アメリカで各業種・各職種の給与額を調査しているペイスケール社が、アメリカでもっとも高時給の副業ランキングを公開しています。今回はそのランキングを見てみましょう。

■最も高時給なのはDJ

アメリカでもっとも高時給の副業はDJ、ディスクジョッキーです。その額なんと65.7ドル(約7,227円)、高級弁護士並みの時給です。ところで、アメリカではDJの求人は多いのでしょうか。日本では想像が難しいですが、アメリカでは各種のイベント、ナイトクラブ、カラオケ付きバーなどでDJに対する一定の需要があります。また、ラジオで番組を担当するラジオDJに対しても一定の求人ニーズがあります。アメリカ人が通勤途中に聞くラジオ番組の多くにも、複数のDJが登場します。

 

ところで、DJになる方法ですが、アメリカのキャリアプランニング支援サイトStudy.comによると、DJになるには最低大学で放送ジャーナリズムかコミュニケーションの学位を取得する必要があるそうです。ラジオDJを目指すのであれば、放送法、放送倫理学、ラジオプロダクション、サウンドプロダクションなどをそれぞれ履修する必要があるそうです。DJと言えばラッパーのようなイメージを日本人は持ちがちですが、アメリカのDJは立派なプロフェッショナルとして扱われています。

■ミュージシャン、写真家、メーキャップアーチストも高時給

DJに次いで高時給なのがミュージシャン・シンガーです。平均時給は43.4ドル(約4,774円)です。ミュージシャンが活躍する裾野が広いアメリカでは、様々な場所でミュージシャンが求められています。一方で、ミュージシャンの業界は競争が激しく、なかなか仕事を獲れない人が多いのも事実です。

 

前述したStudy.comは、ミュージシャンとして仕事を得るには、出来るだけ多くのコンタクトポイントを持つようにアドバイスしています。エージェントやマネジメント会社に接触し、仕事があれば何でも回してくれるよう依頼する。オーディションの情報を常にチェックし、参加できるオーディションにはすべて参加する。人脈のネットワークを出来るだけ広げ、色々なところから仕事の情報が入って来るようにする。ミュージシャンの仕事も、待っているだけでは仕事をゲット出来ないようです。

 

なお、ミュージシャンに次ぐランキングですが、3位写真家(36.2ドル)、4位メーキャップアーチスト(34ドル)、5位ピアノの先生(31.2ドル)、6位ピラティスインストラクター(26.3ドル)、7位通訳(25.5ドル)、8位パーソナルトレーナー(23.1ドル)、9位ダンスの先生(22ドル)、10位ハンディマン(21.6ドル)となっています。

■稼ぐDJは4,850万ドルも

アメリカの経済誌Forbsによると、昨年一年間でもっとも稼いだDJはスコットランド出身のDJ、カルヴィン・ハリス氏で、その額なんと4,850万ドル(53億3,500万円)。にわかには信じられない金額を稼いでいます。

 

ハリス氏は、他の多くのDJのようにナイトクラブやラジオ局で働くのではなく、スタジオDJとしてアルバムを制作しています。三番目にリリースしたスタジオアルバム「18 Months」がイギリスのアルバムヒットチャートにランクインし、世界的な大ヒットにつながりました。以後、イギリスとアメリカを拠点にスーパーDJとして活躍しています。

 

ハリス氏は、一般的なDJというよりは、DJ風アーチスト兼音楽プロデューサーと言った方が実態に近いかも知れませんが、一般的なDJが63.7ドルという時給を得ている一方で、DJの中には、ハリス氏のように巨額の収入を得ている人もいるのです。

 

戦略の違いか、仕事についての考え方や姿勢の違いか、能力の違いか、働く環境の違いか、努力の差か、運か。何が両者に違いをもたらしているのか、秋の夜長にじっくりと考えてみてもいいかも知れませんね。

 

参考サイト

http://study.com/articles/Become_a_Disk_Jockey_Training_and_Career_Roadmap.html

http://time.com/money/4994887/highest-paying-side-hustles/

https://www.highsnobiety.com/2017/08/09/highest-paid-dj-2017-calvin-harris/

 

記事制作:

ジャパンコンサルティング合同会社

代表 前田健二