを用意し、三脚、ライトテントなどの備品も揃えるようアドバイスしています。
結局のところ、いたずらに写真を粗製乱造してオンライン・フォトマーケットに登録するだけでは、期待する結果は得られないかも知れません。登録される写真の全体数が増えるという事は、その分だけ競合が増えるという事です。膨大な写真の中でキラリと光り、存在感を示すには、写真のクオリティで差別化する必要があります。写真を売るという仕事についても、やはり楽をして儲ける事は難しいようです。
参考サイト
https://theworkathomewife.com/13-places-to-sell-your-photos-online/
記事制作:
代表 前田健二