アサーションは自分らしく生きることにつながる考え

自分も相手も大切にする表現方法を鍛えるアサーショントレーニングが注目されています。子供の成長期にはとても大切ということから、小学校や中学校で採り入れられるほか、企業の研修にも採用されています。

経験や技術も大切です。しかし、人間的に成長することで、他の社員や社外とのやり取りがスムーズに運び、よい成果を出しやすくなります。今回はアサーショントレーニングとは何か、そして具体例から導入の仕方までをみていきましょう。

アサーショントレーニングとは?

アサーションは自己表現のこと

アサーション(assertion)は、英語で「主張」「断言」という意味です。自己主張や断言をコントロールし、「自分のことも相手のことも大切にする」コミュニケーション方法のことを、アサーションといいます。

行動療法の一種であるアサーションは、1970年代に「You Perfect Right」という本がベストセラーになり、広がりました。人種差別や人権問題を無くし、どんな人でも平等に自己主張できる方法を学ぼう、という内容でした。

アサーショントレーニングで自分も相手も大切にする

世の中には、自己主張がうまい人もいれば、自分の意見を言わずに相手の意見ばかり聞く人もいます。アサーショントレーニングでは、人を3つのタイプに分けて、相手を尊重しながら、うまく自己主張をしていく方法を学びます。3つのタイプは以下になります。

  • アサーティブ
  • ノンアサーティブ
  • アクティブ

異なる性格の人たちとも、よい人間関係を築くためには、相手のタイプに合わせて意見の言い方を変えたり、相手は自分と違う考えを持っていることをまず理解することが大切です。

ドラえもんのキャラクターがわかりやすいと話題

前述したように、アサーションを考えるうえで、人間は3つの異なるタイプに分けらことができます。ドラえもんのキャラクターに当てはめると理解しやすいと話題にもなりました。

  • 一人目は、アサーティブタイプとして、しずかちゃん。自分のことも大切にしますが、他人への配慮も忘れない自他尊重型です。
  • 二人目は、ノンアサーティブタイプとして、のび太。自分よりも他人を優先してしまい自己主張しません。
  • 三人目は、アクティブタイプとして、ジャイアン。このタイプは攻撃的で、他人の意見を軽視しがちです。

アサーショントレーニングでは、しずかちゃんタイプのアサーティブを目指します。

トレーニングの事例・具体例・導入例

小学校・中学校でも導入されている

思春期の子供は、自分の主張ばかりを押し通して強い言葉を使ってしまったり、逆に「よい子」になろうとするあまりなかなか自己主張ができなかったり…ということがあります。

そのため、アサーショントレーニングを指導要綱に組み込んでいる小学校や中学校が増えています。

ビジネスの現場に取り入れる方法

一方、ビジネスパーソンに向けたアサーショントレーニング講座を受けに行く会社員や、その講座を社員研修に取り入れている会社も増えています。

うまく自己主張できない方が、講座を受けに行くのはもちろんですが、社員研修のなかで実際に一緒に仕事をしている社員とトレーニングを行うことで、ジャイアンタイプの人間にも意識改革を促すことが可能です。

アサーショントレーニングを学びたい方は本や講座で

本・書籍で学ぶ

アサーショントレーニングを書籍で学びたい場合は、アサーションについて多くの本を出版している平木典子さんの本から始めるとよいでしょう。

「アサーション・トレーニング ―さわやかな〈自己表現〉のために」という本や、持ち運びやすい新書「アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法」などがオススメです。また、子供でも読みやすい図解入りの書籍もあるので、もっとも読みやすいものを選んで読んでみてください。

講座・セミナーで学ぶ

本で学ぶのもよいですが、実践的に学びたいのなら講座・セミナーで学ぶのがオススメ。ロールプレイングを交えたワークショップで体感しながら学べます。

さきほど紹介した平木典子さんが講師としても参画している、株式会社日本・精神g術研究所の主催セミナーは、東京を中心に開催されています。

アサーションで、自分と周りの関係性を変えよう

アサーショントレーニングを習得し、他人の意見を尊重しながらうまく自己表現できるようになれば、自分と周りの関係性はよいものになるはずです。本やセミナーで体得し、ビジネスや私生活のコミュニケーションに活用していきましょう。