就任から6カ月を迎えた米・トランプ大統領。「アメリカ・ファースト」を唱え、移民の入国禁止やメキシコとの国境に壁を建設するといった大統領令を乱発し、国際社会からどんどん孤立しているように見えます。

では、国内ではどうなのでしょうか?ABCニュースとワシントン・ポストが共同で実施した調査によると、トランプの支持率は36%にまで低下。本人はTwitterで「ほぼ4割という数字は悪くない」と強がりをいって(?)いるようですが、就任100日後でこの支持率の低さは、戦後70年間の歴代大統領でも最悪の数字だそうです。

また、時期尚早としながらも、米下院民主党のブラッド・シャーマン議員は先月12日に弾劾案を提出。さらに、ロシア政府と共謀して大統領選に不正介入したとの疑惑で刑事訴追される可能性も出てきています(2017年7月20日現在)。

この先4年間、トランプ政権が続くかどうかという議論は他に任せることとして、すべての面においてアメリカが大きな転換点を迎えていることは間違いありません。
そこで今回は、アメリカにまつわる書籍を紹介します。学生時代に歴史や政治・経済で学び、また、ニュースでも毎日のようにアメリカの話題を目にしていると思いますが、大人になってから腰を据えて考えてみたことは、数少ないのではないと思います。ぜひこの機会に、学び直してみませんか。

資本主義の根底に流れるのは、神の意志!?

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神


ドイツの社会学者・マックス ヴェーバーは、営利の追求を敵視するピューリタニズムの経済倫理こそが、人間の生産力を引き出し、資本主義の成立にはからずも大きく貢献したという画期的な論考を本書で展開し、世に問いました。
この話がどうしてアメリカと関係があるのかというと、話は建国当時に遡ります。1620年にメイフラワー号でイギリスからアメリカに渡った人々の1/3がプロテスタントだったと言われています。ちなみに現在(2012年時点)でも、約48%がプロテスタントに属しています。つまり、アメリカを知るならプロテスタンティズムを避けては通れないということ。発言や行動の裏にある思想や考え方を理解することで、彼らをより深く知ることができるはずです。

著者:マックス ヴェーバー著、大塚 久雄訳
出版社:岩波書店
出版日:1989年01月17日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/509

「0.1%」対「99.9%」の現実(目次より)

超一極集中社会アメリカの暴走


世界の富のバランスは、パレートの法則を当てはめて、2割の人間が8割の富を持っている、とされています。これでも不平等な気がしますが、実際は、2%の富裕層であると言われ、さらに本書では、0.1%の超富裕層が8割どころかすべての富を手中に収めるとまで言い切っています。
その引き金となるのが、IoTや人工知能に代表される技術革新と情報革命。ロボットや自動運転はすべての人々の生活を豊かにすると考えられていますが、どうやら現実はそう上手くはいかないようです。日本は、アメリカのトレンドが10年遅れてやってくると言いますが、変化の波はもうすぐそこまで来ています。備えられないまでも、本書を読んで心構えくらいはしておくべきではないでしょうか。

著者:小林 由美
出版社:新潮社
出版日:2017年03月25日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1145

世の中すべて、カネ次第

ダーク・マネー
巧妙に洗脳される米国民


黒人初の大統領として若年層を中心に熱狂的な支持を集めて当選した、アメリカ前大統領のバラク・オバマ氏。最初こそ勢いはあったものの、人気が終わってみれば「史上最低の大統領」との評価も耳にするなど、実績が数少なかったように思います。
このようにオバマを静かに失脚させ、反リベラルのトランプを当選させたとされるのが、右派の富裕層。本書は、彼らがメディア、大学、シンクタンクを操作する様子を克明に綴ったノンフィクションです。日本でも政治とカネについてはたびたび話題に上がりますが、巨額のカネで政治がつくられていくさまは、まさに「事実は小説より奇なり」とでもいうべき衝撃を受けると思います。

著者:ジェイン・メイヤー著、伏見 威蕃訳
出版社:東洋経済新報社
出版日:2017年02月09日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1208

格差が拡大した原因は、経済ではなく政治にある

ロバート・ライシュ 格差と民主主義


これまで取り上げた本で、アメリカでは今、超富裕層が富を独占しつつあり、民主主義は暴走している―という現状が見えてきたと思います。そして、このままでは日本も同じ道を歩むのではないか、ということも想像に難くありません。
では、富裕層でも政治家でもない、ふつうの労働者はどうしたらいいのでしょうか?何をするべきか、について、ひとつの答えが示されているのが本書です。一人の力じゃ何も変わらないと言って何もしないのは、楽です。しかし、行動しなければ何も起こらないのです。今、もやもやした気持ちがあるなら、ぜひ読んでみてください。やるべきことがきっと見えてくるはずです。

著者:ロバート・ライシュ著、今井 章子、雨宮 寛訳
出版社:東洋経済新報社
出版日:2014年12月04日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/386

今の政府は、40年前のOSで動いているコンピュータのようなもの(本書より)

未来政府
プラットフォーム民主主義


「お役所仕事」と言われるように、市役所にはじまり議員や省庁が絡むことは、遅いし、進まない。これでは誰も、政治に関わりたくないと思ってしまうのは、当然のことかもしれません。
こうした状況を憂慮し、行動を起こしたのが、カリフォルニア州副知事であり、起業家でもあるギャビン・ニューサム氏。彼が実行した行政改革は、これまでの常識では考えられないものばかり。スマホやアプリ、ゲーミフィケーションなど、新しいツールとアイデアで市民による自治を実現しました。「日本では難しい・・・」なんて言わずに、ぜひご一読を!政治にもう一度、期待が持てる内容です。

著者:ギャビン・ニューサム、リサ・ディッキー著、町田 敦夫訳、稲継 裕昭監修
出版社:東洋経済新報社
出版日:2016年10月13日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1073

記事作成:宮本 雪

本の要約サイト フライヤー

本連載は、1冊10分で読めるビジネス書の要約サイト「flier(フライヤー)」の記事をもとに再構成したものです。

フライヤー

ノマドジャーナル編集部
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