たとえば、歩いてほぼ同じ距離のところに、セブン-イレブンローソンファミリーマートの3つのコンビニがあったとします。あなたはたぶん、あまり迷わずにどこに行くのか、決められるのではないでしょうか?

では、どうしてそのコンビニに行くことにしたのでしょうか。「いつも行っているから、なんとなく」という人が多いと思います。このように、また行きたくなるというのは、企業戦略にはまっているということ。まずはリピーターになってもらい、新しいものが出ても目移りすることなく、自分たちのブランドを使い続けてくれる”ファン”になってもらうことが、どの企業でも重要な戦略になっているのです。

どんな戦略を立てるのも、それを運用していくのも簡単なことではないですが、一方で、驚くほどユニークな戦略を立てて成功させている企業があるのも、また事実。そこで今回は「戦略」という視点から、企業を見ていきたいと思います。

王道のセブン-イレブンではやれないことをできるのが強み

なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか?


1日60万個も売れる「プレミアムロール」や自社出資の農場から野菜を直送する「ローソンファーム」の全国展開、ヘルスケアへの進出など、さまざまな取り組みを推進。高齢者の顧客が多く、商品開発も王道にならざるを得ない王者、セブン-イレブンとはひと味もふた味も違う、新しい事業や商品を次々に打ち出しています。
こうした取り組みを経営者視点で語るのではなく、現場の社員への取材を中心に、舞台裏を明らかにしていくのが本書です。会社が立てた戦略に対して、現場は何を考え、どう向き合っていくべきなのか。ローソン社員が、いいお手本になるはずです。

著者:上阪徹
出版社:あさ出版
出版日:2015年05月25日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/506

5年で店舗数1.7倍!脅威の成長を遂げた理由は?

なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?
「お客が長居する」のに儲かるコメダのひみつ


2012年には435店舗だったものが、2017年7月には739店舗まで店舗数を拡大。東京でも57→169店舗に増えたことで、一気に知名度がアップ、全国区のチェーン店となったコメダ珈琲店
では、なぜこれほどまでに人気を得ることができたのでしょうか?その秘密を解き明かしたのが本書。デニッシュの厚さから座席の幅に至るまで、緻密な戦略が隠されていることに気付くはずです。他のカフェも、こうした「戦略」の観点で見てみると、また違った楽しみ方ができるかもしれませんね。

著者:高井 尚之
出版社:プレジデント社
出版日:2016年11月01日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1136

「別に店が汚くたっていい。ラーメンがうまければ文句ないだろう。」
これに満足しなかった。

麺屋武蔵 ビジネス五輪書


タイトルにした文章はコーポレートサイトの「ビジョン」で語られている矢都木氏の言葉です。麺屋武蔵“前”のラーメン屋は、お店や主人が主体だった。でもそこにはお客さまの喜びはない。そこで「食べる喜びのあるラーメン屋を作りたい」と思ったのが創業のきっかけだったそうです。
本書で紹介されている「モノを売るな、コトを売れ」「食べる前に勝つ」「値下げは絶対にしない」といったやり方は、戦略と呼ぶには少し荒々しいかもしれません。ですが、想い(ビジョン)が落とし込まれているという点では、どの戦略よりも本質的なものだともいえます。戦略論ばかりをよんで頭でっかちになっている人には、ぜひ本書を読んで、基本に立ち返っていただければと思います。

著者:矢都木 二郎
出版社:学研プラス
出版日:2017年03月14日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1105

机上の理論よりも、成功した戦略を学ぼう

P&G式 「勝つために戦う」戦略


言わずと知れたグローバル企業、P&G。アリエール、ファブリーズと聞けば、誰もが一度はCMを見たり、使ったことがあると思います。ですが、P&Gがこれほどまでに躍進したのは、危機を乗り越えた後のこと。2000年からの10年間でA・G・ラフリーとロジャー・マーティンが行った改革がP&Gを市場価値1000億ドルの超一流企業へと押し上げたのです。
本書では、改革で行われたさまざなな戦略を余すところなく解説。売上2倍、利益4倍を実現した戦略がどのように作られたのかを学び、ぜひ自社で応用してみてください。

著者:A・G・ラフリー、ロジャー・L・マーティン著、酒井 泰介訳
出版社:朝日新聞出版
出版日:2013年09月30日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/343

誰かが革命を起こす前に自身を改革せよ(目次より)

フェイスブック 不屈の未来戦略


タイトルは「未来戦略」ですが、これは未来にどんな戦略をとるつもりなのか、が書かれているという意味ではなく、未来を見据えた戦略、という意味。その証拠に本書では、2004年にサイトがローンチした後、IPOの失敗から復活し、広告事業の発展、競合の参入、人材獲得競争といった困難に立ち向かったかが描かれています。
そして最後の章で、お待ちかねの「(今を起点にした)フェイスブックが見ている未来」を見ることができます。今一番、旬の企業では、私たちとは見えているものが違うのでしょうか?いきなり最終章を読むのもありですが、どうしてこんな未来が見えるのか、を理解するには、ぜひ最初から通してご覧ください。

著者:マイク・ホフリンガー著、大熊 希美訳、滑川 海彦解説
出版社:TAC出版
出版日:2017年07月05日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1186

記事作成:宮本 雪

本の要約サイト フライヤー

本連載は、1冊10分で読めるビジネス書の要約サイト「flier(フライヤー)」の記事をもとに再構成したものです。

フライヤー

ノマドジャーナル編集部
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