映画の都ハリウッド。ハリウッド大通りを中心に、市内の至る所でテレビ局や映画スタジオが目につきます。撮影場所としても使われ、映画やテレビドラマの撮影が日常的に行われています。そんなハリウッドを抱えるロサンゼルスに住むタニヤさんが、テレビ・映画のエキストラの仕事について語っています。

■エキストラ出演はエージェント経由で

小さい時からテレビに出演したかったというタニヤさん。テレビ好きが高じてロサンゼルスへ引っ越し、知人のテレビ番組脚本家を訪ねたところ、エキストラとしてテレビドラマに出演しないかと持ち掛けられたそうです。即座にOKしたタニヤさんは、まずはエキストラを管理するエージェントで手続きするよう言われました。

 

エージェントへ出向いたタニヤさんを待っていたのは膨大な量の契約書とコスチュームの山。エキストラにもコスチュームが与えられるのにまず驚いたそうです。契約書は、出演者とのトラブル回避に努めてきたハリウッドのリスクマネジメントの一環なのでしょう。なお、タニヤさんが出演するテレビドラマには、100名ほどのエキストラが配役されたそうです。

■トレーラーの中で声がかかるのを待つエキストラ

テレビドラマの撮影は集中して行われます。複数のエピソードのためにいくつものシーンが続けて撮影されます。あるドラマの、レストランでのシーンに投入される事になったタニヤさん、撮影の瞬間まで大型トレーラーの中でひたすら待たされます。冷房完備の、食べ放題のスナックと飲み物が用意されたトレーラーの中で緊張しながら待っていると、突然クルーの声がかかります。出番です。

 

レストランで男性と食事をするシーン、主役の背後のテーブルでのシーンです。エキストラのタニヤさんは、別の男性エキストラ、まったくの赤の他人の男性と、あたかも古くからの知人のようにおしゃべりしながら食事をします。撮影は何度も行われますが、ほとんどが編集で没になるそうです。エキストラとしては、あくまでも「普通に」食事をする事が求められるそうですが、それがなかなか難しい。タニヤさんは今では、テレビドラマで似たようなシーンを見るたびに笑いがこみ上げてくるそうです。

■拘束時間は長く、報酬は…

エキストラの仕事をする上で注意する点は、拘束時間の長さだとタニヤさんは言います。撮影時間は長く、多くの場合朝の8時から夜の9時位まで拘束されます。ベテランのエキストラになると、トレーラーの中で時間をつぶすため、ラップトップコンピューターや学校の宿題を持ち込む人もいるそうです。

 

エキストラの仕事をしていて美味しいのは、用意される食事が豪華な事です。エキストラを含む出演スタッフには毎日新鮮で豊富な食事が用意され、タニヤさんは撮影日に一週間分の栄養を摂ったそうです。

 

気になる報酬ですが、これは恐ろしく安く、タニヤさんが受け取るのは日給で65ドル(約7,150円)だそうです。それでも、その日の報酬はバーで喫煙者の隣に座る客の役だったので、5ドルプラスされているそうです。実際のところ、これだけの報酬では食べてゆくのは難しいかも知れません。

 

テレビドラマに出演した事で、タニヤさんには他のプロダクションからも声がかかるようになりました。タニヤさんはその後、クイズ番組の聴衆エキストラ(出演者のリアクションに応じてざわめいたりする役)や、フードネットワークの料理番組で出演者の料理を試食する観客の役などをオファーされたそうです。

 

報酬は安いものの、それでもタニヤさんはエキストラの仕事を楽しんでいるようです。映画の都ならではの仕事かもしれませんが、テレビ・映画好きの人なら、一度位はやってみてもいいかも知れませんね。

 

参考サイト

http://makemoneyyourway.com/make-money-as-an-extra/

 

記事制作:

ジャパンコンサルティング合同会社

代表 前田健二