今回は、正社員として企業で就業する、このnomad journalを運営するサーキュレーションの紹介経由で副業でBtoC領域のWebマーケティングのプロフェッショナルとして活躍するS様(ご本人の希望で名前は非公開)に、

  • 副業することになったきっかけ
  • 副業で得られたもの
  • 副業時に気をつけたこと

などをお伺いしました。

  • 副業をしてみたい、独立してフリーのプロフェショッナルとして活躍してみたいとお考えの方
  • どんなプロフェッショナル人材がいるのか知りたい経営者の方

にリアルな情報に触れて頂ける内容となっています。

お話を伺った方:幅広い年齢層に対応できるBtoC専門のWebマーケターSさん(30代・男性)

10代~50代までの幅広い層をターゲットとしたtoCのWeb集客のプロフェッショナル。大手ファッションEC運営企業を経て、現在は大手メディア企業に勤務。大手ファッションEC企業ではWebマーケティング専任担当として、一時期流入全体の3割を占めるまでに成長させ、ノウハウを社内に構築。
現職の大手メディア企業では、各種toC向け予約サイトのWebマーケティングによる集客を担当。集客戦略の立案、予算取り、予算配分、代理店コントロールなど、Webマーケティングにおけるポートフォリオの立案・組換えに強く、一例として前年比200%の集客に成功等の実績を誇る。

スキルと報酬にマッチした案件に出会えたから始められた「副業」

――本日はインタビューのお時間をいただき、ありがとうございます。まずはSさんが副業を始めた理由をお聞かせください。

現職の会社では、社員の副業が認められています。既に周囲には副業を始めた人達がいて、彼らに影響されたというのが一番大きな理由です。

本業の業務量に余裕ができた2016年頃から、私も収入アップを目的に副業を開始したいと思い始め、既にサーキュレーション(専門性の高い経験・知見を持つ個人の方に、プロ人材として企業の経営課題解決に関わっていただくサービスを提供)に登録していた前職の知人から「こんなサービスがあるよ」と教えてもらい、2017年に登録しました。それまでは副業の経験はありませんでした。

――副業を支援する企業は複数存在しますが、その中からなぜサーキュレーションをお選びいただけたのでしょうか?

初めは他のクラウドソーシングなどでも副業を探したのですが、Webマーケティングというスキルにマッチした案件や、希望する報酬に合致する案件がなかなか見つからなかったんです。また、当時はそうした案件を持ってきてくれるような人脈もなければ、いきなり素性のわからない個人として企業にアプローチしてうまくいくイメージもありませんでした。

しかし、サーキュレーションはきちんと私のスキルを理解して案件をマッチングしてくれたので、そこに価値を感じたことが大きいです。

――それまでなかなかご自身のスキルに合った案件が見つからなかったとのことですが、「Webマーケティング」という領域自体に副業としてニーズがあるのか、不安に思うことはありませんでしたか?

大手ファッションEC運営企業に在籍していた時に、事業会社内のWebマーケティングに関する知見の実態を見ていたので、ニーズは十分あると思っていました。

ただ、私は全体的なマーケティング戦略を固め、ポートフォリオを組むという業務は得意ですが、反面、SEOやリスティング運用など日々の運用業務には対応しきれません。

その点で不安はありましたが、Webマーケティングで本質的に重要なのは根幹部分の戦略策定だと考えており、十分な需要は見込めると期待していました。

副業を通して自然と上がった「視座」

――Sさんが最近受注された案件について、概要をお聞かせください。

登録から2週間ほどで、コンサルタントの方からネット型リユース事業を展開する企業のECサイト売上強化案件のご依頼を受けました。これまでの経験からECの売上をドライブする要素が何なのかはわかっているので、事前にサイトを見て想定課題を洗い出し、面談の場でお話することで、実際の支援のイメージをお伝えしました。支援中の基本的な業務は、EC担当責任者の方からご相談いただいたアイデアやお悩みの壁打ち相手になる、というものです。このほかにも社内でWebマーケティングの基礎から応用まで教える講習会を開催したほか、サイトのアクセス解析結果をベースに個別施策の壁打ちも担当しました。

――支援中、なにかお困りになったことはありましたか?

