私には縁がないのですが、世には絵を描く才能を持った人がたくさんいます。絵を描く事、一般にイラストレーションと呼ばれるものですが、イラストレーションをお金にする方法を、イギリスのイラストレーターのアレックス・マザーズさんが解説しています。今回は、イラストレーターが稼ぐ方法を学びましょう。

■手っとり早いのはオンライン・フォトマーケット

前回紹介したオンライン・フォトマーケットの多くでは、写真に加えてイラストレーションの販売も可能です。アレックスさんは自身が描いたイラストレーションをiStockphoto.に登録し、お金を稼いでいるそうです。これまでに350の作品を登録したところ、ユーザーにリピートしてダウンロードされるようになり、最大で月に1,300ドル(約143,000円)稼げるようになったそうです。

 

アレックスさんはまた、iStockphotoで自身のイラストレーションをダウンロードしてくれた人とやり取りし、どのようなイラストレーションのニーズが大きいのか調査しました。そして、ユーザーのニーズに合わせてイラストレーションを改良し、顧客満足度の向上に努めたそうです。イラストレーションのマーケットにはユーザーとイラストレーターとの間にニーズのギャップがあり、それを埋める事で収益が得られるとアレックスさんは主張しています。

■イラストレーションでコミッションを稼ぐという手も

オンライン・フォトマーケットに登録する以外に、イラストレーションでコミッションを稼ぐという手もあります。コミッションとは、広告代理店や広告主がイラストレーションを使用する毎にお金をイラストレーターに払う仕組みです。コミッションの額はクライアントとの話し合いで決まりますが、他の労働市場と同様、イラストレーターの人気や実力などで大きく変わります。

 

この種の仕事を獲る方法ですが、広告代理店に自分を売り込む方法と、自分で直接広告主に売り込む方法があります。アレックスさんによると、広告代理店まかせにするやり方は、仕事がもらえる確度が確保出来ず、収入が不安定になりがちになります。よっておすすめは、自分で直接広告主に売り込む方です。アレックスさん自身、これまでにBBCソニーGoogleなどに自身の作品を持込み、見事採用されたそうです。

 

コミッション方式で得られる収入ですが、アレックスさん自身、これまでに23万ドル(約2,530万円)ものお金を稼いだそうです。

■オンラインショップはどうか?

アレックスさんはまた、他のイラストレーターが描いた作品も販売するオンラインショップも立ち上げました。Ape on the Moonと名付けられたオンラインショップはブログに併設され、最大34万PVを集めるまでに成長しました。イラストレーターとアレックスさんの取り分は50:50でしたが、作品はほとんど売れなかったそうです。作品をデジタルデータで販売するのではなく、作品として販売していたため、顧客の送料負担が大きく、顧客に受け入れられなかったからです。

 

作品をデジタルデータで販売するには、著作権管理システムなどを導入する必要もあり、投資コストが大きくなってしまいます。アレックスさんのオンラインショップは、わずか200ドル(約22,000円)程度の売上を上げただけで閉鎖されました。

 

現代はインターネット社会ですが、イラストレーターが自分の作品を最も高く売れる場所がインターネットの外の世界にあるというのが興味深いです。リアル社会で自分の作品を売るに際し、アレックスさんはくれぐれも広告代理店まかせにせず、自分自身でマーケティングし、クライアントに直接売り込む事を盛んにアドバイスしています。イラストレーター自らのダイレクトマーケティングが、一番お金につながるという事なのでしょう。

 

参考サイト

http://www.redlemonclub.com/11-ways-ive-made-money-last-8-years-illustrator-consultant/

 

記事制作:

ジャパンコンサルティング合同会社

代表 前田健二