今週から新シリーズ「世界の面白い副業」が始まります。タイトル通り、世界中から面白い副業を見つけてきて皆さんにご紹介したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

■声を売るという副業

アメリカにヴォイス・オーバー(Voice over)という仕事があります。多分アメリカ以外の国でもあると思いますが、アメリカで特に盛んのようです。ヴォイス・オーバーとは直訳すると「読み上げ」になりますが、文字どおり何らかの文章やスクリプトなどを読み上げる仕事です。

車社会のアメリカではラジオが未だにポピュラーです。アメリカのラジオ局は番組と番組の間に続けてCMを長時間流します。カーディーラー、スーパーマーケット、ファーストフードレストラン等々、主にローカルのお店や会社のCMが延々と流されます。そのCMに声を提供しているのもヴォイス・オーバー・アーチストと呼ばれる人達です。リスナーに強烈な印象を与えるユニークで個性的な声ばかりで、いかにもアメリカらしい感じがします。

■ヴォイス・オーバーの仕事はどうやって見つけるのか?

ヴォイス・オーバーの仕事を見つけるのは簡単です。Upworkなどのクラウドソーシングサイトで”Voice over jobs”と検索すればいくらでも仕事が出てきます。「アメリカ英語を話す若手の女性ヴォイス・オーバー・アーチスト求む。報酬は300ドル。教育用動画でスクリプトを読み上げる仕事です」「ゲームキャラクターのヴォイス・オーバー出来る人募集。12種類のキャラクターにそれぞれのヴォイス・オーバー・アーチストが必要。個性的な声をお持ちの方歓迎」等々、様々な会社が様々なタイプのヴォイス・オーバー・アーチストを求めています。ざっと見たところ、YouTube動画のヴォイス・オーバー・アーチストを求めているケースや、スマホアプリやゲームソフトで使われる声などを求めているケースが多いようです。

■ヴォイス・オーバーの仕事はいくら稼げるのか?

気になる報酬額ですが、クラウドソーシングでの相場はヴォイス・オーバー1回あたり数百ドル程度、時間が長くなるとその分相場が上がるようです。大体1回1分程度で数百ドル、1回10分程度だと800ドル程度まで相場が上がるようです。15秒程度のコマーシャルでも200ドル程度は稼げるようです。副業としては悪くない水準で、フルタイムでやるとそれなりの年収を稼ぐ事が可能です。また、ヴォイス・オーバー・アーチスト個人にプレミアムがつけば、それ以上稼ぐのも可能です。ただし、その際は、ヴォイス・オーバーの仕事が副業の範囲を大きく越えていることでしょう。

■ヴォイス・オーバー・アーチストも専門性が重要

プロのラジオアナウンサーとして10年活躍し、ヴォイス・オーバー・アーチストとして独立するとともにヴォイス・オーバー・アーチスト専用エージェント会社を立ち上げたタラ・タイラーさんは、ヴォイス・オーバーの業界で食べてゆくには専門性を磨くことが重要だとアドバイスしています。ラジオCMや動画での読み上げの他に、オーディオブックの読み上げ、音声認識ソフト用音声、ゲームキャラクターの声、電話応答システムの声等々、ヴォイス・オーバー・アーチストが必要とされる領域はたくさんあります。その中で、自分の声がもっとも活かせる領域を見つけ出し、それに最適化して進化を続ける事がカギだと主張しています。

ヴォイス・オーバー・アーチストの究極は声優ということになりそうですが、そこまでいかないにしても、アメリカにはヴォイス・オーバーという仕事がたくさんあります。なお、最近の日本でもココナラで自分の声を売りに出す人が現れ始めています。日本でもアメリカのようにヴォイス・オーバーという仕事が一般的になる日が、いつかやって来るかも知れませんね。

参考サイト

https://www.upwork.com/hire/voice-actors/
https://voicebunny.com/blog/first-five-steps-making-money-voice/

記事制作:
ジャパンコンサルティング合同会社
代表 前田健二

ノマドジャーナル編集部
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