アフリカ諸国が直面している大きな問題の一つは、失業率の上昇です。たとえば失業率が最も高いナイジェリアでは、2017年の失業者数は1,100万人。この数字は人口の増加に伴って何千人もの若者が失業していることを示しています。

しかし時代は変わりつつあります。それはより多くのアフリカの若者たちが、従来の雇用形態の外に目を向け始めているからです。インターネットの普及に伴って、アフリカ大陸でもより多くの人々がフリーランスの労働形態を受け入れ始めています。

アフリカのフリーランスの概要

今日フリーランサーは米国労働力の35%、欧州連合(EU)労働力の16%を占めています。アフリカにどのくらいのフリーランサーがいるのか把握することは難しいですが、南アフリカだけをとってみれば、10%ほどだと言われています。

アフリカ大陸のフリーランシングにはまだ欧米ほどの活気はありません。それでも若者の間にこの労働形態は着実に成長し始めています。アフリカのフリーランスの業種には、グラフィックデザイン、翻訳、ライティング、写真、プログラミング、ブログサービスなどがあり、これらは世界の他の地域のフリーランス事情とよく似ています。

インターネットの利用が増加したことで、多くの人がコンピュータのスキルを高め、それらを使って、以前は見つけにくかったサービスタスクを見つけています。またインターネットは海外市場や顧客へのアクセスももたらしました。

フリーランス経済が生まれて起こったこと

アフリカのフリーランス労働は、従来の労働形態との競争を引き起こしています。多くの企業、特に技術部門では、比較的低コストなためにフリーランサーを採用することが優先され始めています。また為替相場の違いは、アフリカのフリーランサーを有利な立場に置いています。たとえば、英国で4〜5年の経験を持つウェブ開発者を雇うのに通常6千ポンドかかるところ、ナイジェリアのフリーランサーを雇えば、コストを6割削減することができます。

フリーランサーの増加に伴い、フリーランス関連のスタートアップも生まれています。アフリカ初のフリーランス・オンラインウェブサイトでは、インタビューや、フリーランサーに役立つヒントを紹介しています。

フリーランス・スタートアップの登場

フルタイムやパートタイムのフリーランス業のために、雇用主とフリーランサーをマッチングする地元のプラットフォームも次々登場しています。

カメルーン

カメルーンのフリーランスプラットフォーム1task1jobは、海外のカメルーン人がカメルーンの労働者を雇って仕事を完成できるようにしています。ここで扱われている職種には一般的なものから、ウェブ開発、ビジネス・金融サービス、法律に関するサービス、セールス・マーケティングまであります。

ナイジェリア

ナイジェリアのJobbermanは、3人の大学生によって立ち上げられた大規模なプラットフォームで、〝失業に対する実用的な解決策の有力プロバイダ″と見なされています。ナイジェリアにはAsuquFreecitiもあります。

南アフリカ

南アフリカのHyperionDevは、エントリーレベルのソフトウェア開発の仕事と学生を照合する目的で、メンターサポートや面接準備を提供する、オンラインのコーディング・ブートキャンプです。起業家にツールや国際的なつながりも与えています。

その他にもスタートアップ向けプラットフォームのDEMO Africaや、女性起業家と若手起業家を経験豊かな指導者と結びつけるMara Mentorなどもあります。南アにはこれらの他にもHoorosMintorといったスタートアップがあります。

ケニア

ケニアのKuhustleも人気です。

これらのスタートアップでは、アフリカのフリーランサーが簡単に市場にアクセスでき、クライアントは適切なフリーランサーを見つけることができます。

アフリカのフリーランスの問題点

しかし、アフリカのフリーランサーはまだ多くの課題に直面しています。基本的な文化設備やサービスにアクセスできないという問題は、依然として大きな課題のままです。電気の供給一つをとっても、場所によっては発電機を使って一定の電力を確保する過程で膨大な費用が発生します。

そして、それにも劣らないもう一つの大きな問題は、フリーランスへの理解不足と人気の欠如です。大陸としてのアフリカは、その人口が多いためにフリーランサーにとって幅広い市場と言えますが、フリーランシングが何であるかを知っているのは、その中のほんの少数のみです。

またアフリカのフリーランサーは、外国の顧客に自らの能力を説得するためのより高い基準に常に苦しんでおり、時にはプロジェクトや顧客を失ってしまうこともあります。

まとめ

現在の商品やサービスの迅速な提供への需要に伴って、アフリカの自由貿易経済はますます拡大しています。サービスの需要も増加しており、フリーランスサービスはますます重要になっています。フリーランスはアフリカの若者の新たなトレンドになりつつあります。

世界の人口の約15%を占めるアフリカ。フリーランサーが直面している数々の課題が解決すれば、この先アフリカ大陸にもギグエコノミーが発展し、これらの若者から革新的な開発が生まれてくることも夢ではないでしょう。

参考記事:https://africanfreelancers.com/2017/11/23/the-rise-of-freelancers-in-africa/

記事制作/シャヴィット・コハヴ (Shavit Kokhav)