ストレスチェックの義務化、皆さんも聞かれたことがあると思います。メンタルヘルス対策のため、50人以上の事業場にストレスチェックの実施を義務付ける「労働安全衛生法の一部を改正する法律」が2015年12月1日に施行されます。景気の鈍化、成果主義による競争の激化、職場の人間関係など、働く人にとって職場環境は厳しさを増しています。そして、その歪みは社員のストレスに繋がっていきます。

より生産性の高い社会を目指すために、職場のストレスを軽減していくためにはどうすればよいのでしょうか?

その一例として一部企業が先進的に行っている制度「社内ノマド化」という取り組みがあります。実践している大手企業も少なくないこの取り組みは、社員をストレスから解放する原動力となるのでしょうか?

尚、メンタルヘルスケアの専門スタッフといえば産業医ですが、ビジネスノマドジャーナルでは、28社で働く産業医である大室正志氏に、問題を抱えた組織の見抜き方や、実は会社への帰属意識が強い社員ほど大きい絶望感を感じるといったお話しを頂いています。

働き盛りの20~40代の人の約6割はストレス状態

今や6割の社員がストレスを抱えている

以下は厚生労働省が5年に1回行っている「労働者健康状況調査」の結果です。「仕事や職業生活でストレスを感じている」労働者の割合については、5-6割程度の水準で推移していることがわかります。

「仕事や職業生活でストレスを感じている」労働者比率の推移

(2012年厚生労働省「仕事や職場でストレスを感じる労働者推移」調査結果)

働き盛りの20-40代の労働者がストレスを感じている

また年代別に見ると次のようになっています。この傾向は、男女ともに共通しています。このグラフからわかる通り、働き盛りの20~40代の労働者に多く見られる傾向である事がわかります。

年代別ストレスを感じている労働者の比率

2012年厚生労働省「年代別ストレス」調査結果

ストレスの内容は、人間関係、次いで仕事の量・質

ではそのストレスの中身は何でしょうか?ストレスの内容を具体的に見ると次の通りです。男性では、人間関係、仕事の質と量の順でストレスを感じていることがわかります。一方、女性では人間関係(48.6%)でストレスを自覚している人が約半数を占め、続いて仕事の質(30.9%)、仕事の量(27.0%)と続いています。

男女について共通で(女性ではより高い割合で)職場の人間関係が最もストレスの元となっていることがわかります。

男性のストレスを感じる項目と割合

2012年の厚生労働省の「性別ストレス要因」調査結果

「社内ノマド」という働き方は社内ストレスの解決になるのか?

そもそもノマドとは?

ノマドとは己の専門領域を生かしどこの企業にも属さず、プロジェクト単位毎に同時に複数社で働く個人の働き方を意味します。

ノマドという働き方は、複数社で流動的に働くことができるため、職場の人間関係が固定されるリスクが低く、且つ自身の専門領域のプロジェクトしか関わらず、働く量も自身の裁量で決められる。人間関係のほかにも仕事の質や量、会社の将来性や昇進などのストレスは低減します。

一方で、ノマドは自身の裁量が求められる故に不安定さと隣合わせでもあるのが現実です。

社内ノマドという働き方はストレスを軽減させ社内活性化の推進力

このような「ノマド」の一定フリーランスのような働き方の良い特性を、社内制度として設けている企業が徐々に増えてきています。社内に属していながらも「ノマド」のような働き方を「社内ノマド」と呼び、あえて社員のデスクを固定せずフリーアドレス制にすることで、好きな場所で気の合う人と一緒に働ける環境を作ります。固定された人間関係やそれに付随する環境を流動化させてストレスを軽減させることができるのです。

「ノマド」として独立した働き方は、会社に付随するストレスからは解放されるものの、「安定感」「将来性」などについて別の不安要素があることは否定できません。独立までいかなくても、上記の社内ノマド化をすることによってワーカーの社内環境に付随するストレスを一部軽減できるのではないでしょうか。

<出典>

ノマドジャーナル編集部

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