正直、現場との信頼関係の築き方には苦慮しました。この案件は、最初に社長様と相談してOKの出た提案を現場で実行する、というフローになっていました。しかし現場からすれば、外部の人間である私が参加することの必然性を十分に理解しづらかったようで、やはり最初は少しギクシャクしました。

そのため対策として、副業に充てる時間の範囲内で積極的にコミュニケーションをとり、地道に信頼を獲得していくようにしました。私のスタンスとしては、「御社のEC業務で不足している知見を補完することにあり、決して仕事を奪う存在ではない」ということを理解いただけるよう努めました。

――そうした副業の経験を通じて、ご自身が得たものはありますか?

本業以外で評価をいただくことで、「会社の外でやっていける自信」はつきましたね。

社内勉強会の実施後、参加者の方から直接お褒めの言葉をいただいたほか、勉強会の動画を社内で共有してもらい、知らない方から「動画見ました!」とお声掛けいただくこともあり、皆さんのお役に立てていると感じて嬉しくなりました。

スキルの面でいえば、より経営的な目線からマーケティングを捉えられるようになりました。

実はもう1件、ファッションECサイトの売上強化案件をサーキュレーションさんからご紹介いただいているのですが、そちらでは経営陣のミーティングにも出席していたので、EC運営だけではなく、「マーチャンダイジングやPR・ブランディングなども考慮した上でのマーケティングのあり方」というところから考えていましたね。マーケティングというものを考える際の視座が自然と上がりました。

副業こそ「待つ」のではなく、自ら「動く」姿勢が大事

――Sさんは今後、どのようなキャリアを目指していこうと考えていらっしゃいますか?

Webマーケティングスキルを活かしたアドバイザーとして、さらに経験を積んでいければと思っています。またWebマーケティングだけでなく、より上流のマーケティングにも挑戦していこうと考えています。独立も考えなくはないですが、他社支援を通じて自分の適性を考えつつ、見極めていきたいと思っています。

――最後に、副業を始めたいと思っている方、サーキュレーションへの登録を検討している方にアドバイスをお願いします。

基本的なことですが、仕事に対して「待ち」ではなく、自ら主体性を持って提案していくことが大事だと思います。副業だからこそ、結果を残そうとする姿勢や、現場の方と信頼関係を築こうとする姿勢が支援先企業との良好な関係構築や成果を上げるポイントだと感じます。

本業に軸足を置いて一定の安心感を持ちながら、新しいことにチャレンジする副業スタイルは、僕のように「いきなり独立とは考えていないけれど……」というタイプの方にはとてもバランスのよい働き方だと思います。

プロフェッショナル人材として活躍するためのTIPS

――1日のスケジュールは?

本業の勤務時間がだいたい朝10時から夜8時までで、副業はたいてい土日の夜にまとめてやって、残った業務は平日の夜に対応するというスタイルです。案件によりますが土日の作業時間は2、3時間程度です。土日の昼間、家族と過ごす時間はきちんと確保できています。

――本業と副業の頭の切り替え方は?

平日昼間は本業に集中し、土日に副業というスタイルなので、基本的に混同はしません。

あとは、セキュリティ上、クライアントによってPCを使い分けるほか、SlackやChatWorkなど業務連絡用ツールも変えて対応しています。

――ご自身を高め続けるために意識していることは?

本業では、Webマーケティングに限定せず幅広い業務にチャレンジし、新しい領域の知識をインプットすることを心がけています。一方で副業は、自分の蓄積してきたスキルや知識を使って成果を出すアウトプットの場の意味合いが強いので、そこで自己研鑽のサイクルが回っています。

編集後記

Sさん(30代・男性)は6歳と3歳のお子さまを持つお父さんです。

土日の夜をメインに副業に時間を使いながら、土日の昼間は子どもの時間と決め、しっかりと家族との時間も大切にされているのが印象的でした。

今回のインタビューでわかった副業成功のポイントは3点です。

  • 正社員として磨き上げた特定の強みを、他社支援でアウトプットする。
  • エージェントを経由して企業との面談に進む場合でも、その領域のプロ目線から見た想定課題や支援のイメージを伝える準備をしてから臨む。
  • 自ら支援先企業の現場メンバーに主体的に関わりにいき信頼関係を築く。

今後ますます加速していくとみられる副業解禁。

その流れをうまく利用し、人生100年時代と言われる長い人生の中で、働き方を自由に選択できるようになるために、今から副業を開始し成功実績を多数持つことは、大きなリードになるかもしれませんね。

サーキュレーションでは引き続き、副業したいプロフェッショナル人材の皆様と企業のマッチングを行なって参ります。

取材:井竹萌