突然ですが、みなさんは”マーケティング”がどういうものか、きちんと説明ができますか?
なんとなく知っているとか、指示通りにやっているだけ、という方も、多いのではないでしょうか。

実はマーケティングを定義は複数あり、たとえば、日本マーケティング協会では、「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である」としています。文章は理解できても、結局なにをすることなの?と、さらに疑問が出てきてしまいますよね。

いろいろな定義がある中でわかりやすいのが、「顧客満足を軸に『売れる仕組み』を考える活動」(グロービス・MBA経営辞書)というもの。マーケティングというと企画に関係がありそうなイメージもありますが、こう考えると、営業から商品開発、スーパーの店長まで、あらゆる仕事に関わりがあるとわかると思います。

定義を理解できたところで、次はいよいよ実践!
今回は、マーケティングを網羅的に学ぶものではなく、実際に「売れた仕組み」、つまり”使える、役に立つ”本を中心に紹介します。ぜひ、明日からの仕事の参考にしてみてください。

安売りでも高級でもない。日常を特別にしてくれるスーパー

成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?


高級住宅街である成城という名前が入っていたり、都心に店舗があることから、なんとなく高級そう・・・。みなさんの頭の中の「成城石井」はイメージは、こんな感じではないでしょうか。実態はというと、たっぷりのサラダが500円、本格的なティラミスが380円とデパ地下よりずっとお得。本書の中でも、高級スーパーと思われたくない、とはっきり断言しています。
マーケティング・リサーチに頼らずに、どのようにして商品やサービスを生み出しているのか?これほどまでにファンが増えていく理由は?などなど、これまでとはひと味もふた味も違う店舗戦略は、読み応えたっぷりです。

著者:上阪 徹
出版社:あさ出版
出版日:2014年7月14日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/book/273

悪用禁止!究極の「売れる戦略」

なぜ、あの「音」を聞くと買いたくなるのか
サウンド・マーケティング戦略


「蛍の光」を聞くとなぜかお店から出なきゃいけない気分になり、ステーキの焼ける「じゅー」という音を聞けば、思わずお腹がぐーっとなってしまったり。こうして考え見ると、”音”というのは思っている以上に、私たちの行動や消費に影響していることがわかります。
サウンド・マーケティングとは、こうした効果を偶然ではなく、戦略的に生み出すようにすること。自然と耳に入ってきてしまう「音」の力を味方につければ、お客さまを操ることだって不可能ではないのです。ディズニーやコカ・コーラなどのサウンド・マーケティング戦略を一手に担っていた著者の手腕を、とくとご覧あれ。

著者:ジョエル・ベッカーマン、タイラー・グレイ著、福山 良広訳
出版社:東洋経済新報社
出版日:2016年2月11日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/book/902

いい商品、というだけでは、もう売れない

売らずに売る技術
高級ブランドに学ぶ安売りせずに売る秘密


洗濯機、カラーテレビ、冷蔵庫が始めて世の中に出てきた時は、みんながそれを欲しがり、宣伝すら必要ありませんでした。翻って現代は、似たような製品が溢れていて選ぶことも面倒だったり、そもそも、生活に必要なモノは揃っていて、必要ない状態です。
こんな時代に闇雲に広告を出したり、値段を下げても、消費者の購買意欲はちっとも上がりません。ではどうしたらいいのか?ひとつの答えとして著者が提案するのが、ラグジュアリーブランドの戦略です。お客さんに愛され、ファンになってもらう―そろそろ、安売りや押し売りといった売り方からは、卒業しませんか?

著者:小山田 裕哉
出版社:集英社
出版日:2016年1月30日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/book/1016

事業創造にも、事業再生にも、マーケティングが役に立つ

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方
成功を引き寄せるマーケティング入門


開業の2001年の入場者数が1100万人だったにもかかわらず、翌2002年には760万人と、ほぼ半減。そんな状態が10年続いた後、2013年にV字回復を成し遂げたしたのが、本書の著者であるUSJの最高マーケティング責任者です。
実体験から学んだマーケティング成功の秘訣と同時に、フレームワークまで学べる良書。さらに理論だけでなく、読者がすぐに活用できるよう、アクションプランまで提案されています。初めてマーケティングに触れる方にピッタリの一冊です。

著者:森岡 毅
出版社:KADOKAWA/角川書店
出版日:2016年4月23日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/book/892

ハイチュウがソニーのような世界的ブランドになる日は来るのか?

「ポッキー」はなぜフランス人に愛されるのか?
海外で成功するローカライズ・マーケティングの秘訣


ただでさえモノが売れなくなってきている時代。その中でも特に、少子化の影響をもろに受けているのがお菓子業界ではないでしょうか。本書では、そんな苦境から脱しようと、海外へ進出し、悪戦苦闘しながらも成功したメーカーや商品を紹介しています。
ポッキーやミルキー、ハイチュウなど、日本人なら誰もが知っているお菓子が、フランスで、メキシコで、新興国でどう売られているのか?車や電化製品よりもまだまだ知名度の低い日本のお菓子の可能性は、無限大。企業戦略のヒントを掴むだけでなく、物語としても楽しんでいただけます。

著者:三田村 蕗子
出版社:日本実業出版社
出版日:2014年4月1日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/book/468

記事作成:宮本 雪

本の要約サイト フライヤー

本連載は、1冊10分で読めるビジネス書の要約サイト「flier(フライヤー)」の記事をもとに再構成したものです。

フライヤー

ノマドジャーナル編集部
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