突然ですが、みなさんに質問です。

 

月100万円の固定費、1食500円の変動費(食費など)がかかるお店で、
平均客単価が1,000円の場合、
黒字にするには1日にいくらの売上が必要でしょうか?

 

きちんと利益を出すには、上述の例のように売上高と費用が均衡する地点、損益分岐点を知っておくことが大切です。

また、フリーランスやノマドとして働く場合にも、サービスの料金を設定したり、働く時間を考える際に重要な視点となりますので、実際の数値や金額を思い浮かべながらシミュレーションしてみましょう。

売上高と費用がプラス・マイナスゼロになる地点が、損益分岐点

Q:利益を出すにはどれくらいの売上が必要なのかを把握したいと思っています。

A:自社の損益分岐点を分析してみましょう。

会社経営においては会社が継続することが大事です。赤字では、会社に入ってくる資金より出ていく資金の方が多くなってしまいますので、会社を継続するためには利益を出していかなければなりません。そこで利益を出すためにどれくらいの売上高が必要かを把握する手段が損益分岐点です。自社の損益分岐点を分析して見ましょう。

 

さて、損益分岐点とは、売上高と費用が均衡して、ちょうど損益がゼロとなる地点を指します。
イメージとしては下記となります。

固定費とは、会社の売上高に関わらず発生する人件費や地代家賃のため一定額発生します。一方、変動費は売上高に応じて発生する材料費や販売促進費などです。売上高に応じて発生するため右上がりとなっています。

 

例えば飲食店であれば、お店の人件費や家賃が固定費となり、各お店で消費する食材費が変動費となります。つまり固定費はお客さんの数や売上に関係なくかかっていくもので、変動費は食材費などでお客さんの数に応じて増加していくものです。
飲食店が利益を出すためには、最低でもいくらの売上高を稼がなければいけないか、この損益分岐点を分析することが有効です。

損益分岐点から、1日に必要な売上高を導く

Q:実際には、どのように損益分岐点を求めるのですか?

A:損益分岐点売上高のイメージは上記の図の通りなのですが、計算式としては、
損益分岐点売上高=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}
となります。

 

では具体的に損益分岐点売上高を求めてみましょう。
まず、以下のような飲食店を想定してみます。

 

  • 固定費(人件費、家賃など)…月100万円
  • 平均客単価…1000円
  • 平均的な食材費などの変動費…500円

 

この場合に損益分岐点売上高を求めると、以下のようになります。
固定費(100万円)÷{1-(変動費500円÷売上単価1,000円)}=200万円

 

となり、毎月200万円を超える売上を上げることで、このお店は黒字になることがわかります。

 

それでは、毎月200万円の売上を達成するには1日当たりはいくらの売上高が必要でしょうか、またそのためには何人のお客様にきてもらう必要があるでしょうか?
毎月200万円の売上となると営業日が25日とすれば、200万円÷25日=8万円で、これが1日当たりの売上高になります。そして、客単価1,000円であることを考えると、一日80人のお客様に来てもらう必要があることが分かります。

まずは損益分岐点を把握し、利益をどう出すかを考える

Q:損益分岐点を決める際のポイントはありますか?

A:当然、損益分岐点売上高は低い方が黒字化しやすいということなので、自社にとって削減できる固定費、変動費はないか検討すべきです。もしくは、売上についても販売単価か販売量のどちらかを増やせないかを、日々探求し続けることが大切です。

 

まずは自社の損益分岐点売上高がいくらなのか、どの費用を抑えればいいのかを把握することで、しっかりと利益を出せるようにしていきましょう。

専門家:江黒 崇史

大学卒業後、公認会計士として大手監査法人において製造業、小売業、IT企業を中心に多くの会計監査に従事。
2005年にハードウェアベンチャー企業の最高財務責任者(CFO)として、資本政策、株式公開業務、決算業務、人事業務に従事するとともに、株式上場業務を担当。
2005年より中堅監査法人に参画し、情報・通信企業、不動産業、製造業、サービス業の会計監査に従事。またM&Aにおける買収調査や企業価値評価業務、TOBやMBOの助言業務も多く担当。
2014年7月より独立し江黒公認会計士事務所を設立。
会計コンサル、経営コンサル、IPOコンサル、M&Aアドバイザリー業務の遂行に努める。