アイ・モバイル株式会社 木城克彦氏
「ホームページシステム」「サイト作成サービス」「インターネット広告」など、IT関連事業で飛躍を遂げているアイ・モバイル株式会社。”世界一かんたんに作成・更新できる”を目指して生まれた一歩先を行くシステム「スマートページ」を中心に、約3000の税理士事務所と2万社の中小企業のHP制作を手掛けています。
それぞれが別々に知識を習得していた営業職の意思を統一するため、更なる組織体制の強化を目指している同社。専門家のスキルを学ぶ機会を設けることで知識のすり合わせに成功しつつ、明確な課題を発見することで、次のステップを模索し始めています。
今回はアイ・モバイル株式会社の人事担当である木城克彦さんと、安東佳代さんに外部人材の知見をどのように活用したのか、具体的な事例を伺いました。専門家による人材育成施策によってどのように課題解決がなされたのでしょうか。
(本インタビューは、専門家相談サービスOpen Researchの事例インタビューです)
大手企業が評価するサービス、ITで日本の中小企業を元気に
Q:まずは、展開している事業について、お話を伺わせていただければと思います。
木城克彦さん(以下、木城):
中小企業および税理士を中心に、HPの販売やCMS(コンテンツマネジメントシステム)、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)サービスを安く提供しています。
Q:どのような想いがあって、こういった事業を始められたのでしょうか。
木城:
「ITで、HPで、中小企業を元気にしたい」ということですね。HPを作る必要性は3つあると会社は考えており、一つ目は「顧客の拡大」、二つ目は「採用支援」、三つ目は「信用力のアップ」です。それらの要素を汲んだ上で、私たちは安価・手軽・気軽をキーワードに、最大限に活用してもらえるよう提案をしています。
Q:HP制作に関連する企業は、日本に数多く存在しています。「安価」「手軽」「気軽」のキーワードを挙げられていましたが、御社ならではの強みや特徴はございますか。
木城:
HPが簡単に作れるシステム「スマートページ」の提供です。これは非常に評価が高くて、大手企業にも自社の顧客に提案をしていただいています。
もう一つは全国展開。HP作りは地場産業が多いのですが、小規模ながらも各地域にパートナーの人員を配置しています。なので、全国のお客様に対応をすることができるのは大きいですね。
最後はサポートです。一般的には作るだけで、サポートまで行っている企業は少ないんですよ。それに比べて、当社は営業の数よりも、CSカスタマーの方が多い。そういった独自の規模感は、強みになっているのではないでしょうか。
外部の視点、価値観と触れることで、内部の考え方の標準化を避ける
Q:新たな試みとして専門家相談サービス「Open Research」を人材育成に活用されました。どういった場面に活用されたのか、活用の背景についてお伺いできますか。
木城:
今回は、Open Researchを活用して、毎月様々な専門家の方々に、弊社の営業担当者に対して営業をテーマにお話を頂きました。インテルの元役員の方から、リクルートのトップ営業の方、コンサルタントの方まで、多くの方に、講話形式から研修形式、ワークショップのようなものまで多様に提供いただいています。
当社は専門的な知見を聞くにしても、社内のマネジャーや部長のような人材しかいなかったので、これまで外部の人と触れ合う機会がありませんでした。そうなると、内部の考え方を社員は標準だと思ってしまうわけです。だからこそ、お客様を含めた外部の話を聞くことは得るものが多い貴重な機会なのです。例えば、本サービスを通じて、普段は絶対に会えないような企業の役員の方の話を聞くだけで、何か引っかかるところがあるよね、と。
また、現場の営業からも、自分達の営業スタイル以外の話を聞いてみたいとの要望がありました。そのため、Open Researchにより、複数の外部の専門家の方を活用した独自の人材育成研修を導入することを決めました。しかし、今回の導入にあたってはそもそもの社内における位置づけや目的含めていろいろと試行錯誤の連続でした。正直な話、今のOpen Research研修の形になるまで、かなりの苦労がありましたね。
Q:といいますと。
木城:
最初は大手企業の元役員の方の講話という形で、組織論から入りました。これもなかなか得られない内容をきくことができ大変興味深かった。ただ、研修を行うのであれば、成果を求めなければいけません。一方でいくら営業職とは言え、専門家に教えを請うたからといって、いきなり成果を出すのは難しい。そういう話の流れになって、現場の意見やフィードバックを取り入れつつ研修内容の調整を入れていきました、そうして研修を進めるにつれてより実践的な内容を取り入れていきました。
今は人事側の希望と現場の希望する内容をうまくバランスをとって実施できるようになっています。Open Researchは多様な専門家の方々を紹介いただけるサービスで、様々な選択肢があるからこそフィードバックを受けながら研修を最適化することができた形です。これらの設計をする人事としても、大きな学びがありました。
各自の知識をすり合わせる良い機会、今後の課題も明確に
Q:1時間の専門家相談サービスOpen Researchを知ったきっかけは何だったのでしょうか。
木城:
元々は顧問サービスでのお話を検討していました。顧問サービスですと、同じ専門家と長期間の付き合いになりますよね。でも、今回の内容は専門家の話を聞くだけで良かった。研修や人材育成での外部活用になると、普通は一ヶ月に数十万円も払って、半年から一年間は契約をしなければいけませんが、そうではない形の研修を組んでみたかった。そうして、お話しをしていく中で1時間だけ専門家の時間を抑えることのできるサービスを知りました、それで月1回、12か月分活用することにしました。
Q:毎月いろいろな専門家で実施しているとのことでしたが、今現在はどういった内容で研修をされているのですか。また、お話を聞いていてどういうご感想をお持ちですか。
安東佳代さん(以下、安東):
営業の現場で使えるようなスキルなどのお話をしてもらっています。これまでは社内では、理論的な営業スタイルを学んでいる人もいれば、現場だけで身に付けてきた人もいました。そういう人たちが一緒に学ぶことによって、自分たちの営業スタイルをすり合わせられることにもなって、良い機会だなと思っています。
Q:受講をされている営業メンバーの方々の様子はいかがですか。
安東:
今の段階だと、聞いただけで終わってしまっている社員もいます。どう実践で活用していくのかが課題ですね。
最終的に現場で使えるだけのスキルを身に付けることができれば良いなと思っていますので、ワークショップなどの試みも考えています。
取材・記事作成:山田 貴大
写真:加藤 静
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