私たちは「ビジネスマンが読む小説」というと、どのような作品を思い浮かべるでしょうか。

ビジネスマンによく読まれているビジネス書としては、日本でもなじみのある名前は、ドラッカー、マイケルポーター、ジム・コリンズ、クレイトン・クリステンセンなどがあると思いますが、小説ではどうでしょうか?

日本でよく聞くのは、歴史小説でしょうか、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」「坂の上の雲」は経営者でもよく読まれています、また、経済小説では真山仁、高杉良、黒木亮、山崎豊子などが定番です。

リーダーシップ、起業家精神やキャリア設計について学ぼうとしているとき、フィクションにも実は教えられることがあります。

ここでは、あえて米国での紹介記事を取り上げます、いくつかは翻訳版がないのですが、日本でもよく知られている小説もあります。これを機に原書を手に取ってみるのもいいかもしれません。そんな、10冊の小説を紹介します。

1 「私たち崖っぷち」

(原書 ’Then We Came to the End’ by Joshua Ferris)

2007年出版の米国の作家ジョシュア・フェリスの小説。不景気のシカゴの広告代理店でリストラの危機にさらされる従業員たちの群像劇。

全くそりの合わない同僚とでさえ親友になる方法を鋭い洞察から教えてくれます。そして困難な仕事の成し遂げ方も教えてくれるでしょう。

2 ’How to Get Filthy Rich in Rising Asia’ by Mohsin Hamid

2013年出版、マッキンゼーでコンサルタントとして働く間に2作の小説を執筆したというモーシン・ハミッドの小説です。Twitterの大株主として知られる著名投資家クリス・サッカ氏によると、シリコン・バレーにいるなら誰もがこの小説を読まなければならないそうです。東南アジアのスラムで育った男性が、そこからビジネスで大成功するまでの物語です。無一文から大金持ちになったという実話よりも、現実的に成功するために必要な野心を描いています。

3 「白鯨」

(原書 ’Moby Dick’ by Herman Melville)

1851年に発表されたハーマン・メルヴィルの長編小説。日本でもよく知られている古典作品です。捕鯨船の船長のエイハブが、モビィ・ディックと呼ぶクジラに執心して身をほろぼしていくのを船員のイシュメイルの視点から語られます。

ちなみに、コーヒーチェーン「スターバックス」の名前の由来は、本作の一等航海士スターバックであることは有名ですね。

4 「崩れゆく絆」

(原書 ’Things Fall Apart’ by Chinua Achebe)

1958年出版のナイジェリアの作家、チヌア・アチェベの小説。この小説は、イギリスの植民地主義が広がるなかで、ナイジェリアの架空の村とその村長がキリスト教の宣教師の影響からコミュニティを守ろうと戦う話です。

そして、強い指導者を作ることと指導者の野心とグループの利益が対立したとき起こる問題を提起してくれる話でもあります。

5 ’A Hologram for the King’ by Dave Eggers

近年、アメリカで最も注目されている作家のひとりといわれているデイブ・エガーズの2012年出版の小説。不況のなか、自営のコンサルタントのアラン・クレイは生活のためにサウジアラビアの王族に新技術を売り込みに旅に出ます。

クレイの苦闘は海外でビジネスをするとはどういうことなのか、仕事が上手くいかなくなったときに人はどう感じるかをみせてくれます。

6 「ドン・キホーテ」

(原書 ’Don Quixote’ by Miguel de Cervantes)

1605年出版のスペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスの小説。ドン・キホーテは16世紀のスペインの郷士で、騎士道の物語に熱中しすぎて自分自身を騎士だと思い込み世直しの旅に出てしまいます。

物語を通して、ドン・キホーテは起業家精神を体現し、そして自分の考えが非現実的で、障害が立ちはだかろうとも社会をよくすることができるということを示してくれます。

7 「なにかが起こった」

(原書 ’Something Happened’ by Joseph Heller)

1974年出版の米国の作家ジョゼフ・ヘラーの小説です。ビジネスマンのボブ・スローカムになにかが起こり、彼の幸福に対する感覚がむしばまれていきます。

仕事上の成功が必ずしも個人の充足につながるわけではない。あるハーバード・ビジネス・スクールの教授は学生に講義をとる前に読むようにすすめています。

8 「グローバリズム出づる処の殺人者より」

(原書 ’The White Tiger’ by Aravind Adiga)

経済ジャーナリスト出身のアラヴィンド アディガによる2008年度のブッカー賞(イギリスの権威のある文学賞)を受賞した小説です。バルラムというインドの起業家がインドを訪問予定の中国の首相あての手紙として、自らの人生を綴る形で物語が語られます。

仕事と経済的な成功に対する欲求がどれほど強力なものであるかを、そしてその成功までの道のりがいかに長いものかを示してくれます。

9 「プラダを着た悪魔」

(原書 ’The Devil Wears Prada’ by Lauren Weisberger)

2003年4月出版の米国のローレン・ワイズバーガーによるベストセラー小説です。日本では映画を見られた方も多いのではないでしょうか。ジャーナリスト志望の新人が悪魔のような上司のもとで奮闘する姿を描いています。

多くの人はこの主人公のように、情熱や尊厳と魅力的な経歴のどちらを取るかの葛藤に悩まされるでしょう。

読み終わる頃にはどんな困難な問題でも乗り越えられる気にさせてくれます。

10 「蝿の王」

(原書 ’Lord of the Flies’ by William Golding)

1954年出版のイギリスのウィリアム・ゴールディングの小説です。飛行機が墜落して無人島に取り残された少年たちが生き残るために協力し集団で行動するが、徐々に亀裂が生じていきます。リーダーとフォロワーの関係性、チームワークと個性のバランスのなかで生じる問題を提示してくれます。

気になる本があった方や時間のある方は、ぜひこの機会に手にとってみてはいかがでしょうか?

ノマドジャーナル編集部

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